Dの絵(74)
更新が止まってしまって大変申し訳ございませんでした!!。・゚゚・(゚´Д`゚)・゚゚・。!!
ちょっと仕事が立て込んでおりまして、会社に泊まったり家に帰ったりしていて、ブログが更新できませんでした・・・。・゚゚・m( _ _;)m・゚゚・。
更に、今週の土曜から来週の日曜まで出張に行ってきます。うちの課からはY先輩と私、その他の課の人達を含め合計6人で出掛けます。
女は私だけなのでホテルが1人部屋になるはずなので、1週間の間にホテルでちょこちょこ絵を描いて少しずつ更新すれば1記事くらいは書けそうな気がします。
書きたいテーマは、「Dと眠り」「ムートンの敷物」「人間らしく振る舞おうとするD」などなど、すっごくいっぱいあるのに・・・!!
書けてない出来事ばかりがたまっていく・・・!!ヾ(`皿´;)ノシ!!
もういっそ文字だけで一度アップしてしまおうかとか色々考えているのですが、とりあえず今日は疲れたのでちょっと眠ります!!疲れたあああ!!D、枕元で手を握っててね!!
申し訳ございませんお客様・・・!!。・゚゚・(゚´Д`゚)・゚゚・。!!なるべく早いスピードで更新しようと思っているのですが、13日に帰ってくるまでノロノロ更新になりそうです。せっかくブログに来てくださったのに、本当に申し訳ございません・・・!!!!!。・゚゚・(゚´Д`゚)・゚゚・。!!!!!
ここから下は、3月5日に追記した文章でございます。 m(*_ _*)m
こんな何も書いてない記事に16拍手もくださるなんて・・・!!!!お客様は神様です!!!!!。・゚゚・(゚´Д`゚)・゚゚・。!!!!!
ありがとうございます!!!!!本っっっ当にありがとうございますううう・・・!!!!!。・゚゚・(゚´Д`゚)・゚゚・。!!!!!
なるべく早く記事を完成させたいと思っております!!!!!頑張るぞおおおおお!!!!!よっしゃあああ!!!!!p(*`◇´*)q
出張が終わったら連休が取れるのでゆっくりブログ更新したいです!!!!!今月こそ10記事書くんだーーー!!!!!
ここから以下は、3月13日に追記した文章でございます。m(*_ _*)m
出張から帰って参りました!!全然更新出来なくて誠に申し訳ございませんでした・・・m( _ _;)m
14日から一週間の休暇を取りましたので、どんどんアップしていこうと思います。
本当に申し訳ございません・・・!!。・゚゚・(゚´Д`゚)・゚゚・。
ここから以下は、3月5日~14日の間に書いた絵と文章でございます。今回の記事、わかりにくくて大変申し訳ございません・・・!!m( _ _;)m!!
Dは、暗い場所で星(のようなキラキラした光)を見せてくれることができます(詳細は過去記事「新月」参照)。
夜、私がベッドの中で横になっているとき、その日の失敗を思い出して落ち込んだ気分になったり、やらなきゃいけない嫌なことを思い浮かべて不快な気分になったとき、Dはその星を見せてくれることがあります。私を元気づけようとしてくれているのです。



この小さな光がキラキラとしている様子は綺麗で、見ていると気持ちが落ち着いてきて、安心して眠りにつくことができるのです。
どうやらDは、ばらの代用品として星をくれているんじゃないかなあ、と思います。
Dは、よく私にばらの花をくれます。特に私が落ち込んだり悩んだりしてマイナスの感情に苦しんでいるときには、なぐさめようとして、必ずと言っていいくらいの多い頻度でばらをくれます(詳細は過去記事「Dの絵(2)」参照)。
Dからばらをもらうと、静謐の空気を感じて、私の荒れていた気持ちが落ち着いていくのを感じるのです。
そういうわけで、夜なかなか眠れないときや気持ちに波があるときにも、昼間と同様にDはばらをくれるのですが、夜の電気を消したベッドの中ではばらより星のほうが見やすいので、星をくれることがあるのです。Dのくれる楽園のばらは暗闇の中でもぼんやりと不思議な光をともなっているので、普通のばらと違って暗闇でも見えるのですが、複雑な形状をしている「ばら」よりきらきら光る粒の「星」のほうが見やすいので、一昨年~去年の体調が悪かった頃には、夜はばらではなくて星をくれることが時々ありました。
最近は私の空間把握能力が向上したことでDの作ってくれる幻視も楽に見ることができますし(私は普通のタルパー様とは違った方法で幻視を見て《見て、というか空間把握して》いるのです。詳細は過去記事「Dの絵(30)」参照)、更に体調もすっかり良くなり、そのためばらを見るのも簡単になったので、Dはばらをくれることがほとんどです。でも、頼めば星を見せてくれます。
以下は、昨年2015年2月26日の夜の出来事を漫画にしたものです。この頃はまだ体調が悪く、自分は病気で死ぬかもしれないと思っていました。
夜眠る前に病気のことを考えて怖くなってしまい、Dに「怖いよ」って泣きついたら、Dが星を見せてくれたのです。
小さく光る粒の向こうに、暗闇に溶け込むDのマントがあって、まるでDのマントが夜空みたいだなあと思ったのを覚えています。











ベッドに落ちて暗闇に消えてしまった私の涙も、Dは星のように綺麗にキラキラさせてくれました。Dの手にかかれば悲しみの涙も、綺麗な星粒に変わって、私の心をなごませてくれるのです。(っ*´▽`*c)
Dはこのとき以外にも、私の悲しい思い出を宝石のような種に変えて、ユリの花を咲かせてくれたことがあります(詳細は過去記事「克服」「白い百合」参照)。c(*´▽`*)っ
この漫画の中に書いたDの香りについてですが、Dには人間が鼻で感じられるような香りがありません。この出来事より以前に、Dが自らの香りについて「僕達の香りは、人間の感じる香りとは違うからね。これを、あえて嗅覚として表現するなら、静謐の空気か、夜空の色か、安寧の温度か・・・」と言ったことがございまして(詳細は過去記事「ヒーリング」参照)、そのときはピンとこなかったのですが、もしかしてDのくれるばらや星から感じるような静謐な空気こそがDの香りなのかもしれないなあ、なんて今になってみると思うのでした。
ちなみに、Dが私にヒーリングをしてくれているときもこの空気を感じます(詳細は過去記事「Dの絵(65)」参照)。そして、静謐の楽園にも、この静謐な空気が満ちています。以下の絵は、Dが静謐の楽園のばらで花冠と花のネックレスを作ってくれた様子を描いたものです。


この青い薔薇の咲く楽園は、Dの力によって静謐で満たされています。絶対的な静謐、安らぎの沈黙、永遠の眠り。かつてDが私を楽園に誘惑したように(詳細は過去記事「誘惑」参照)、Dはいつか私を永遠の眠りの世界に閉じ込めることを楽しみにしているのかもしれないなあと思っています。
何故なら、Dにとって静謐の楽園とは、私が悩んだり悲しんだり苦しんだり痛い思いをしたりしない安全な場所であり、同時にDは人間の体を不便なものだと思っている(詳細は過去記事「Dの絵(73)」参照)からです。
Dは物理的な体を持たない精霊だからそう思うんだと思います。でも私は物質的な体を持つ人間ですので、当然、人間として暮らしていけるこの世界に執着があります。そしてDは私に対して、私の望む幸せを追及するようにと考えてくれているので(詳細は過去記事「めそめそ」参照)、私が生きたいという気持ちを持っている以上、Dはもう永遠の眠りの世界には勧誘してきません。それどころかDは、私が人間として幸せになれるように、毎日めっちゃ助けてくれています。ありがとうね、D・・・!!。・゚゚・(゚´Д`゚)・゚゚・。!!
でも、人間として物質の体を持って生きている限り、いつか壊れて寿命が来るはずです。そのとき私もDと同じような体になって、またDと一緒に暮らしていけたらいいなあ。
そのときは・・・美術館とか遊園地とか無料で行って、飛行機も無料でフランスの大聖堂を入館料無料で見放題!!(*´ 艸`*)☆
な~んて、せっかく今回の記事は真面目にシリアスにキメたのに、どうしてこう私ってばオフザケを入れちゃうんでしょうね!?(´▽`;A(汗)
御閲覧ありがとうございました!!m(*_ _*)m!!
