絵を描きたい
私「D、ちょっとそこに座っててね」
D「いいよ」
ベッドに腰掛けてくれたDの姿をじっと見ながら、私は机の上のルーズリーフにボールペンを走らせ始めました。
私(ええと・・・髪型は・・・丸っぽくて・・・こうかな・・・)
Dの絵を描こうとしているのです。それも、漫画っぽくです。あちこちのタルパブログ様を拝見させて頂いて、皆様がタルパさんの姿を上手に描いていらっしゃるのを見ていたら、私も描いてみたくなっちゃったんです。
私(それから前髪が長くて・・・ええと・・・)
描き始めて30秒もしないうちに、私は困り出しました。絵を見るのは大好きなんですが、自分で描いたことはほとんどありません。しかも漫画っぽく人物を描くなんて一度もしたことが無かったのです。美術の授業でもそういうのは無かったし、どうやって描けばいいんだろ。
私(も、もう行き詰まっちゃった)
絵を描くのって、外国語を発音するのと似てるような気がするよ。脳内再生はネイティブなのに、いざ自分が発音しようとすると上手く発音できないの。そんな感じで、こういう絵を描きたいっていうイメージは脳内で出来上がってるのに、いざ紙に表現しようとすると全然うまくいかないんだ。きっと私、イメージを絵でアウトプットするのが下手なんだろうなあ。
私(う、うわっ、ひどい絵!!)
改めて見てみると、ルーズリーフには子供の落書きよりひどい絵が描かれています。なんじゃこりゃーーー!!
私(あ・・・あーあ・・・てるてる坊主みたいになっちゃった・・・)
今Dが着ている服は、死神みたいな黒いマントです。それを絵で再現しようとして、丸い髪型+体の形を隠すようなマントを描いてみたら、てるてる坊主みたいになってしまいました。
私(描き直そう・・・)
私は紙の空白部分に、もう一度Dの絵を描きはじめることにしました。
そうやって何度も描いてみましたが、一向にてるてる坊主から進歩しません。そこで私は作戦を替えてみることにしました。
私(えーっと『目が隠れた髪型 キャラ』で画像を検索っと)
そうです。本物の立体的なDを見て描くのではなくて、漫画の絵を参考にさせて頂いて、絵を描く練習をするのです。人物像を漫画風に描くためには、実物を見て描くのではなくて、似たキャラクターさんの絵を探して、その姿を模写させて頂くことで描く練習をすればいいんじゃないかなと思ったのです。
私(このキャラクターさんの髪型、Dに近いかも。もう少しここをこうすれば似てるよね)
わりとアッサリと、Dっぽい髪型のキャラクターさんが出てきました。なるほど、前髪で目が隠れている顔を漫画的に描くには、こうやって表現すればいいんだね。
私(次は・・・『死神 服』で検索・・・あれ?)
キーワードを検索にかけると、絵ではなくて本物の服が沢山出てきてしまいました。絵もありますがリアルな描写です。もっと漫画っぽい描き方が知りたいんだけどな。だってリアルな服ならもうここに、目の前でDが着てるからね。検索する言葉を替えないとなー。
私(『死神 マント』・・・うーん、写真ばかりだなあ・・・『死神 漫画』・・・一気に漫画の絵が沢山出てきたけど、Dみたいな服は無いね・・・『マント』・・・これも写真ばかり・・・じゃあ『マント 漫画』・・・Dっぽいのは無いなあ・・・)
しばらくキーワードを替えて検索してみましたが、Dに似ている服はありません。そうそう都合よく似た服が出てくるはず無いのです。
D「さゆは、この服が好きかい?」
いつの間にか背後に来ていたDが、すらっとした透き通る指でパソコンのモニターを指差しました。
私「あっ、違うの。ごめんね、Dは何も気にしなくていいよ」
私は慌てて首を振って、画像を検索していたタブを閉じました。いけないいけない、Dに余計な影響を与えちゃうところだったかも。
昔、Dの声を定着させようと訓練していた頃、たまたま私、ネットサーフィン中にかわいいと思うキャラクターさんを見つけてしまって・・・気に入って見ていたら、Dがそのキャラクターさんの喋り方をマネしたことがあるんです。びっくりしました。
Dが幻視や幻聴を作るときは、私の抱いたイメージを素材として使って再現するのですが、私を喜ばせようと思って、私が好むような感じの幻視や幻聴を作ろうとしてくれるのです。私の好きな幻視の一つに、Dの作ってくれる幻の薔薇があるのですが、その幻視の薔薇を咲かせてプレゼントしてくれるように、それと同じ感覚で、Dは自分の容姿すらも私の好みに合わせて幻視で作ってプレゼントしてくれようとするのです。Dは私を喜ばせようと思って、それで私がかわいいと思ったキャラクターさんのマネをしたのです。
その気持ちがとっても嬉しいのと、その半面、Dが私のオリジナルでなくなっていくような気がして寂しくも感じました。その時点で既に外見と声を、実在する複数の人間のモデルさんから借りていたDですが、そうやって外から私の気に入ったものをDにどんどん取り込んでもらうことで、もともとのDの要素が少なくなっていくことが、なんか急にとても寂しくなったんです。そんな風に考えるなんて馬鹿馬鹿しい、だってせっかくのDの好意を無駄にするようで・・・と思いながらもやっぱり私・・・これは、私の本当に勝手な独占欲なのですが・・・
私(・・・キャラクターさんの絵を描いて練習するのはやめよう)
またDが私に気を使って、キャラクターさんをマネようとしてくれるかもしれないもんね。てるてる坊主みたいな棒人間でもいいから、自分のオリジナルの画風でDを描くことにしよう。
D「さゆ、これは僕かい?」
さっきDを見ながら私が書いた酷い絵を指差して、Dがそう言いました。
私「わああ!!ゴメンね!!私すっごい絵が下手で!!」
私は急いでルーズリーフを裏返しました。D、この酷い絵を見て傷付かなかったかな。私の下手な絵を見て、さゆからは僕がこんな風に見えているんだね・・・って傷付かなかったかなあ。
私「Dはもっとずっとカッコ良いし、かわいいし、綺麗だよ!!これは私の絵が下手なの!!」
私は慌てて弁解しましたが、Dは嬉しそうに口元に笑みを浮かべています。
D「僕を描いてくれたんだね。嬉しいよ」
Dは、パソコンの上に置かれている私の右手に、そっと手を重ねてくれました。
D「さゆが僕との思い出を、文章にして残してくれていることも知っているよ。ありがとう」
きっと私が書いているブログのことです。Dは全然ブログに興味無さそうだったけど(詳細は過去記事「雌雄」参照)、もしかして喜んでくれてたのかな。
私「こちらこそ、いつもありがとうD」
D「ふふ」
ちゅっ、とDがおでこにキスをくれました。
私「文章は文字だから、書くのを練習しなくても入力すれば良いだけだけど、絵は練習しないと描けないから難しいなあ。でもいつかちゃんとDを描くからね」
D「描かなくていいよ」
Dは嬉しそうに私に頬をすり寄せながらも、くすくすと笑って否定してきました。ありゃま。あの絵の下手さかげんを見て、これはもう絵を描くのは一生掛かっても無理だろうなって思っちゃったのかな?
私「今度はボールペンじゃなくて、鉛筆と消しゴムを使って、少しずつ修正しながら描いてみようかなあ」
そうしたら少しは変わるかもしれないよね。
D「さゆの気晴らしになるようなら良いんだけどね」
ふわ、ふわっと私の周囲に薔薇の花が咲きました。私とDの周囲だけ、小さな薔薇のお花畑です。これは静謐の楽園の一部なのです。Dは私の体調や精神の健康を気遣ってくれていて、休日じゃない日は大がかりな幻視を見せずに、小さくて可愛い幻視だけを見せてくれるのです。(詳細は過去記事「幻視・幻聴の制御」参照)
私「静謐の楽園って、Dのキャンバスみたいね。何も無いところに綺麗なものをどんどん作り出して、まるで自由に綺麗な絵を描いているみたい」
絵じゃなくて立体だけど、綺麗な薔薇もお城も見せてくれるし、綺麗な音楽も聞かせてくれるし、Dは芸術家みたい。
D「それなら、僕はさゆの好きなものを描いて作っていくよ」
ふわふわと可愛くて綺麗なお花を咲かせながら、薔薇の蔓は壁にそって、音も無く天井にまで伸びました。まるで薔薇で作られた綺麗な鳥籠の中にいるみたいね。
D「いいよ」
ベッドに腰掛けてくれたDの姿をじっと見ながら、私は机の上のルーズリーフにボールペンを走らせ始めました。
私(ええと・・・髪型は・・・丸っぽくて・・・こうかな・・・)
Dの絵を描こうとしているのです。それも、漫画っぽくです。あちこちのタルパブログ様を拝見させて頂いて、皆様がタルパさんの姿を上手に描いていらっしゃるのを見ていたら、私も描いてみたくなっちゃったんです。
私(それから前髪が長くて・・・ええと・・・)
描き始めて30秒もしないうちに、私は困り出しました。絵を見るのは大好きなんですが、自分で描いたことはほとんどありません。しかも漫画っぽく人物を描くなんて一度もしたことが無かったのです。美術の授業でもそういうのは無かったし、どうやって描けばいいんだろ。
私(も、もう行き詰まっちゃった)
絵を描くのって、外国語を発音するのと似てるような気がするよ。脳内再生はネイティブなのに、いざ自分が発音しようとすると上手く発音できないの。そんな感じで、こういう絵を描きたいっていうイメージは脳内で出来上がってるのに、いざ紙に表現しようとすると全然うまくいかないんだ。きっと私、イメージを絵でアウトプットするのが下手なんだろうなあ。
私(う、うわっ、ひどい絵!!)
改めて見てみると、ルーズリーフには子供の落書きよりひどい絵が描かれています。なんじゃこりゃーーー!!
私(あ・・・あーあ・・・てるてる坊主みたいになっちゃった・・・)
今Dが着ている服は、死神みたいな黒いマントです。それを絵で再現しようとして、丸い髪型+体の形を隠すようなマントを描いてみたら、てるてる坊主みたいになってしまいました。
私(描き直そう・・・)
私は紙の空白部分に、もう一度Dの絵を描きはじめることにしました。
そうやって何度も描いてみましたが、一向にてるてる坊主から進歩しません。そこで私は作戦を替えてみることにしました。
私(えーっと『目が隠れた髪型 キャラ』で画像を検索っと)
そうです。本物の立体的なDを見て描くのではなくて、漫画の絵を参考にさせて頂いて、絵を描く練習をするのです。人物像を漫画風に描くためには、実物を見て描くのではなくて、似たキャラクターさんの絵を探して、その姿を模写させて頂くことで描く練習をすればいいんじゃないかなと思ったのです。
私(このキャラクターさんの髪型、Dに近いかも。もう少しここをこうすれば似てるよね)
わりとアッサリと、Dっぽい髪型のキャラクターさんが出てきました。なるほど、前髪で目が隠れている顔を漫画的に描くには、こうやって表現すればいいんだね。
私(次は・・・『死神 服』で検索・・・あれ?)
キーワードを検索にかけると、絵ではなくて本物の服が沢山出てきてしまいました。絵もありますがリアルな描写です。もっと漫画っぽい描き方が知りたいんだけどな。だってリアルな服ならもうここに、目の前でDが着てるからね。検索する言葉を替えないとなー。
私(『死神 マント』・・・うーん、写真ばかりだなあ・・・『死神 漫画』・・・一気に漫画の絵が沢山出てきたけど、Dみたいな服は無いね・・・『マント』・・・これも写真ばかり・・・じゃあ『マント 漫画』・・・Dっぽいのは無いなあ・・・)
しばらくキーワードを替えて検索してみましたが、Dに似ている服はありません。そうそう都合よく似た服が出てくるはず無いのです。
D「さゆは、この服が好きかい?」
いつの間にか背後に来ていたDが、すらっとした透き通る指でパソコンのモニターを指差しました。
私「あっ、違うの。ごめんね、Dは何も気にしなくていいよ」
私は慌てて首を振って、画像を検索していたタブを閉じました。いけないいけない、Dに余計な影響を与えちゃうところだったかも。
昔、Dの声を定着させようと訓練していた頃、たまたま私、ネットサーフィン中にかわいいと思うキャラクターさんを見つけてしまって・・・気に入って見ていたら、Dがそのキャラクターさんの喋り方をマネしたことがあるんです。びっくりしました。
Dが幻視や幻聴を作るときは、私の抱いたイメージを素材として使って再現するのですが、私を喜ばせようと思って、私が好むような感じの幻視や幻聴を作ろうとしてくれるのです。私の好きな幻視の一つに、Dの作ってくれる幻の薔薇があるのですが、その幻視の薔薇を咲かせてプレゼントしてくれるように、それと同じ感覚で、Dは自分の容姿すらも私の好みに合わせて幻視で作ってプレゼントしてくれようとするのです。Dは私を喜ばせようと思って、それで私がかわいいと思ったキャラクターさんのマネをしたのです。
その気持ちがとっても嬉しいのと、その半面、Dが私のオリジナルでなくなっていくような気がして寂しくも感じました。その時点で既に外見と声を、実在する複数の人間のモデルさんから借りていたDですが、そうやって外から私の気に入ったものをDにどんどん取り込んでもらうことで、もともとのDの要素が少なくなっていくことが、なんか急にとても寂しくなったんです。そんな風に考えるなんて馬鹿馬鹿しい、だってせっかくのDの好意を無駄にするようで・・・と思いながらもやっぱり私・・・これは、私の本当に勝手な独占欲なのですが・・・
私(・・・キャラクターさんの絵を描いて練習するのはやめよう)