ちょっと仕事が立て込んでおりまして、会社に泊まったり家に帰ったりしていて、ブログが更新できませんでした・・・。・゚゚・m( _ _;)m・゚゚・。
更に、今週の土曜から来週の日曜まで出張に行ってきます。うちの課からはY先輩と私、その他の課の人達を含め合計6人で出掛けます。
女は私だけなのでホテルが1人部屋になるはずなので、1週間の間にホテルでちょこちょこ絵を描いて少しずつ更新すれば1記事くらいは書けそうな気がします。
書きたいテーマは、「Dと眠り」「ムートンの敷物」「人間らしく振る舞おうとするD」などなど、すっごくいっぱいあるのに・・・!!
書けてない出来事ばかりがたまっていく・・・!!ヾ(`皿´;)ノシ!!
もういっそ文字だけで一度アップしてしまおうかとか色々考えているのですが、とりあえず今日は疲れたのでちょっと眠ります!!疲れたあああ!!D、枕元で手を握っててね!!
申し訳ございませんお客様・・・!!。・゚゚・(゚´Д`゚)・゚゚・。!!なるべく早いスピードで更新しようと思っているのですが、13日に帰ってくるまでノロノロ更新になりそうです。せっかくブログに来てくださったのに、本当に申し訳ございません・・・!!!!!。・゚゚・(゚´Д`゚)・゚゚・。!!!!!
ここから下は、3月5日に追記した文章でございます。 m(*_ _*)m
こんな何も書いてない記事に16拍手もくださるなんて・・・!!!!お客様は神様です!!!!!。・゚゚・(゚´Д`゚)・゚゚・。!!!!!
ありがとうございます!!!!!本っっっ当にありがとうございますううう・・・!!!!!。・゚゚・(゚´Д`゚)・゚゚・。!!!!!
なるべく早く記事を完成させたいと思っております!!!!!頑張るぞおおおおお!!!!!よっしゃあああ!!!!!p(*`◇´*)q
出張が終わったら連休が取れるのでゆっくりブログ更新したいです!!!!!今月こそ10記事書くんだーーー!!!!!
ここから以下は、3月13日に追記した文章でございます。m(*_ _*)m
出張から帰って参りました!!全然更新出来なくて誠に申し訳ございませんでした・・・m( _ _;)m
14日から一週間の休暇を取りましたので、どんどんアップしていこうと思います。
本当に申し訳ございません・・・!!。・゚゚・(゚´Д`゚)・゚゚・。
ここから以下は、3月5日~14日の間に書いた絵と文章でございます。今回の記事、わかりにくくて大変申し訳ございません・・・!!m( _ _;)m!!
Dは、暗い場所で星(のようなキラキラした光)を見せてくれることができます(詳細は過去記事「新月」参照)。
夜、私がベッドの中で横になっているとき、その日の失敗を思い出して落ち込んだ気分になったり、やらなきゃいけない嫌なことを思い浮かべて不快な気分になったとき、Dはその星を見せてくれることがあります。私を元気づけようとしてくれているのです。



この小さな光がキラキラとしている様子は綺麗で、見ていると気持ちが落ち着いてきて、安心して眠りにつくことができるのです。
どうやらDは、ばらの代用品として星をくれているんじゃないかなあ、と思います。
Dは、よく私にばらの花をくれます。特に私が落ち込んだり悩んだりしてマイナスの感情に苦しんでいるときには、なぐさめようとして、必ずと言っていいくらいの多い頻度でばらをくれます(詳細は過去記事「Dの絵(2)」参照)。
Dからばらをもらうと、静謐の空気を感じて、私の荒れていた気持ちが落ち着いていくのを感じるのです。
そういうわけで、夜なかなか眠れないときや気持ちに波があるときにも、昼間と同様にDはばらをくれるのですが、夜の電気を消したベッドの中ではばらより星のほうが見やすいので、星をくれることがあるのです。Dのくれる楽園のばらは暗闇の中でもぼんやりと不思議な光をともなっているので、普通のばらと違って暗闇でも見えるのですが、複雑な形状をしている「ばら」よりきらきら光る粒の「星」のほうが見やすいので、一昨年~去年の体調が悪かった頃には、夜はばらではなくて星をくれることが時々ありました。
最近は私の空間把握能力が向上したことでDの作ってくれる幻視も楽に見ることができますし(私は普通のタルパー様とは違った方法で幻視を見て《見て、というか空間把握して》いるのです。詳細は過去記事「Dの絵(30)」参照)、更に体調もすっかり良くなり、そのためばらを見るのも簡単になったので、Dはばらをくれることがほとんどです。でも、頼めば星を見せてくれます。
以下は、昨年2015年2月26日の夜の出来事を漫画にしたものです。この頃はまだ体調が悪く、自分は病気で死ぬかもしれないと思っていました。
夜眠る前に病気のことを考えて怖くなってしまい、Dに「怖いよ」って泣きついたら、Dが星を見せてくれたのです。
小さく光る粒の向こうに、暗闇に溶け込むDのマントがあって、まるでDのマントが夜空みたいだなあと思ったのを覚えています。











ベッドに落ちて暗闇に消えてしまった私の涙も、Dは星のように綺麗にキラキラさせてくれました。Dの手にかかれば悲しみの涙も、綺麗な星粒に変わって、私の心をなごませてくれるのです。(っ*´▽`*c)
Dはこのとき以外にも、私の悲しい思い出を宝石のような種に変えて、ユリの花を咲かせてくれたことがあります(詳細は過去記事「克服」「白い百合」参照)。c(*´▽`*)っ
この漫画の中に書いたDの香りについてですが、Dには人間が鼻で感じられるような香りがありません。この出来事より以前に、Dが自らの香りについて「僕達の香りは、人間の感じる香りとは違うからね。これを、あえて嗅覚として表現するなら、静謐の空気か、夜空の色か、安寧の温度か・・・」と言ったことがございまして(詳細は過去記事「ヒーリング」参照)、そのときはピンとこなかったのですが、もしかしてDのくれるばらや星から感じるような静謐な空気こそがDの香りなのかもしれないなあ、なんて今になってみると思うのでした。
ちなみに、Dが私にヒーリングをしてくれているときもこの空気を感じます(詳細は過去記事「Dの絵(65)」参照)。そして、静謐の楽園にも、この静謐な空気が満ちています。以下の絵は、Dが静謐の楽園のばらで花冠と花のネックレスを作ってくれた様子を描いたものです。


この青い薔薇の咲く楽園は、Dの力によって静謐で満たされています。絶対的な静謐、安らぎの沈黙、永遠の眠り。かつてDが私を楽園に誘惑したように(詳細は過去記事「誘惑」参照)、Dはいつか私を永遠の眠りの世界に閉じ込めることを楽しみにしているのかもしれないなあと思っています。
何故なら、Dにとって静謐の楽園とは、私が悩んだり悲しんだり苦しんだり痛い思いをしたりしない安全な場所であり、同時にDは人間の体を不便なものだと思っている(詳細は過去記事「Dの絵(73)」参照)からです。
Dは物理的な体を持たない精霊だからそう思うんだと思います。でも私は物質的な体を持つ人間ですので、当然、人間として暮らしていけるこの世界に執着があります。そしてDは私に対して、私の望む幸せを追及するようにと考えてくれているので(詳細は過去記事「めそめそ」参照)、私が生きたいという気持ちを持っている以上、Dはもう永遠の眠りの世界には勧誘してきません。それどころかDは、私が人間として幸せになれるように、毎日めっちゃ助けてくれています。ありがとうね、D・・・!!。・゚゚・(゚´Д`゚)・゚゚・。!!
でも、人間として物質の体を持って生きている限り、いつか壊れて寿命が来るはずです。そのとき私もDと同じような体になって、またDと一緒に暮らしていけたらいいなあ。
そのときは・・・美術館とか遊園地とか無料で行って、飛行機も無料でフランスの大聖堂を入館料無料で見放題!!(*´ 艸`*)☆
な~んて、せっかく今回の記事は真面目にシリアスにキメたのに、どうしてこう私ってばオフザケを入れちゃうんでしょうね!?(´▽`;A(汗)
御閲覧ありがとうございました!!m(*_ _*)m!!