またDが私に気を使って、キャラクターさんをマネようとしてくれるかもしれないもんね。てるてる坊主みたいな棒人間でもいいから、自分のオリジナルの画風でDを描くことにしよう。
D「さゆ、これは僕かい?」
さっきDを見ながら私が書いた酷い絵を指差して、Dがそう言いました。
私「わああ!!ゴメンね!!私すっごい絵が下手で!!」
私は急いでルーズリーフを裏返しました。D、この酷い絵を見て傷付かなかったかな。私の下手な絵を見て、さゆからは僕がこんな風に見えているんだね・・・って傷付かなかったかなあ。
私「Dはもっとずっとカッコ良いし、かわいいし、綺麗だよ!!これは私の絵が下手なの!!」
私は慌てて弁解しましたが、Dは嬉しそうに口元に笑みを浮かべています。
D「僕を描いてくれたんだね。嬉しいよ」
Dは、パソコンの上に置かれている私の右手に、そっと手を重ねてくれました。
D「さゆが僕との思い出を、文章にして残してくれていることも知っているよ。ありがとう」
きっと私が書いているブログのことです。Dは全然ブログに興味無さそうだったけど(詳細は過去記事「雌雄」参照)、もしかして喜んでくれてたのかな。
私「こちらこそ、いつもありがとうD」
D「ふふ」
ちゅっ、とDがおでこにキスをくれました。
私「文章は文字だから、書くのを練習しなくても入力すれば良いだけだけど、絵は練習しないと描けないから難しいなあ。でもいつかちゃんとDを描くからね」
D「描かなくていいよ」
Dは嬉しそうに私に頬をすり寄せながらも、くすくすと笑って否定してきました。ありゃま。あの絵の下手さかげんを見て、これはもう絵を描くのは一生掛かっても無理だろうなって思っちゃったのかな?
私「今度はボールペンじゃなくて、鉛筆と消しゴムを使って、少しずつ修正しながら描いてみようかなあ」
そうしたら少しは変わるかもしれないよね。
D「さゆの気晴らしになるようなら良いんだけどね」
ふわ、ふわっと私の周囲に薔薇の花が咲きました。私とDの周囲だけ、小さな薔薇のお花畑です。これは静謐の楽園の一部なのです。Dは私の体調や精神の健康を気遣ってくれていて、休日じゃない日は大がかりな幻視を見せずに、小さくて可愛い幻視だけを見せてくれるのです。(詳細は過去記事「幻視・幻聴の制御」参照)
私「静謐の楽園って、Dのキャンバスみたいね。何も無いところに綺麗なものをどんどん作り出して、まるで自由に綺麗な絵を描いているみたい」
絵じゃなくて立体だけど、綺麗な薔薇もお城も見せてくれるし、綺麗な音楽も聞かせてくれるし、Dは芸術家みたい。
D「それなら、僕はさゆの好きなものを描いて作っていくよ」
ふわふわと可愛くて綺麗なお花を咲かせながら、薔薇の蔓は壁にそって、音も無く天井にまで伸びました。まるで薔薇で作られた綺麗な鳥籠の中にいるみたいね。
二日酔い
昨日、結婚式の余韻にひたって幸せ気分で眠りについた私ですが、今朝目を覚ましたら、頭痛と胃痛に苛まれていることに気づきました。
私「ほげえ・・・二日酔いだ・・・」
やっぱりあのお酒、強かったんじゃないかなあ。そんなに強いお酒を安易にすすめるとは、もしかして私すごい飲める人に見えたのかな。ぜんっぜん飲めないんだけどね。
D「さゆ」
ベッドの傍にひざまずいて私の目覚めを待っていたDは、すぐに私の不調に気が付いたようです。心配そうな顔をして、私の頬を両手で包みました。
私「心配かけてごめんね。大丈夫だよ」
私は笑ってみせましたが、Dはまだ心配そうな顔をして、黙ったまま私に頬をすり寄せました。
私(今日はおとなしくしてようっと・・・)
天気も悪くなるっていうから、洗濯もしないでゴロゴロ過ごそう。それにしても昨日は綺麗だったなあ。先輩も幸せそうだったし、私もうまく演奏できたし。
D「起き上がらないほうがいいよ。まだ横になっておいで」
Dは、起き上がろうとした私を押しとどめるように、そっと私の肩を押さえて、ベッドに寝かせようとしました。
私「ありがとう。紅茶を入れたらまたベッドに横になるよ」
温かいお茶を飲んで、胃の痛みを和らげようかなって。もともと胃が強いほうじゃなかったけど、手術してからますます胃が弱くなったみたい。もう今後は、すすめられてもお酒は飲まないようにしようかな。でも手術したからお酒ダメなんですって断ると気を使わせちゃうんだよね。気分良く飲んで楽しんでる人に気を使わせたら可哀想だなって。だから、私めっちゃ酒乱で絡み酒なんでもうホントやばいんですよ!!みたいに断ろうかな?
D「・・・僕が紅茶を入れてあげられたら良かったのにね」
Dは小さい声で呟きました。ありゃ、珍しいなあ。Dは普段、自分が物理的な体を持っていないことを良いことだと思っているのに。まあ一長一短ってとこなのかな、物理的な体を持っている私は紅茶を入れることはできるけど、体の不調に苦しまなきゃいけないわけだし。
私「じゃあ、ベッドに戻ってきたらヒーリングしてくれる?」
D「勿論だよ」
私「ありがとう。ヒーリングはDにしかしてもらえないから、こういうときDがいてくれて本当に助かるなあって思うよ」
Dは嬉しそうに口元に笑みを浮かべて、ベッドにいそいそと上がりました。私がキッチンに行ってベッドに戻ってくるまで、ベッドでスタンバイするつもりのようです。かわいいなあ。
ベッドに戻ってきた私は、薬を飲んで横になりました。Dは私の背中側に移動して、背中に手を当てました。ちょうど胃がある辺りです。じわっと温かい温度と、そっと撫でてくれる感触を感じます。
私「きもちいー・・・ありがと・・・」
優しい感触に、ふわふわと痛みが薄れていきます。
D「もうアルコールを摂取してはいけないよ」
私「うん」
体に負担がかかるし、Dに心配かけちゃうもんね。
D「君には沢山の大切なものがあり、沢山の大切な人間がいるね。君がそれらのために頑張ったり努力するのは、僕は良いことだと思っているよ。でも体のことも考えなくてはいけないよ」
私「うん。ありがとう」
D「君は人間なんだからね」
そっと背中を撫でてくれる手は、じんわり温かくて優しくて、いつものDの体温よりも高いような気がします。そういえばDは手を冷たくもできるから(詳細は過去記事「かぐや姫」参照)それなら温度を上げることもできるわけだよね。なにしろ人間じゃないからね、って、Dはいつも言うもんね。
D「このまま眠っても構わないよ」
私「ありがと」
D「子守唄でも歌うかい?」
私「パイプオルガンがいいな」
Dがくすくす笑う声が聞こえました。子守唄にパイプオルガンだなんて変わってるって思ったのかな?