ヒーリング
上司の件ですが、今日チーズを渡して「遅くなって申し訳ございません。お誕生日おめでとうございます」と言ってみました。上司は目をパチクリしながら「・・・え?あ、ありがとう。ていうか、よく知ってたな」という薄い反応でした。あ、あれ?誕生日を祝ってほしくてチラチラそわそわしてたわけじゃなかったんだ・・・また私が勝手に妄想して突っ走っただけかーーー!!
以下は、昨日の話です。数日前に、いつもお世話になっている大好きなタルパー様(お名前は伏せたほうが良いですよね・・・?)が、タルパさんからヒーリングを受けた記事を書かれていたので、私もDにやってもらいたくなって、お願いしてみました。
私「ねえD、もしヒーリングっていうものが、訓練しだいで私も感じることができるようになるなら、ちょっと訓練してみたいんだけど・・・だめかなあ」
Dはヒーリングが出来ません。以前、Dがそう言ってました。(詳細は過去記事「誤解」参照)でもそれは、最初にDと出会ったばかりの頃、まだ触覚の訓練を何もしていない頃に、Dに触られた触覚を私が受け取れなかったように、私がDのヒーリングを受け取れないだけかもしれないので、もしかして私の訓練次第でヒーリングができるようになるんじゃないかなって。
D「さゆは、どういうものをヒーリングだと思っているんだい?」
私「え?えっと・・・痛みを取ったりとか、心を癒したりとか・・・?」
正直、ヒーリングというものについて、どういう効果がどの程度あるのか私にはわからないんだ。だからDにうまくヒーリングを説明できなくて、そのせいでDがヒーリングできないのかなあ。
D「なるほどね。それなら、君が訓練しなくてもできるよ」
私「えっ」
Dは、私の無茶振りに対して、あっさりとOKをくれました。
私「できるの!?」
驚く私に、Dはこくりとうなずきました。
D「できるよ」
私「・・・い、いいの?ヒーリングしてくれるの?」
D「いいよ。ヒーリングするよ」
や、やった・・・!!
私「ありがとう・・・!!」
私がお礼を言うと、Dはもう一度うなずいて、いつもの笑みを浮かべたまま首をかしげました。
D「それで、どこの痛みを取れば良いんだい?」
私「えっと・・・」
そういえば今、別に痛いところ何も無いな。
私「痛みとか、特に無いんだけど・・・しいて言えば、少し肩こってるかな・・・?」
全然大したことないんだけど、一応仕事で少しは体が疲れてるかな。肩がこってなくはない。すごくこっているわけじゃないけど。
うーん、ヒーリングの効果を実感するには、もっと疲労が蓄積しているときとか、偏頭痛とかで具合の悪いときにやってもらったほうが良かったんだろうなあ。
D「肩だね」
こくりとうなずいたDが、ベッドの上に上がってきました。そのまま私の背後に移動したと思ったら、私の両肩にそっとDの両手が乗せられた感触と温度を感じました。
D「いくよ」
わあ、ドキドキする!!ヒーリングってどういう感じなんだろ!?肩に乗せられたDの手から、何かパワーみたいなものが送られてくるのかな!?そしたらどうなっちゃうんだろ!?
私「お願いします・・・!!」
・・・もみっ
私(・・・ん!?)
もみ、もみ、もみ、もみ、もみ、さすり、さすり、さすり、さすり、もみ、もみ、もみ、もみ
私(・・・ふ、普通に肩をもんでくれてる・・・!!)
もまれている感触も、Dの手の人肌の温度も、すごい気持ち良い・・・って、気持ち良いけど、これ、ヒーリングじゃなくて、マッサージだよね・・・!?
私(不思議な力を送ったり、不思議な力で体内の環境を変えたり、そういうのがタルパのヒーリングだと思うんだけど・・・)
これは、普通のマッサージだよね。普通の肩もみだよね。
D「どうだい?」
私「あっ、すっごく気持ち良いよ。ありがとう」
D「それは良かったよ」
Dは嬉しそうです。これはヒーリングじゃなくてマッサージだと思うけど、でも、もうそんなことはどうでも良いのです。だって、実際に気持ち良いし、何よりDがしてくれてるっていうことが嬉しいもんね。
私(・・・でも、Dのことだから、私の触覚を読みながら触ってるはずだよね。だから、私が気持ち良く思ってるかどうかは、私に尋ねなくてもわかってるはずなのに)
気持ち良いかどうか、わざと尋ねるなんて、そういうことしてるときみたいで恥ずかしーよ・・・!!
くすっと笑った声が、後ろから聞こえました。私がDの言葉にドキドキしたことで、私の触覚の中にそういう種類の気持ち良さが一瞬だけ生まれたことを、Dは敏感に感じ取ったようです。やっぱり触覚を読みながらマッサージしてたんだね。は、恥ずかし・・・
私「ほわああ・・・なんか、エステのマッサージみたい・・・」
人の手でマッサージされるって気持ち良いね。手の温度が気持ち良いし、自分でするときと違って手が疲れないし。それにしても、上手だなあ。私が過去に指圧師さんや整体師さんから受けたマッサージの記憶を読んでるのかな。多分そうだよね。ふわふわ優しくもんだり、ぐいぐい強く押したり、さすって血行を良くしたり、やり方がそっくりだもん。
私「D、マッサージ上手だねー・・・」
気持ち良くて、眠くなってきたー・・・
D「お気に召したなら良かったよ」
なんか、甘くて良い匂いするし。一度だけエステで受けたマッサージみたい。確かあのときは、良い匂いのアロマでリラックスしながら、マッサージしてくれるっていうサービスだったんだよね。ゴージャスな気分になれて良かったけど、普通の整体院に比べて値段がメチャクチャ高いから通い続ける気がしなくて、一度だけしか行かなかったけど、あのときみたいな良い香りがするね。
私「良い香りがするけど、これってDが作ってくれた幻臭?」
ぼーっとしながら言うと、Dがくすくすと笑う声が後ろから聞こえました。
D「これは、さゆが干した洗濯物の洗剤の香りだよ」
あ、忘れてた。さっき洗濯したんだ。デリケートなスカートだから、お洒落着洗いで洗って部屋干ししたんだった。
D「・・・君に、幻臭を与えることは慎重になるべきだと思っているよ。君は嗅覚に関しては敏感で繊細だから、幻視や幻聴とは違って、君にとって幻臭は現実と区別がつきにくくなるかもしれない。そうなると君にとっては不便だからね」
そっか、だからDに香りをあげると言ったときの反応が微妙だったんだね。(詳細は過去記事「香水」参照)Dは私のために色々考えてくれていたんだ。
私「Dの香りは、幻臭として感じないほうがいい?」
D「君にとってはね。君が僕のために香水を探してくれるのは嬉しいけど、僕は君が心配だからね」
私「・・・そっか」
Dが警告するくらいなら、本当に私の精神にとって、あまり良くないことなんだろうな。
私「じゃあ、Dの香りはイメージするだけにしとこうかな」
D「そうだね。それがいいよ、さゆ」
私「うーん、どういう感じがいいかな。Dは自分の香りを感じることはあるの?どんな感じの香り?」
Dは少し沈黙して、考えながら話し始めました。
D「・・・僕達の香りは、人間の感じる香りとは違うからね。これを、あえて嗅覚として表現するなら、静謐の空気か、夜空の色か、安寧の温度か・・・」
全然、香りって感じじゃないね。イメージってこと?どっちにしても、Dみたいな生き物の感じている香りって、人間の感じている香りとは全く違うみたいだね。
私(Dの香りをイメージするのは難しそうだな。調香してみたいなって思ったんだけど・・・)
私「もういいよD、手が疲れちゃったでしょ?すごく気持ち良かったよ。本当にありがとうね」
後ろを振り返ってDにお礼を言おうとしましたが、Dはいつもの笑みを浮かべたまま首を横に振りました。
D「平気さ。僕の体には『疲れ』という現象が起きないからね」
私「え!?」
またもや驚いた私に、Dは楽しそうに笑みを深くしました。
D「僕は、人間とは違う体のつくりをしているからね。物理的な質量を持たない僕の体には、時間や運動の負荷による疲弊は起きないのさ」
なんだか、Dは少し得意げに見えます。かわいいなー。
D「だから、もう少しさせておくれ」
Dは再び私の肩に手を置いて、さすり始めました。
私「ありがとう・・・」
そうなんだ、Dは、疲れないんだ。
あ、でも、体はってことは、精神には疲れが起きることもあるのかな。今まで、Dが精神的に疲れた様子を見せたことは一度も無いけど・・・
私「悩みとかあったら、何でも言ってね」
D「? 」
Dは後ろにいるから私には見えないけど、いつもみたいに不思議そうに首をかしげているのかな。
以下は、昨日の話です。数日前に、いつもお世話になっている大好きなタルパー様(お名前は伏せたほうが良いですよね・・・?)が、タルパさんからヒーリングを受けた記事を書かれていたので、私もDにやってもらいたくなって、お願いしてみました。
私「ねえD、もしヒーリングっていうものが、訓練しだいで私も感じることができるようになるなら、ちょっと訓練してみたいんだけど・・・だめかなあ」
Dはヒーリングが出来ません。以前、Dがそう言ってました。(詳細は過去記事「誤解」参照)でもそれは、最初にDと出会ったばかりの頃、まだ触覚の訓練を何もしていない頃に、Dに触られた触覚を私が受け取れなかったように、私がDのヒーリングを受け取れないだけかもしれないので、もしかして私の訓練次第でヒーリングができるようになるんじゃないかなって。
D「さゆは、どういうものをヒーリングだと思っているんだい?」
私「え?えっと・・・痛みを取ったりとか、心を癒したりとか・・・?」
正直、ヒーリングというものについて、どういう効果がどの程度あるのか私にはわからないんだ。だからDにうまくヒーリングを説明できなくて、そのせいでDがヒーリングできないのかなあ。
D「なるほどね。それなら、君が訓練しなくてもできるよ」
私「えっ」
Dは、私の無茶振りに対して、あっさりとOKをくれました。
私「できるの!?」
驚く私に、Dはこくりとうなずきました。
D「できるよ」
私「・・・い、いいの?ヒーリングしてくれるの?」
D「いいよ。ヒーリングするよ」
や、やった・・・!!