私「私ね、Dの演奏するパイプオルガンの音色が好きなの」
D「それは嬉しいね。曲目のリクエストはあるかい?」
私「えっと・・・Dのおすすめで」
Dは私の幻聴を操ることで、私に音楽を聞かせることが出来るのです。(詳細は過去記事「音楽」参照)特にバロック音楽が得意です。よく一緒に聞いてるもんね。
D「いくよ」
音色が聞こえはじめました。ブクステフーデのシャコンヌのハ短調(BuxWV 159)で、音色は低音が強い聖バフォ教会のパイプオルガンみたいです。
私(綺麗だな・・・)
もし学生の頃からお金があったら、パイプオルガン奏者になりたかったんだ。それで一生を芸術への探求と奉仕に専念するの。マリー=クレール・アランみたいに暗譜して、トン・コープマンみたいに徹底的にバロック奏法にこだわった演奏をするの。同時にバロック文化について研究するの。食べていけさえすればそれ以上は儲けなくていいの、大切なのは稼ぐことじゃなくて、バロック芸術に奉仕することだから・・・
D「お休み、僕の眠り姫」
眠りに落ちていく私の耳を、優しくて甘い声がくすぐりました。
私「ほげえ・・・二日酔いだ・・・」
やっぱりあのお酒、強かったんじゃないかなあ。そんなに強いお酒を安易にすすめるとは、もしかして私すごい飲める人に見えたのかな。ぜんっぜん飲めないんだけどね。
D「さゆ」
ベッドの傍にひざまずいて私の目覚めを待っていたDは、すぐに私の不調に気が付いたようです。心配そうな顔をして、私の頬を両手で包みました。
私「心配かけてごめんね。大丈夫だよ」
私は笑ってみせましたが、Dはまだ心配そうな顔をして、黙ったまま私に頬をすり寄せました。
私(今日はおとなしくしてようっと・・・)
天気も悪くなるっていうから、洗濯もしないでゴロゴロ過ごそう。それにしても昨日は綺麗だったなあ。先輩も幸せそうだったし、私もうまく演奏できたし。
D「起き上がらないほうがいいよ。まだ横になっておいで」
Dは、起き上がろうとした私を押しとどめるように、そっと私の肩を押さえて、ベッドに寝かせようとしました。
私「ありがとう。紅茶を入れたらまたベッドに横になるよ」
温かいお茶を飲んで、胃の痛みを和らげようかなって。もともと胃が強いほうじゃなかったけど、手術してからますます胃が弱くなったみたい。もう今後は、すすめられてもお酒は飲まないようにしようかな。でも手術したからお酒ダメなんですって断ると気を使わせちゃうんだよね。気分良く飲んで楽しんでる人に気を使わせたら可哀想だなって。だから、私めっちゃ酒乱で絡み酒なんでもうホントやばいんですよ!!みたいに断ろうかな?
D「・・・僕が紅茶を入れてあげられたら良かったのにね」
Dは小さい声で呟きました。ありゃ、珍しいなあ。Dは普段、自分が物理的な体を持っていないことを良いことだと思っているのに。まあ一長一短ってとこなのかな、物理的な体を持っている私は紅茶を入れることはできるけど、体の不調に苦しまなきゃいけないわけだし。
私「じゃあ、ベッドに戻ってきたらヒーリングしてくれる?」
D「勿論だよ」
私「ありがとう。ヒーリングはDにしかしてもらえないから、こういうときDがいてくれて本当に助かるなあって思うよ」
Dは嬉しそうに口元に笑みを浮かべて、ベッドにいそいそと上がりました。私がキッチンに行ってベッドに戻ってくるまで、ベッドでスタンバイするつもりのようです。かわいいなあ。
ベッドに戻ってきた私は、薬を飲んで横になりました。Dは私の背中側に移動して、背中に手を当てました。ちょうど胃がある辺りです。じわっと温かい温度と、そっと撫でてくれる感触を感じます。
私「きもちいー・・・ありがと・・・」
優しい感触に、ふわふわと痛みが薄れていきます。
D「もうアルコールを摂取してはいけないよ」
私「うん」
体に負担がかかるし、Dに心配かけちゃうもんね。
D「君には沢山の大切なものがあり、沢山の大切な人間がいるね。君がそれらのために頑張ったり努力するのは、僕は良いことだと思っているよ。でも体のことも考えなくてはいけないよ」
私「うん。ありがとう」
D「君は人間なんだからね」
そっと背中を撫でてくれる手は、じんわり温かくて優しくて、いつものDの体温よりも高いような気がします。そういえばDは手を冷たくもできるから(詳細は過去記事「かぐや姫」参照)それなら温度を上げることもできるわけだよね。なにしろ人間じゃないからね、って、Dはいつも言うもんね。
D「このまま眠っても構わないよ」
私「ありがと」
D「子守唄でも歌うかい?」
私「パイプオルガンがいいな」
Dがくすくす笑う声が聞こえました。子守唄にパイプオルガンだなんて変わってるって思ったのかな?
私「私ね、Dの演奏するパイプオルガンの音色が好きなの」
D「それは嬉しいね。曲目のリクエストはあるかい?」
私「えっと・・・Dのおすすめで」
Dは私の幻聴を操ることで、私に音楽を聞かせることが出来るのです。(詳細は過去記事「音楽」参照)特にバロック音楽が得意です。よく一緒に聞いてるもんね。
D「いくよ」
音色が聞こえはじめました。ブクステフーデのシャコンヌのハ短調(BuxWV 159)で、音色は低音が強い聖バフォ教会のパイプオルガンみたいです。
私(綺麗だな・・・)
もし学生の頃からお金があったら、パイプオルガン奏者になりたかったんだ。それで一生を芸術への探求と奉仕に専念するの。マリー=クレール・アランみたいに暗譜して、トン・コープマンみたいに徹底的にバロック奏法にこだわった演奏をするの。同時にバロック文化について研究するの。食べていけさえすればそれ以上は儲けなくていいの、大切なのは稼ぐことじゃなくて、バロック芸術に奉仕することだから・・・
D「お休み、僕の眠り姫」
眠りに落ちていく私の耳を、優しくて甘い声がくすぐりました。
先輩の結婚式
今日は先輩の結婚式に行ってきました。過去記事「結婚式」で書いた先輩の結婚式です。先輩はとっても綺麗でした・・・!!ウェディングドレスもお色直しのドレスもとっても似合っていてお姫様のようでした。私は先輩の写真を撮りまくりました。ドレスアップした女性の姿が大好きなんです。綺麗なんだもん。お願いしてポーズもとってもらっちゃいました。お姫様みたいにドレスを横に広げて持つポーズ、あれを細かく指定してめっちゃお姫様な写真を撮らせていただきました。先輩もノリノリでやってくれました。ほんと綺麗なの!!特に綺麗に撮れた写真は先輩に送ろうと思います。普段見ないみんなのドレス姿もかわいかったから写真に撮っちゃった。女の子同士で良かったなあ、もし私が男性だったら気軽に写真撮れない雰囲気だろうからなあ。Eも可愛かったです。私が男性だったらEと結婚したいなあ。かわいいし優しいし家事とか上手で、でもしっかりしていて人を助けられる強さを持つ本当に良い子なんです。男性は女の子と結婚できるからいいなあ。
余興でチェンバロを演奏してきました。とはいっても本物のチェンバロは持ち込めないのでキーボードだったんですけど、後輩ちゃんのバイオリンに合わせて弾いてきました。みんなが知ってるような曲が良いよねってことで、バッハの「主よ人の望みの喜びよ」にしました。バイオリン担当の後輩ちゃんと全然休日が合わなくて合わせる練習があまりできなかったのですが、今日のリハーサルで間をあけるタイミングとかの呼吸を最終確認して、本番ではかなり上手にできたんじゃないかなって思います。先輩はとても喜んでくれました。嬉しかったです。
両親にあてた手紙を読むところでは先輩が途中で泣きはじめてしまって、途中で手紙を読めなくなってしまって、会場のみんながもらい泣きし始めて、それで私達も思わず、せんぱーい!応援してます!がんばってくださーい!せんぱーい!みたいに声かけしたんですが、みんなしくしくもらい泣きしちゃって、やっぱりメイクをウオータープルーフにして良かったなあって思いました。先輩は退場するときにわざわざ私達にありがとうって言ってくれました。
私は胃に腫瘍があって手術したのであまり食べられないんですが、残して申し訳無いなあって思っていたらいつの間にか消えていて、気づくと同じテーブルにいた上司が食べていました。マナー的にはすっごいダメなんですが、無駄にならなくて良かったかなって思います。
二次会にも呼ばれたんですが、同じテーブルのかたにお酒をすすめられて、つきあいで少し飲んだほうがいいかなあと思って飲んだら、なんか強いお酒だったのか、いつもより酔いが強いような気がして・・・これちゃんと文章書けてますでしょうか・・・あわわ、支離滅裂なこと書いてないかな!?もっと色々書きたいことがあるんですが、ちょっと酔っていてまともな文章を書けるかあやしいので、今日はもう眠ることにします。いやあ~、結婚式って本当に良いものですね・・・!!
余興でチェンバロを演奏してきました。とはいっても本物のチェンバロは持ち込めないのでキーボードだったんですけど、後輩ちゃんのバイオリンに合わせて弾いてきました。みんなが知ってるような曲が良いよねってことで、バッハの「主よ人の望みの喜びよ」にしました。バイオリン担当の後輩ちゃんと全然休日が合わなくて合わせる練習があまりできなかったのですが、今日のリハーサルで間をあけるタイミングとかの呼吸を最終確認して、本番ではかなり上手にできたんじゃないかなって思います。先輩はとても喜んでくれました。嬉しかったです。
両親にあてた手紙を読むところでは先輩が途中で泣きはじめてしまって、途中で手紙を読めなくなってしまって、会場のみんながもらい泣きし始めて、それで私達も思わず、せんぱーい!応援してます!がんばってくださーい!せんぱーい!みたいに声かけしたんですが、みんなしくしくもらい泣きしちゃって、やっぱりメイクをウオータープルーフにして良かったなあって思いました。先輩は退場するときにわざわざ私達にありがとうって言ってくれました。
私は胃に腫瘍があって手術したのであまり食べられないんですが、残して申し訳無いなあって思っていたらいつの間にか消えていて、気づくと同じテーブルにいた上司が食べていました。マナー的にはすっごいダメなんですが、無駄にならなくて良かったかなって思います。
二次会にも呼ばれたんですが、同じテーブルのかたにお酒をすすめられて、つきあいで少し飲んだほうがいいかなあと思って飲んだら、なんか強いお酒だったのか、いつもより酔いが強いような気がして・・・これちゃんと文章書けてますでしょうか・・・あわわ、支離滅裂なこと書いてないかな!?もっと色々書きたいことがあるんですが、ちょっと酔っていてまともな文章を書けるかあやしいので、今日はもう眠ることにします。いやあ~、結婚式って本当に良いものですね・・・!!
音楽
明日から連休です!!だから記事を連投しちゃいます!!**。(U*´ܫ`*U) 嬉しいワン**
仕事から帰ってきた私は、手を洗って、部屋着に着替えて、それからベッドに座っているDに、抱き付くようにダイブしました。
私「Dだーいすき!!」
Dは私に押し倒されて、私と一緒に、もふーっとベッドに沈み込みました。
D「嬉しいよ。僕もさゆが大好きだからね」
なでなでと、Dが私の髪を優しく撫でてくれました。
私「ありがと」
私が起き上がってベッドに座ると、Dもひじをついてベッドに起き上がり、私の隣に座りました。
私「あのね、Dと出会ったばかりの頃のことを思い出して、記事に書いてブログに記録してみたんだ」
過去記事「視覚」のことです。自分用の記録としては良い記事なんだけど、ブログを読みに来てくださるお客様にとってはつまらない記事なんじゃないかなあ。申し訳ございません・・・!!