私「ありがとう・・・!!」
私がお礼を言うと、Dはもう一度うなずいて、いつもの笑みを浮かべたまま首をかしげました。
D「それで、どこの痛みを取れば良いんだい?」
私「えっと・・・」
そういえば今、別に痛いところ何も無いな。
私「痛みとか、特に無いんだけど・・・しいて言えば、少し肩こってるかな・・・?」
全然大したことないんだけど、一応仕事で少しは体が疲れてるかな。肩がこってなくはない。すごくこっているわけじゃないけど。
うーん、ヒーリングの効果を実感するには、もっと疲労が蓄積しているときとか、偏頭痛とかで具合の悪いときにやってもらったほうが良かったんだろうなあ。
D「肩だね」
こくりとうなずいたDが、ベッドの上に上がってきました。そのまま私の背後に移動したと思ったら、私の両肩にそっとDの両手が乗せられた感触と温度を感じました。
D「いくよ」
わあ、ドキドキする!!ヒーリングってどういう感じなんだろ!?肩に乗せられたDの手から、何かパワーみたいなものが送られてくるのかな!?そしたらどうなっちゃうんだろ!?
私「お願いします・・・!!」
・・・もみっ
私(・・・ん!?)
もみ、もみ、もみ、もみ、もみ、さすり、さすり、さすり、さすり、もみ、もみ、もみ、もみ
私(・・・ふ、普通に肩をもんでくれてる・・・!!)
もまれている感触も、Dの手の人肌の温度も、すごい気持ち良い・・・って、気持ち良いけど、これ、ヒーリングじゃなくて、マッサージだよね・・・!?
私(不思議な力を送ったり、不思議な力で体内の環境を変えたり、そういうのがタルパのヒーリングだと思うんだけど・・・)
これは、普通のマッサージだよね。普通の肩もみだよね。
D「どうだい?」
私「あっ、すっごく気持ち良いよ。ありがとう」
D「それは良かったよ」
Dは嬉しそうです。これはヒーリングじゃなくてマッサージだと思うけど、でも、もうそんなことはどうでも良いのです。だって、実際に気持ち良いし、何よりDがしてくれてるっていうことが嬉しいもんね。
私(・・・でも、Dのことだから、私の触覚を読みながら触ってるはずだよね。だから、私が気持ち良く思ってるかどうかは、私に尋ねなくてもわかってるはずなのに)
気持ち良いかどうか、わざと尋ねるなんて、そういうことしてるときみたいで恥ずかしーよ・・・!!
くすっと笑った声が、後ろから聞こえました。私がDの言葉にドキドキしたことで、私の触覚の中にそういう種類の気持ち良さが一瞬だけ生まれたことを、Dは敏感に感じ取ったようです。やっぱり触覚を読みながらマッサージしてたんだね。は、恥ずかし・・・
私「ほわああ・・・なんか、エステのマッサージみたい・・・」
人の手でマッサージされるって気持ち良いね。手の温度が気持ち良いし、自分でするときと違って手が疲れないし。それにしても、上手だなあ。私が過去に指圧師さんや整体師さんから受けたマッサージの記憶を読んでるのかな。多分そうだよね。ふわふわ優しくもんだり、ぐいぐい強く押したり、さすって血行を良くしたり、やり方がそっくりだもん。
私「D、マッサージ上手だねー・・・」
気持ち良くて、眠くなってきたー・・・
D「お気に召したなら良かったよ」
なんか、甘くて良い匂いするし。一度だけエステで受けたマッサージみたい。確かあのときは、良い匂いのアロマでリラックスしながら、マッサージしてくれるっていうサービスだったんだよね。ゴージャスな気分になれて良かったけど、普通の整体院に比べて値段がメチャクチャ高いから通い続ける気がしなくて、一度だけしか行かなかったけど、あのときみたいな良い香りがするね。
私「良い香りがするけど、これってDが作ってくれた幻臭?」
ぼーっとしながら言うと、Dがくすくすと笑う声が後ろから聞こえました。
D「これは、さゆが干した洗濯物の洗剤の香りだよ」
あ、忘れてた。さっき洗濯したんだ。デリケートなスカートだから、お洒落着洗いで洗って部屋干ししたんだった。
D「・・・君に、幻臭を与えることは慎重になるべきだと思っているよ。君は嗅覚に関しては敏感で繊細だから、幻視や幻聴とは違って、君にとって幻臭は現実と区別がつきにくくなるかもしれない。そうなると君にとっては不便だからね」
そっか、だからDに香りをあげると言ったときの反応が微妙だったんだね。(詳細は過去記事「香水」参照)Dは私のために色々考えてくれていたんだ。
私「Dの香りは、幻臭として感じないほうがいい?」
D「君にとってはね。君が僕のために香水を探してくれるのは嬉しいけど、僕は君が心配だからね」
私「・・・そっか」
Dが警告するくらいなら、本当に私の精神にとって、あまり良くないことなんだろうな。
私「じゃあ、Dの香りはイメージするだけにしとこうかな」
D「そうだね。それがいいよ、さゆ」
私「うーん、どういう感じがいいかな。Dは自分の香りを感じることはあるの?どんな感じの香り?」
Dは少し沈黙して、考えながら話し始めました。
D「・・・僕達の香りは、人間の感じる香りとは違うからね。これを、あえて嗅覚として表現するなら、静謐の空気か、夜空の色か、安寧の温度か・・・」
全然、香りって感じじゃないね。イメージってこと?どっちにしても、Dみたいな生き物の感じている香りって、人間の感じている香りとは全く違うみたいだね。
私(Dの香りをイメージするのは難しそうだな。調香してみたいなって思ったんだけど・・・)
私「もういいよD、手が疲れちゃったでしょ?すごく気持ち良かったよ。本当にありがとうね」
後ろを振り返ってDにお礼を言おうとしましたが、Dはいつもの笑みを浮かべたまま首を横に振りました。
D「平気さ。僕の体には『疲れ』という現象が起きないからね」
私「え!?」
またもや驚いた私に、Dは楽しそうに笑みを深くしました。
D「僕は、人間とは違う体のつくりをしているからね。物理的な質量を持たない僕の体には、時間や運動の負荷による疲弊は起きないのさ」
なんだか、Dは少し得意げに見えます。かわいいなー。
D「だから、もう少しさせておくれ」
Dは再び私の肩に手を置いて、さすり始めました。
私「ありがとう・・・」
そうなんだ、Dは、疲れないんだ。
あ、でも、体はってことは、精神には疲れが起きることもあるのかな。今まで、Dが精神的に疲れた様子を見せたことは一度も無いけど・・・
私「悩みとかあったら、何でも言ってね」
D「? 」
Dは後ろにいるから私には見えないけど、いつもみたいに不思議そうに首をかしげているのかな。
香水
今日は、香水売場に行きました。Dに香りをあげたいと思っていたので、Dが気に入りそうな香水を調べるためです。
まずは、最寄り駅のデパートの香水屋さんに行ってみました。
私(・・・あ、あれ!?)