D「出会ったばかりの頃のことかい?」
Dは口元にいつもの笑みを浮かべたまま、少し首をかしげました。おっといけない、Dにとって出会ったばかりの頃っていうのは、もっと昔の、私が学生だった頃のことだもんね。私にとってはDが見え始めた頃のことを出会ったばかりの頃って言いがちなんだけど、Dはその前から傍にいてくれたんだよね。
私「間違えちゃった、出会ったばかりの頃じゃなくて、私がDを見ることができるようになった頃のことだね」
たまたまDを見れるようになったわけだけど、もしずっと見えないままだったら、Dは気づかれないままずっと私を守ろうとしてくれてたのかな。多分そうだよね。前にそんなこと言ってたもん。(詳細は過去記事「果実」参照)じゃあ、Dが見えるようになって、Dにお礼を言えるようになって良かったなあ。
私「そう言えばD、最初から会話が得意だったよね。声や口の動きは練習したけど、会話は練習無しで自由にお話してくれたよね」(詳細は過去記事「タルパを作ったときの話7(会話)」参照)
D「僕はもともと会話ができるからね」
そういう種族なんだろうなあ。きっと、Dはもともと会話をする精霊なんだね。そして幻聴系が得意な種族なんだ。声もすぐ覚えてくれたもんね。そういえば昔・・・
~過去の回想・声の練習をしたとき~
声優さん「~~~、~~~」(キャラクターさんのセリフ)
D「~~~、~~~」(まねをしている)
Dの声は声優さんの、あるキャラクターさんから借りたものです。(詳細は過去記事「タルパを作ったときの話4(声)」参照)そこで、まずはキャラクターさんのセリフを一緒に聞いて、それをDに復唱してもらうという訓練をしました。何回か一緒に聞いてすぐに、Dはキャラクターさんの声をそっくりにまねて喋ることができました。
声優さん「~~、~~」(キャラクターさんのセリフ)
D「~~、~~」(まねをしている)
Dはとっても楽しそうにまねをしています。ちょっと得意げです。自分でもうまく言えたと思ったらしいときは、こちらを向いて口元を上げて笑みを浮かべます。このときまだ姿は不安定で、黒い布を被った姿に戻ったりしていましたが(詳細は過去記事「視覚」参照)、どうやら喋るのは得意なようです。
私「じゃあ今度は、私の言う言葉を、キャラクターさんの声で言ってみてね」
キャラクターさんのセリフをまねるのは上手にできるのですが、このままだとキャラクターさんのセリフしか喋れません。そこで、どんな言葉でもキャラクターさんの声で言えるように、色々な言葉をキャラクターさんの声で言ってもらうことにしました。
私「あ、い、う、え、お。はい、言ってみて」
Dはこくりとうなずいて、口を「あ」の形に開けました。
D「あー」
わあ、かわいい!!あー、と言った後で、Dは少し首をかしげました。この声でいいかい?とまだ言葉では尋ねられないので、首をかしげてみせたのだと思います。
私「上手上手!!ちゃんとキャラクターさんの声になってるよ」
Dは嬉しそうに笑みを見せてから、再び口を「あ」の形にしました。
D「あー・・・い・・・う・・・え・・・お」
口の形を変えながら、一つずつ発音しました。まだゆっくりですが、ちゃんとキャラクターさんの声になっています。
私「めっちゃ上手!!すごく良い出来なんじゃない?」
Dはますます嬉しそうに口元に笑みを浮かべるのでした。
~回想終了~
・・・という感じで、時間をかけて安定させた幻視や触覚とは違って、幻聴は得意だったんだよね。でも・・・
私「D、ちょっと喋ってみて」
D「いいよ。何を喋ればいいんだい?」
私(・・・やっぱり、違うなあ)
もともとのキャラクターさんの喋り方とは、雰囲気が違うのです。声は同じなのですが、随分落ち着いた喋り方になっているのです。きっとDの性格が喋り方に反映されたんだね。
私「うん、ありがとう。私、Dの声や喋り方が大好きだよ」
Dに抱き付いてすりすりすると、Dもぎゅっと抱きしめ返してくれました。
D「僕もさゆの声や喋り方が大好きだよ。だから、さゆが話したり、歌ったりするのを聞くのが大好きだよ」
私「・・・嬉しいっ!!」
私は気分が良いときに、調子に乗って下手な歌を歌ったりするのですが(詳細は過去記事「鏡」「かぐや姫」「メメント・モリ」参照)あんなアホっぽいのを好きだと言ってくれるなんて・・・!!
私「歌ったり・・・って言えば、Dが歌うのを聞いたこと無いなあ」
歌を教えたことは無いし、訓練したことも無いもんね。喋るのと歌うのは声の出し方が色々違うから、いきなり歌えって言われても難しいよね。
D「歌えるよ」
私「えっ」
D「さゆの好きな曲がいいね。いくよ」
唐突に音楽が始まりました。で、でもこれ・・・
私(人間の声じゃない!!パイプオルガンの音色だよ!!)
バッハの幻想曲とフーガのト短調(BWV 542)です。素晴らしい演奏です。でもこれ、Dの口からは聞こえてないよ。D、口開けてないし。どこから聞こえてるの?たしかに私の好きな曲だし、よくCDも聞いてるんだけど、これってDが歌ってるというより、Dが私に幻聴を聞かせているという感じだよね。
D「どうだい?」
Dは得意げです。自信たっぷりに、口元にいつもの笑みを浮かべています。
私「すごいね。私の大好きな曲だよ。Dありがとう」
Dが歌ってなくても、人間の声じゃなくても、何でも私は嬉しいのです。だって、Dは私を喜ばせようと思って、私の好きな曲を聞かせてくれたのです。だからすごく嬉しいのです。ありがとうねD。
仕事から帰ってきた私は、手を洗って、部屋着に着替えて、それからベッドに座っているDに、抱き付くようにダイブしました。
私「Dだーいすき!!」
Dは私に押し倒されて、私と一緒に、もふーっとベッドに沈み込みました。
D「嬉しいよ。僕もさゆが大好きだからね」
なでなでと、Dが私の髪を優しく撫でてくれました。
私「ありがと」
私が起き上がってベッドに座ると、Dもひじをついてベッドに起き上がり、私の隣に座りました。
私「あのね、Dと出会ったばかりの頃のことを思い出して、記事に書いてブログに記録してみたんだ」
過去記事「視覚」のことです。自分用の記録としては良い記事なんだけど、ブログを読みに来てくださるお客様にとってはつまらない記事なんじゃないかなあ。申し訳ございません・・・!!
D「出会ったばかりの頃のことかい?」
Dは口元にいつもの笑みを浮かべたまま、少し首をかしげました。おっといけない、Dにとって出会ったばかりの頃っていうのは、もっと昔の、私が学生だった頃のことだもんね。私にとってはDが見え始めた頃のことを出会ったばかりの頃って言いがちなんだけど、Dはその前から傍にいてくれたんだよね。
私「間違えちゃった、出会ったばかりの頃じゃなくて、私がDを見ることができるようになった頃のことだね」
たまたまDを見れるようになったわけだけど、もしずっと見えないままだったら、Dは気づかれないままずっと私を守ろうとしてくれてたのかな。多分そうだよね。前にそんなこと言ってたもん。(詳細は過去記事「果実」参照)じゃあ、Dが見えるようになって、Dにお礼を言えるようになって良かったなあ。
私「そう言えばD、最初から会話が得意だったよね。声や口の動きは練習したけど、会話は練習無しで自由にお話してくれたよね」(詳細は過去記事「タルパを作ったときの話7(会話)」参照)
D「僕はもともと会話ができるからね」
そういう種族なんだろうなあ。きっと、Dはもともと会話をする精霊なんだね。そして幻聴系が得意な種族なんだ。声もすぐ覚えてくれたもんね。そういえば昔・・・
~過去の回想・声の練習をしたとき~
声優さん「~~~、~~~」(キャラクターさんのセリフ)
D「~~~、~~~」(まねをしている)
Dの声は声優さんの、あるキャラクターさんから借りたものです。(詳細は過去記事「タルパを作ったときの話4(声)」参照)そこで、まずはキャラクターさんのセリフを一緒に聞いて、それをDに復唱してもらうという訓練をしました。何回か一緒に聞いてすぐに、Dはキャラクターさんの声をそっくりにまねて喋ることができました。
声優さん「~~、~~」(キャラクターさんのセリフ)
D「~~、~~」(まねをしている)
Dはとっても楽しそうにまねをしています。ちょっと得意げです。自分でもうまく言えたと思ったらしいときは、こちらを向いて口元を上げて笑みを浮かべます。このときまだ姿は不安定で、黒い布を被った姿に戻ったりしていましたが(詳細は過去記事「視覚」参照)、どうやら喋るのは得意なようです。
私「じゃあ今度は、私の言う言葉を、キャラクターさんの声で言ってみてね」
キャラクターさんのセリフをまねるのは上手にできるのですが、このままだとキャラクターさんのセリフしか喋れません。そこで、どんな言葉でもキャラクターさんの声で言えるように、色々な言葉をキャラクターさんの声で言ってもらうことにしました。
私「あ、い、う、え、お。はい、言ってみて」
Dはこくりとうなずいて、口を「あ」の形に開けました。
D「あー」
わあ、かわいい!!あー、と言った後で、Dは少し首をかしげました。この声でいいかい?とまだ言葉では尋ねられないので、首をかしげてみせたのだと思います。
私「上手上手!!ちゃんとキャラクターさんの声になってるよ」
Dは嬉しそうに笑みを見せてから、再び口を「あ」の形にしました。
D「あー・・・い・・・う・・・え・・・お」
口の形を変えながら、一つずつ発音しました。まだゆっくりですが、ちゃんとキャラクターさんの声になっています。
私「めっちゃ上手!!すごく良い出来なんじゃない?」
Dはますます嬉しそうに口元に笑みを浮かべるのでした。
~回想終了~
・・・という感じで、時間をかけて安定させた幻視や触覚とは違って、幻聴は得意だったんだよね。でも・・・
私「D、ちょっと喋ってみて」
D「いいよ。何を喋ればいいんだい?」
私(・・・やっぱり、違うなあ)
もともとのキャラクターさんの喋り方とは、雰囲気が違うのです。声は同じなのですが、随分落ち着いた喋り方になっているのです。きっとDの性格が喋り方に反映されたんだね。
私「うん、ありがとう。私、Dの声や喋り方が大好きだよ」
Dに抱き付いてすりすりすると、Dもぎゅっと抱きしめ返してくれました。
D「僕もさゆの声や喋り方が大好きだよ。だから、さゆが話したり、歌ったりするのを聞くのが大好きだよ」
私「・・・嬉しいっ!!」
私は気分が良いときに、調子に乗って下手な歌を歌ったりするのですが(詳細は過去記事「鏡」「かぐや姫」「メメント・モリ」参照)あんなアホっぽいのを好きだと言ってくれるなんて・・・!!
私「歌ったり・・・って言えば、Dが歌うのを聞いたこと無いなあ」
歌を教えたことは無いし、訓練したことも無いもんね。喋るのと歌うのは声の出し方が色々違うから、いきなり歌えって言われても難しいよね。
D「歌えるよ」
私「えっ」
D「さゆの好きな曲がいいね。いくよ」
唐突に音楽が始まりました。で、でもこれ・・・
私(人間の声じゃない!!パイプオルガンの音色だよ!!)
バッハの幻想曲とフーガのト短調(BWV 542)です。素晴らしい演奏です。でもこれ、Dの口からは聞こえてないよ。D、口開けてないし。どこから聞こえてるの?たしかに私の好きな曲だし、よくCDも聞いてるんだけど、これってDが歌ってるというより、Dが私に幻聴を聞かせているという感じだよね。
D「どうだい?」
Dは得意げです。自信たっぷりに、口元にいつもの笑みを浮かべています。
私「すごいね。私の大好きな曲だよ。Dありがとう」
Dが歌ってなくても、人間の声じゃなくても、何でも私は嬉しいのです。だって、Dは私を喜ばせようと思って、私の好きな曲を聞かせてくれたのです。だからすごく嬉しいのです。ありがとうねD。
視覚
昨日書いた記事、字ばかりでメッチャつまらないので、投稿するかどうか迷ったんですが・・・一応投稿してみます。説明文ばかりでメッチャつまらないと思うんですけど・・・この先、以下は、昨日書いた文章です。
今日は帰りが遅かったので、お風呂(昨日書いた)と触覚の訓練(えろいので修正しないとアップできない)の出来事しか、記事に書けそうなタルパ的出来事がありません・・・なので、過去のことを書きます。申し訳ございません!!