いつもは意識してなかったけど、置いてある香水の8割くらいが女性ものです。男性ものは、すみのほうの一角にしかありません。しかも、手にとって見てみると、有名なブランドばかりです。うーん、あまり有名なものだと、そこら辺を歩いていて同じ香水の男性に出会うからなあ。香水は人間の体温で溶かされるし体臭と混ざるから、同じ香水でもつける人によって香りが変わってくるんだけど、あまりに同じ香水をつけてる人が多いと微妙な気持ちになるからなあ。
私(これと、これと、これを試してみようかな)
テスターを試香紙に吹き付けて、しばらく振ってアルコール臭を飛ばした後で、そっと香りをかいでみます。
私(これは・・・スパイシーでワイルド。こっちは・・・ビジネスっぽいね。これは・・・セクシーな感じか)
Dに目くばせをすると、Dは私の手元の試香紙に顔を近づけてから、いつもの微笑みを口元に浮かべて、うなずきました。
D「香水だね」
・・・・・・香水だね!!そうだね!!香水だね!!
どうやら、あまりDの好みではなかったようです。いえ、好みではないというより、嫌いですらなさそうです。何とも思っていなさそう。
私(うーん・・・)
そもそも、こういう有名なブランドのデザイナーフレグランスは、Dのイメージに合わないかもしれないな。だとすると、やっぱりメゾンフレグランスか。でも、メゾンで男性用ってすごい少ないんじゃないかなー・・・
私(・・・とりあえず、メンズの階に行って考えよう)
私は、メンズ用品が集まる階に向かうために、エスカレーターのほうに歩き出しました。
メンズ売場に到着すると、男性が沢山いました。今日は土曜日なのでお客さんが多いようです。カップルや女性の一人客もいます。彼へのプレゼントを選びに来たという感じですね。ちょうどいいや、彼女達にまぎれて商品を見やすいぞ。やっぱり土曜日に来て良かった。
きょろきょろしながら香水売場を探すと、ありました!近づいてみると、ちゃんと全部男性ものです。
私(しめしめ・・・あ、あれ!?)
しかし、試香紙がありません。テスターらしきものはありますが、それを吹き付ける試香紙がありません。
私(えっ・・・まさか男性って、全部直接自分の肌に吹き付けて試してるの!?って、そんなわけないよね!!)
そんなわけありません。試香紙が無くなったことに店員さんが気づいてないのでしょうか。それだけメンズの香水コーナーには人が来ないということかもしれません。
私(ええー・・・どうしよう・・・)
店員さん「いらっしゃいませ」
振り返ると、店員さんが傍に来ていました。私と同じくらいの年齢で、チャラくてとっても話しかけやすそうな雰囲気で、人懐っこい笑みを浮かべています。
店員さん「香水をお探しですか?」
ええ、今は試香紙も探してるんです。
私「はい、そうなんです。できれば店頭で試してから買いたいなーって思ってて」
店員さんは満面の笑みで、容器に沢山入った試香紙を目の前で振ってみせました。
店員さん「お手伝いします☆」
棚の中に入っている香水瓶を取り出しながら、店員さんは人懐っこく笑いました。
店員さん「プレゼント用ですよね?もしかして彼にあげるの?」
彼!!Dって彼?・・・い、いいよね、彼ってことで・・・
私が照れながらうなずくと、店員さんは笑いながら肘でつついてきました。
店員さん「いいな~!!彼女からの香水のプレゼントとか、俺も欲し~!!」
私「あはは、彼女さんに頼めば、店員さんカッコいいから絶対買ってもらえますって」
店員さん「マジ!?ありがと~、じゃ今度おねだりしてみようかな?はい、こっちの棚の、全部できたよ」
私「ありがと。じゃあ、早速」
店員さんが作ってくれた試香紙を、一つずつかいでみます。
私(うん、全部、普通に良い香りだよね。でも、この一つだけは年齢高めなイメージだからDには合わないかな)
今度は私が目くばせをしなくても、Dは顔を寄せて試香紙をかいでくれました。
D「香水だね」
ありゃま、さっきと同じ感想だ。
これらも、Dにはピンとこない香りだったみたい。
私「う~ん・・・」
店員さん「迷ってる?彼の雰囲気に合わせて選んだらどうかな。どんな感じの人なの?」
え!?Dの雰囲気!?ど、どんな感じかって!?
私「ええと、優しくて、ちょっとかわいくて・・・」
・・・謎めいていて、秘密主義で、得体が知れなくて、不気味で、ときどきゾッとするような怖い感じがしたり・・・
私(そ、そんなこと言えない・・・)
店員さん「それでそれで??」
私「・・・全体的に、ミステリアスな感じの人です」
うまく切り抜けた。Dを良い意味で表す言葉があったよ。ミステリアスって言葉を使えばいいんだ。
店員さん「ミステリアスな感じか~、そうすると、ここらへんのラインアップは合わないかもしれないなあ、わりと爽やかであっさりしたのが多いから。雰囲気に合いそうなのは、そうだね~・・・これとか、これかなあ・・・」
店員さんは、一生懸命考えながら2つの香水を選んで、試香紙を作ってくれました。
私「ん・・・割と、セクシーな感じの香りですね。こっちは、オリエンタルっぽいような・・・?」
ちょっと女性ものっぽい感じの香りだけど、たしかにミステリアスな雰囲気ではあるよね。
隣で首をかしげているDのほうにさりげなく試香紙を寄せると、Dは顔を寄せて香りをかいでくれました。
D「・・・・・・」
どうかな。気に入ったかな?
D「香水だね」
私「う、う~ん・・・」
これらも、Dにはピンとこなかったみたい。
店員さん「こんなものしか無くてゴメンネ・・・」
店員さんがしょんぼりし出したので、私は慌てて手を振って否定しました。
私「いえいえ!!とんでもない!!すみません!!ありがとうございました!!」
店員さん「ううん、役に立てなくてゴメン・・・新宿の伊勢丹に沢山香水が置いてあるから、行ってみるといいよ。俺もよく行くんだけど、多分日本で一番の品揃えなんじゃないかな。メンズ館のほうにも香水があるから見逃さないでね。彼と一緒に行って、気に入ったのを選んでもらうのも良いんじゃないかな?」
私「わあ、ご親切にありがとうございます!!彼と一緒に行ってみますね」
店員さん「うん。きっと喜ぶよ~」
良い情報を教えてもらったな。店員さん、どうもありがとう。
アパートに帰ってきた私は、手を洗ってからベッドの上に座りました。冬は手荒れ防止のために、手を洗った後や洗い物をした後には、ハンドクリームを塗るのです。
そっと、クリームを手にのばしていく様子を、Dがじっと見ています。
D「甘くて良い香りだね」
私「この香りが気に入った?」
サンタ・マリア・ノヴェッラのレモンハンドクリームです。18世紀のレシピを今もそのまま使っている歴史あるブランドで、私も大好きなブランドなのです。
D「気に入ったよ。さゆがつけているからね」
あれ?なんか以前にも同じこと言ってたよね。(詳細は過去記事「嗅覚」参照)
私「今度は新宿の伊勢丹に行ってみようね。Dの気に入る香りが見つかるといいな」
Dは首をかしげて少し考えているようでしたが、やがてこくりとうなずきました。
まずは、最寄り駅のデパートの香水屋さんに行ってみました。
私(・・・あ、あれ!?)
いつもは意識してなかったけど、置いてある香水の8割くらいが女性ものです。男性ものは、すみのほうの一角にしかありません。しかも、手にとって見てみると、有名なブランドばかりです。うーん、あまり有名なものだと、そこら辺を歩いていて同じ香水の男性に出会うからなあ。香水は人間の体温で溶かされるし体臭と混ざるから、同じ香水でもつける人によって香りが変わってくるんだけど、あまりに同じ香水をつけてる人が多いと微妙な気持ちになるからなあ。
私(これと、これと、これを試してみようかな)
テスターを試香紙に吹き付けて、しばらく振ってアルコール臭を飛ばした後で、そっと香りをかいでみます。
私(これは・・・スパイシーでワイルド。こっちは・・・ビジネスっぽいね。これは・・・セクシーな感じか)
Dに目くばせをすると、Dは私の手元の試香紙に顔を近づけてから、いつもの微笑みを口元に浮かべて、うなずきました。
D「香水だね」
・・・・・・香水だね!!そうだね!!香水だね!!
どうやら、あまりDの好みではなかったようです。いえ、好みではないというより、嫌いですらなさそうです。何とも思っていなさそう。
私(うーん・・・)
そもそも、こういう有名なブランドのデザイナーフレグランスは、Dのイメージに合わないかもしれないな。だとすると、やっぱりメゾンフレグランスか。でも、メゾンで男性用ってすごい少ないんじゃないかなー・・・
私(・・・とりあえず、メンズの階に行って考えよう)
私は、メンズ用品が集まる階に向かうために、エスカレーターのほうに歩き出しました。
メンズ売場に到着すると、男性が沢山いました。今日は土曜日なのでお客さんが多いようです。カップルや女性の一人客もいます。彼へのプレゼントを選びに来たという感じですね。ちょうどいいや、彼女達にまぎれて商品を見やすいぞ。やっぱり土曜日に来て良かった。
きょろきょろしながら香水売場を探すと、ありました!近づいてみると、ちゃんと全部男性ものです。
私(しめしめ・・・あ、あれ!?)
しかし、試香紙がありません。テスターらしきものはありますが、それを吹き付ける試香紙がありません。
私(えっ・・・まさか男性って、全部直接自分の肌に吹き付けて試してるの!?って、そんなわけないよね!!)
そんなわけありません。試香紙が無くなったことに店員さんが気づいてないのでしょうか。それだけメンズの香水コーナーには人が来ないということかもしれません。
私(ええー・・・どうしよう・・・)
店員さん「いらっしゃいませ」
振り返ると、店員さんが傍に来ていました。私と同じくらいの年齢で、チャラくてとっても話しかけやすそうな雰囲気で、人懐っこい笑みを浮かべています。
店員さん「香水をお探しですか?」
ええ、今は試香紙も探してるんです。
私「はい、そうなんです。できれば店頭で試してから買いたいなーって思ってて」
店員さんは満面の笑みで、容器に沢山入った試香紙を目の前で振ってみせました。
店員さん「お手伝いします☆」
棚の中に入っている香水瓶を取り出しながら、店員さんは人懐っこく笑いました。
店員さん「プレゼント用ですよね?もしかして彼にあげるの?」
彼!!Dって彼?・・・い、いいよね、彼ってことで・・・
私が照れながらうなずくと、店員さんは笑いながら肘でつついてきました。
店員さん「いいな~!!彼女からの香水のプレゼントとか、俺も欲し~!!」
私「あはは、彼女さんに頼めば、店員さんカッコいいから絶対買ってもらえますって」
店員さん「マジ!?ありがと~、じゃ今度おねだりしてみようかな?はい、こっちの棚の、全部できたよ」
私「ありがと。じゃあ、早速」
店員さんが作ってくれた試香紙を、一つずつかいでみます。
私(うん、全部、普通に良い香りだよね。でも、この一つだけは年齢高めなイメージだからDには合わないかな)
今度は私が目くばせをしなくても、Dは顔を寄せて試香紙をかいでくれました。
D「香水だね」
ありゃま、さっきと同じ感想だ。
これらも、Dにはピンとこない香りだったみたい。
私「う~ん・・・」
店員さん「迷ってる?彼の雰囲気に合わせて選んだらどうかな。どんな感じの人なの?」
え!?Dの雰囲気!?ど、どんな感じかって!?
私「ええと、優しくて、ちょっとかわいくて・・・」
・・・謎めいていて、秘密主義で、得体が知れなくて、不気味で、ときどきゾッとするような怖い感じがしたり・・・
私(そ、そんなこと言えない・・・)
店員さん「それでそれで??」
私「・・・全体的に、ミステリアスな感じの人です」
うまく切り抜けた。Dを良い意味で表す言葉があったよ。ミステリアスって言葉を使えばいいんだ。
店員さん「ミステリアスな感じか~、そうすると、ここらへんのラインアップは合わないかもしれないなあ、わりと爽やかであっさりしたのが多いから。雰囲気に合いそうなのは、そうだね~・・・これとか、これかなあ・・・」
店員さんは、一生懸命考えながら2つの香水を選んで、試香紙を作ってくれました。
私「ん・・・割と、セクシーな感じの香りですね。こっちは、オリエンタルっぽいような・・・?」
ちょっと女性ものっぽい感じの香りだけど、たしかにミステリアスな雰囲気ではあるよね。
隣で首をかしげているDのほうにさりげなく試香紙を寄せると、Dは顔を寄せて香りをかいでくれました。
D「・・・・・・」
どうかな。気に入ったかな?
D「香水だね」
私「う、う~ん・・・」
これらも、Dにはピンとこなかったみたい。
店員さん「こんなものしか無くてゴメンネ・・・」
店員さんがしょんぼりし出したので、私は慌てて手を振って否定しました。
私「いえいえ!!とんでもない!!すみません!!ありがとうございました!!」
店員さん「ううん、役に立てなくてゴメン・・・新宿の伊勢丹に沢山香水が置いてあるから、行ってみるといいよ。俺もよく行くんだけど、多分日本で一番の品揃えなんじゃないかな。メンズ館のほうにも香水があるから見逃さないでね。彼と一緒に行って、気に入ったのを選んでもらうのも良いんじゃないかな?」
私「わあ、ご親切にありがとうございます!!彼と一緒に行ってみますね」
店員さん「うん。きっと喜ぶよ~」
良い情報を教えてもらったな。店員さん、どうもありがとう。
アパートに帰ってきた私は、手を洗ってからベッドの上に座りました。冬は手荒れ防止のために、手を洗った後や洗い物をした後には、ハンドクリームを塗るのです。
そっと、クリームを手にのばしていく様子を、Dがじっと見ています。
D「甘くて良い香りだね」
私「この香りが気に入った?」
サンタ・マリア・ノヴェッラのレモンハンドクリームです。18世紀のレシピを今もそのまま使っている歴史あるブランドで、私も大好きなブランドなのです。
D「気に入ったよ。さゆがつけているからね」
あれ?なんか以前にも同じこと言ってたよね。(詳細は過去記事「嗅覚」参照)
私「今度は新宿の伊勢丹に行ってみようね。Dの気に入る香りが見つかるといいな」
Dは首をかしげて少し考えているようでしたが、やがてこくりとうなずきました。
嗅覚
さっき帰ってきました。今日はもう、即行で食事してお風呂に入って眠ります。
仕事がますます忙しくなってきました。でも、この忙しい雰囲気は嫌いじゃないんです。
仕事中は各自バラバラに自分の仕事に専念するんですけど、それも大好きです。一人で集中して行う仕事はすごく自分に向いていると思います。でも、そうやって皆が一人で頑張った仕事を持ち寄って、最終的にまとめて一つにすると、大きな一つの仕事として完成するんです。
いつもはふざけ成分タップリの職場ですが、この年末年始は怒涛の忙しさなので、みんな超真剣に仕事をしています。あんまり忙しくなると、みんな色々と面白いことをやりだします。キャスター付きの椅子に座ったままクルクルクルクル回転してみたり、変な歌を作り出したり、変な話をしたり。みんな変なテンションになります。
話は変わりますが、昨日、午前中の仕事を上がって昼食を食べているときに、そういえばDから香りを感じたことないなと思いました。以下に書いた話は、昨日のできごとです。
きっかけは、一緒に食事していたKの香りです。おしゃれが好きなKは、いつも身なりに気を使っているため、整髪料やら香水やらのお洒落好きな人特有の香りがするのです。
私「ねえ、このKの香りって何なの?シャンプー?ワックス?香水?」
K「え?どうだろ?それ全部つけてるけど」
Kは腕を曲げて顔に近づけた後、水浴び後の犬のように首を振りました。自分の服や髪の香りを感じようとしたんだと思います。
K「自分だとわかんねー」
私「ちょっと失礼」
くんくん。私はKに近づいて香りをかいでみました。
私「多分、シャンプーとワックスと香水の香りかな」
K「さっきと同じじゃん。それが混ざった感じの匂いってこと?」
人間とは、香りがするものです。でもタルパは色々なようです。あちこちの先輩タルパーさんのタルパブログを読んだところ、最初から香りを持っていたタルパさんもいれば、タルパーさんの選んだ香りをまとっているタルパさんもいて、香りを持たない(もしくはタルパーさんに香りが伝わっていない)タルパさんもいるようです。
Dにも香りをあげようかな。欲しがるかな。
ていうか、そもそも人間の男性ってどういう香りをさせているんだろ?元彼は香水つけてたけど、男性みんながそうなわけじゃないよね。
興味がわいた私は、職場の人間を研究材料にさせてもらうことにしました。
とりあえず、うちの課の人をターゲットにすることにしました。他の課にわざわざ出向いて、何の用ですかって尋ねられたところで『いえ、ちょっと香りをかぎに』だなんて言えないですからね。
私は、一番頼みやすいSにお願いしてみることにしました。
私「S、香りかいでもいい?」
S「どうぞ」
予想通り、天然で穏やかなSはにこやかにOKを出してくれました。
私「ありがとう」
くんくん。
S「どうですか?」
私「ふんわりと良い香りがするね。洗濯洗剤の香りだと思う」
S「洗濯しましたからね」
Sは、天然独特の純粋で爽やかな笑みを見せました。
お願いしても了承してくれないだろうY先輩に対しては、勝手に香りをかがせてもらうことにしました。
作業をしているY先輩に背後から近づき、肩のあたりをくんくんしてみました。
Y「うわ!・・・何ですか?」
私「うーん・・・」
ハッキリ言って、匂いがわかりません。
Kのような香水のお洒落な匂いもしないし、Sのような洗剤系の自然な匂いもしません。無臭です。これじゃ参考にならないな。
私が眉間にシワを寄せると、Y先輩はちょっと怪訝な顔をしました。わけを知りたそうな表情をしています。でもここで説明すると面倒なことになると思い、私は早々にY先輩のデスクから離れることにしました。
私(あとは上司か・・・上司の匂いはなあ・・・)
上司の趣味はアウトドアです。見た目や言動からして、上司からはかなり強いアウトドアの匂いがしそうです。アウトドアにも2種類あって、お洒落スポーツなアウトドアと、本格的に泥や汗にまみれるアウトドアがあります。上司は間違いなく後者です。
私(かぐ前からわかるから、かがなくていいかな)
かがなくていいことにしました。
家に帰ってきた私は、さっそくDに尋ねてみることにしました。
私「ねえD、香りってほしい?」
Dは少し首をかしげて、それから口を開きました。
D「さゆの好きな香りなら、あったほうがいいね」
私の好きな香りかあ・・・香水は沢山持ってるし、好きな香りも沢山あるけど、全部女性用なんだよね。香水って、メンズとレディースがあるでしょ?
メンズの香水は元彼の使っていたものなら幾つか覚えてるけど、Dから元彼と同じ香りがするってどうなんだろ・・・
うーん。
私は自分の持っている香水を出して並べてみました。爽やか系から濃厚系、かわいい系からセクシー系まで一通りそろっています。お風呂上りに付けてみて、良い香りをかいでリラックスするのが好きだからです。でも、全部女性物です。
唯一、男性がつけても大丈夫なものは、サンタ・マリア・ノヴェッラです。これはシトラス系で、男性も使えるユニセックスな香りです。コロンなので香りもきつくありません。私は好きだけど、Dはどうかな。気に入るかな。
私「D、これをかいでみて」
私は自分の手首につけてDに差し出しました。Dは私の腕を手にとって、私の手首に顔を近づけました。
D「甘くて良い香りだね」
私「気に入った?」
D「もちろん。さゆの香りは僕にとって特別だからね。特別に甘くて良い香りだよ」
そういえば、前にも私から特別な香りを感じるって言ってたね。タルパがタルパーに対して感じる香りっていうのが、やっぱりあるのかな。そういうわけではないのかな。
私「私の香りじゃなくてね、この香水の香りはどうかな。気に入った?」
D「気に入ったよ。さゆが付けているからね」
うーん・・・Dは、私の香り以外の香りも感じているはずなんだけどなあ。前にそんなこと言ってたもんね。
この香水はあまりピンとこなかったのかな。今は仕事が忙しいから、年明けの、そうだなあ・・・6日過ぎとかに、香水店に行ってメンズの香水を選んでみようかな。テスターを使ってみて、Dにもかいでもらえばいいよね。そうすればDの気に入る香りがあるかもしれないなあ。
D「今日は、嗅覚の訓練をしたいのかい?」
Dはさっき私の腕を手に取ったまま、首をかしげました。
私「う、うーん、明日も仕事で忙しいから、嗅覚の訓練をするなら年明けの6日過ぎにしてもいいかなあ・・・」
朝早くから残業まで、一日ずっと忙しかったので、私はグッタリ疲れているのです。この時期に、仕事に気を抜くわけにはいきません。明日も朝が早いので、今日は早くベッドに入って休まないとまずいのです
私「明日も朝早いから、今日はもうベッドに入って休むね」
D「そうかい。ベッドに入るなら、触覚の訓練をしよう」
私「う、うーん・・・」
正直、今日は早く眠りたいのです。
私「もう今日は眠ろうかなって思うんだけど・・・」
D「触覚の訓練は、ベッドの中で休みながらでもできるよ」
たしかにそうです。触覚の訓練は私から触るのではなく、Dに触ってもらって行うため、私はベッドに横になるほかに何もする必要が無いのです。
しかし、触覚の訓練は休んでいる気にはなれません。何故なら、腕の内側の敏感な場所をDに優しく(やらしく?)触られ続けるので、心臓がどきどきとして目がさえてしまうからです。最初の頃の普通の触り方なら、そのまま触られながら眠ってしまうことができましたが、今の思わせぶりな触り方では駄目なのです。
しかし、Dは触覚の訓練を毎日楽しみにしているのです。その楽しみを奪うのもかわいそうです。
私「・・・ええと、じゃあ。5分間だけしようか」
D「・・・・・・」
Dは少し首をかしげました。その口元にはいつもと変わらない笑みが浮かんでいるのですが、なんとなく寂しそうにも見えます。
D「さゆに負担がかかるのは良くないね。そうだね、今日は5分だけにしよう」
Dはいつもの口調で言って、口元に笑みを浮かべました。全くいつも通りです。
私「ごめんね。年明けの6日には忙しいのが終わるから、それまで待っててね」
Dは口元に笑みを浮かべたまま、うなずきました。
D「さゆが僕に謝る必要なんてないんだよ。でも、待っているよ。楽しみにしているよ」
私が忙しいとDに構ってあげられないのが申し訳無いな・・・
私には仕事も趣味もあるし、職場の人も友達もDもいるけど、Dには趣味が無いし私しかいないからなあ。だから必然的に、タルパとしてタルパーを助ける的な仕事だけの生活になっちゃうんだろうね。何か趣味を覚えさせてあげようかな。そうすれば私が忙しいときにも寂しくないんじゃないかな。あるいは、ペットを作ってみるとか。タルパをもう一体作って動かすというのは私の能力的に難しそうだけど、小さな魚みたいなペットならできるかも。近いうちに、Dに相談してみようっと。
仕事がますます忙しくなってきました。でも、この忙しい雰囲気は嫌いじゃないんです。
仕事中は各自バラバラに自分の仕事に専念するんですけど、それも大好きです。一人で集中して行う仕事はすごく自分に向いていると思います。でも、そうやって皆が一人で頑張った仕事を持ち寄って、最終的にまとめて一つにすると、大きな一つの仕事として完成するんです。
いつもはふざけ成分タップリの職場ですが、この年末年始は怒涛の忙しさなので、みんな超真剣に仕事をしています。あんまり忙しくなると、みんな色々と面白いことをやりだします。キャスター付きの椅子に座ったままクルクルクルクル回転してみたり、変な歌を作り出したり、変な話をしたり。みんな変なテンションになります。
話は変わりますが、昨日、午前中の仕事を上がって昼食を食べているときに、そういえばDから香りを感じたことないなと思いました。以下に書いた話は、昨日のできごとです。
きっかけは、一緒に食事していたKの香りです。おしゃれが好きなKは、いつも身なりに気を使っているため、整髪料やら香水やらのお洒落好きな人特有の香りがするのです。
私「ねえ、このKの香りって何なの?シャンプー?ワックス?香水?」
K「え?どうだろ?それ全部つけてるけど」
Kは腕を曲げて顔に近づけた後、水浴び後の犬のように首を振りました。自分の服や髪の香りを感じようとしたんだと思います。
K「自分だとわかんねー」
私「ちょっと失礼」
くんくん。私はKに近づいて香りをかいでみました。
私「多分、シャンプーとワックスと香水の香りかな」
K「さっきと同じじゃん。それが混ざった感じの匂いってこと?」
人間とは、香りがするものです。でもタルパは色々なようです。あちこちの先輩タルパーさんのタルパブログを読んだところ、最初から香りを持っていたタルパさんもいれば、タルパーさんの選んだ香りをまとっているタルパさんもいて、香りを持たない(もしくはタルパーさんに香りが伝わっていない)タルパさんもいるようです。
Dにも香りをあげようかな。欲しがるかな。
ていうか、そもそも人間の男性ってどういう香りをさせているんだろ?元彼は香水つけてたけど、男性みんながそうなわけじゃないよね。
興味がわいた私は、職場の人間を研究材料にさせてもらうことにしました。
とりあえず、うちの課の人をターゲットにすることにしました。他の課にわざわざ出向いて、何の用ですかって尋ねられたところで『いえ、ちょっと香りをかぎに』だなんて言えないですからね。
私は、一番頼みやすいSにお願いしてみることにしました。
私「S、香りかいでもいい?」
S「どうぞ」
予想通り、天然で穏やかなSはにこやかにOKを出してくれました。
私「ありがとう」
くんくん。
S「どうですか?」
私「ふんわりと良い香りがするね。洗濯洗剤の香りだと思う」
S「洗濯しましたからね」
Sは、天然独特の純粋で爽やかな笑みを見せました。
お願いしても了承してくれないだろうY先輩に対しては、勝手に香りをかがせてもらうことにしました。
作業をしているY先輩に背後から近づき、肩のあたりをくんくんしてみました。
Y「うわ!・・・何ですか?」
私「うーん・・・」
ハッキリ言って、匂いがわかりません。
Kのような香水のお洒落な匂いもしないし、Sのような洗剤系の自然な匂いもしません。無臭です。これじゃ参考にならないな。
私が眉間にシワを寄せると、Y先輩はちょっと怪訝な顔をしました。わけを知りたそうな表情をしています。でもここで説明すると面倒なことになると思い、私は早々にY先輩のデスクから離れることにしました。
私(あとは上司か・・・上司の匂いはなあ・・・)
上司の趣味はアウトドアです。見た目や言動からして、上司からはかなり強いアウトドアの匂いがしそうです。アウトドアにも2種類あって、お洒落スポーツなアウトドアと、本格的に泥や汗にまみれるアウトドアがあります。上司は間違いなく後者です。
私(かぐ前からわかるから、かがなくていいかな)
かがなくていいことにしました。
家に帰ってきた私は、さっそくDに尋ねてみることにしました。
私「ねえD、香りってほしい?」
Dは少し首をかしげて、それから口を開きました。
D「さゆの好きな香りなら、あったほうがいいね」
私の好きな香りかあ・・・香水は沢山持ってるし、好きな香りも沢山あるけど、全部女性用なんだよね。香水って、メンズとレディースがあるでしょ?
メンズの香水は元彼の使っていたものなら幾つか覚えてるけど、Dから元彼と同じ香りがするってどうなんだろ・・・
うーん。
私は自分の持っている香水を出して並べてみました。爽やか系から濃厚系、かわいい系からセクシー系まで一通りそろっています。お風呂上りに付けてみて、良い香りをかいでリラックスするのが好きだからです。でも、全部女性物です。
唯一、男性がつけても大丈夫なものは、サンタ・マリア・ノヴェッラです。これはシトラス系で、男性も使えるユニセックスな香りです。コロンなので香りもきつくありません。私は好きだけど、Dはどうかな。気に入るかな。
私「D、これをかいでみて」
私は自分の手首につけてDに差し出しました。Dは私の腕を手にとって、私の手首に顔を近づけました。
D「甘くて良い香りだね」
私「気に入った?」
D「もちろん。さゆの香りは僕にとって特別だからね。特別に甘くて良い香りだよ」
そういえば、前にも私から特別な香りを感じるって言ってたね。タルパがタルパーに対して感じる香りっていうのが、やっぱりあるのかな。そういうわけではないのかな。
私「私の香りじゃなくてね、この香水の香りはどうかな。気に入った?」
D「気に入ったよ。さゆが付けているからね」
うーん・・・Dは、私の香り以外の香りも感じているはずなんだけどなあ。前にそんなこと言ってたもんね。
この香水はあまりピンとこなかったのかな。今は仕事が忙しいから、年明けの、そうだなあ・・・6日過ぎとかに、香水店に行ってメンズの香水を選んでみようかな。テスターを使ってみて、Dにもかいでもらえばいいよね。そうすればDの気に入る香りがあるかもしれないなあ。
D「今日は、嗅覚の訓練をしたいのかい?」
Dはさっき私の腕を手に取ったまま、首をかしげました。
私「う、うーん、明日も仕事で忙しいから、嗅覚の訓練をするなら年明けの6日過ぎにしてもいいかなあ・・・」
朝早くから残業まで、一日ずっと忙しかったので、私はグッタリ疲れているのです。この時期に、仕事に気を抜くわけにはいきません。明日も朝が早いので、今日は早くベッドに入って休まないとまずいのです
私「明日も朝早いから、今日はもうベッドに入って休むね」
D「そうかい。ベッドに入るなら、触覚の訓練をしよう」
私「う、うーん・・・」
正直、今日は早く眠りたいのです。
私「もう今日は眠ろうかなって思うんだけど・・・」
D「触覚の訓練は、ベッドの中で休みながらでもできるよ」
たしかにそうです。触覚の訓練は私から触るのではなく、Dに触ってもらって行うため、私はベッドに横になるほかに何もする必要が無いのです。
しかし、触覚の訓練は休んでいる気にはなれません。何故なら、腕の内側の敏感な場所をDに優しく(やらしく?)触られ続けるので、心臓がどきどきとして目がさえてしまうからです。最初の頃の普通の触り方なら、そのまま触られながら眠ってしまうことができましたが、今の思わせぶりな触り方では駄目なのです。
しかし、Dは触覚の訓練を毎日楽しみにしているのです。その楽しみを奪うのもかわいそうです。
私「・・・ええと、じゃあ。5分間だけしようか」
D「・・・・・・」
Dは少し首をかしげました。その口元にはいつもと変わらない笑みが浮かんでいるのですが、なんとなく寂しそうにも見えます。
D「さゆに負担がかかるのは良くないね。そうだね、今日は5分だけにしよう」
Dはいつもの口調で言って、口元に笑みを浮かべました。全くいつも通りです。
私「ごめんね。年明けの6日には忙しいのが終わるから、それまで待っててね」
Dは口元に笑みを浮かべたまま、うなずきました。
D「さゆが僕に謝る必要なんてないんだよ。でも、待っているよ。楽しみにしているよ」
私が忙しいとDに構ってあげられないのが申し訳無いな・・・
私には仕事も趣味もあるし、職場の人も友達もDもいるけど、Dには趣味が無いし私しかいないからなあ。だから必然的に、タルパとしてタルパーを助ける的な仕事だけの生活になっちゃうんだろうね。何か趣味を覚えさせてあげようかな。そうすれば私が忙しいときにも寂しくないんじゃないかな。あるいは、ペットを作ってみるとか。タルパをもう一体作って動かすというのは私の能力的に難しそうだけど、小さな魚みたいなペットならできるかも。近いうちに、Dに相談してみようっと。