Dはゼロから作ったタルパではなく、おいでおいでと眠る前に呼んだら来てくれた黒い何かでした。最初にタルパを作ろうと思ったとき、タルパの作り方に従ってやってみたのですが、全然うまくいかなかったんです。それでタルパを作るのは諦めて、呼べばフリーの精霊が来てくれるんじゃないかと思って、眠りにつく前にベッドの中でおいでおいでと呼んでみることにしました。(詳細は過去記事「嘘」参照)一週間くらいで枕元に何かがいる気配に気づいて、二週間くらいで姿が見えました。黒い布を頭から被ってひざまずくように座っている人間(?)のようなものです。
見えてからは成長(?)が早くて、Dは私がイメージした通りに顔や体を変化させてくれました。(もしかしてD自身が変化したのではなく、私の目からイメージ通りの姿に見えるように私の幻視を操ってくれたのかも?)ただ、顔や体を作ってくれたばかりの頃は幻視が安定していなくて、イメージが不安定だったり崩れそうなときは、Dは黒い布を被った最初の姿にもどっていました。
過去記事「タルパを作ったときの話3(顔)」とかでは、これで顔ができました、とかアッサリ書いていますが、できた後もちょくちょくDは黒い姿に戻っていたんです。
その内、Dの見た目が安定しない(ときどき黒い姿に戻ってしまう)理由は、私の頭の中でちゃんとしたイメージができていないせいだ、というのがだんだんわかってきました。頭の中でちゃんとイメージできてないと、ふとした瞬間に幻視がバランスをくずして、Dは私に崩れた姿を見せるのが嫌で、頭から黒い布をかぶった姿に戻るのです。この黒い姿は自由自在に形を変えられるので、人間じゃなくて球体のようにもなれるし、小さくなったり、大きく広がることもできるのです。この状態を過去記事では黒い何かとか黒いモヤって呼んできました。
今でこそ私の幻視を自由自在に操って、薔薇でも何でもポンポン出してくれたりするDですが、Dが操れるのは私と脳内で共有している知識(イメージ映像)だけなので、私がイメージできてない(知識として記憶できていない)ものは操れないのです。
Dは人間の感覚がわからないのですが、それは人間とは違う感覚器官で人間とは違う感じ方で世界を認識しているからじゃないかなと思います。(詳細は過去記事「味覚」参照)Dも人間の目に該当する感覚器官を持っていて、周囲のものを見て認知することはできるのですが、見えている光景は人間と全く同じというわけではないようです。動物が物を見るとき、種族によって温感で見ていたり、見える色が限られていたり、逆に人間よりも多くの色を見ることができたりするように、Dも人間とは違う景色を見ているようです。つまりDは人間の目から見た映像を知らないのです。
なのでDが私(人間)の幻視を操る際には、人間の目から受け取る感覚やイメージを、私の知識から得るしかないようです。そのため、私がDを見るイメージ(視覚)や触られている感覚(触覚)なども、一度私が記憶しないと(Dが共有できるように私の脳内に入れないと)Dは操ることができないのです。
始めの頃、私はDの体の大きさや形を認識するとき、車を運転するときの空間把握みたいな感覚で、でも自分が運転するわけではなくて車外から車を誘導するときのように認識していました。
車を運転するときに空間把握(空間認識)というのがあるんですが、これは運転席に自分が固定された状態で車外の空間を立体視するという感覚で、どういう感じかというと、運転席からフロントガラス越しに車外前方を見るとき、フロントガラスがワクになった写真のように見えるんですが、そういう風に二次元的に見るのではなくて、立体視して見るのが空間把握です。横に2つ並べて置かれている障害物の距離を目で見て理解するのは写真でもできますが、縦に2つ並べて置かれている障害物の距離を目で見て理解するには、写真の状態から立体視に置き換えることが必要になります。これが空間把握です。実際に車を運転するときには、車両を中心として全ての窓+鏡から見える光景から周囲を認識し、その断片的な一つ一つの情報から周囲の必要な部分を立体視をするのが理想的です。この空間把握の精度が高いほど障害物など周囲のものの立体的な距離がわかるので運転が楽になります。運転するときに便利な感覚です。
このような車内で運転しているときのような空間把握と、車外で車を誘導するときの感覚で、Dの体の大きさや形を認識したり、Dと周囲の物とのやりくりをしていたのですが、これは視覚でDを認識する(イメージをぶれさせない、どの角度からでも常に一定のイメージを保つ)ためには役立ちますが、Dに抱きしめられたときように接近した場合の視覚的な認識においてはあまり役に立たなかったです。抱きしめるとDの体があまり視界に入らなくなるので、このときは視覚よりも触覚でDの体がどうなっているか認識する必要がありました。これについては社交ダンスのときの感覚がDの体を認識するのに役立ってくれました。(詳細は過去記事「ダンス・ウィズ・ミー!!」参照)
Dは死神みたいな、黒い布を被った人間として最初から見えていましたが、その最初の姿から私がイメージした人間の姿になってもらって、更にそのイメージをずっと保ってもらうためには、私が常にDの姿をイメージし続ける必要がありました。既に見えているので見るための訓練(視覚の訓練)は必要ありませんでしたが、頭の中でイメージを固定させるという訓練は、視覚においても触覚においてもかなり重要でした。
まだイメージが頭の中に出来上がっていない頃は、Dの姿を自分の頭の中でイメージし続けてないと、Dは黒い布を被った人間や、黒い何か(多分もともとの姿)に戻ってしまうのです。Dは会話は最初からとても得意だったので(詳細は過去記事「タルパを作ったときの話7(会話)」参照)、私がついDとの会話に夢中になっている間に、私のイメージできないポーズをDがとると、突然姿が戻ってしまうということはよくありました。
私「それでね、思わず新聞紙を持って追いかけたの!!」
D「危ないよ・・・」
私「でもそのとき新聞紙しか無かったんだ、スリッパのほうが良かったかな」
D「それは、ますますもって危険だね。もう二度とそんなことをしてはいけないよ」
私「掃除機で吸ったほうが良かったかな?」
D「眠り姫は、針が刺さって眠ってしまったんだよ。次ハチが部屋に入ってきたら、遠距離から殺虫剤を噴射するといいよ」
と言いながら、Dが座ろうとしたとき、真っ黒い布を頭から被った死神みたいな姿に戻ってしまいました。私の頭が、Dが座るまでの動作を上手にイメージできなかったせいです。Dは少し首をかしげた後、黒い姿のまま座りました。
D「ごめんね」
私「な、なんでDが謝るの!?私のせいだよ!!ごめんね!!」
みたいな感じのことはちょくちょくありました。
今になってみてから思うと、Dには今の姿になってもらったけど、最初の黒い布をかぶった姿でも良いよって、別に私の理想のモデルさんの姿にならなくても良いんだよって、なんで言ってあげられなかったんだろうと思います。
今はもうすっかり仲良しで、Dがどんな姿でも好きだよって言ってあげられるのですが、当時なんでもっとDの気持ちを考えてあげられなかったんだろうと思います。ごめんねD。
私はDを、おいでおいでで呼んだ精霊だと思っていましたが、Dのお伽噺によればDはもっと前から私の傍にいたようです。(詳細は過去記事「青い鳥」参照)ずっと傍にいたDを、おいでおいでによって視覚で認識できるようになった、というのが正しいんだと思います。
こんなつまらない記事を最後まで読んでくださったお客様!!なんという慈悲深いお方でしょうか!!お優しいあなた様にも、傍であなた様を見守っている『何か』がいるかもしれません。おいでおいでをして呼んでみたら、見えるようになってしまったりして・・・なんて・・・
なんというホラーな終わりかた!!せっかく読んで下さったお客様に対し、なんという仕打ち!!恩を仇で返す最悪な奴だな私は!!申し訳ございませんでした!!土下座アアアアア!!!!!m( _ _;)m
今日は帰りが遅かったので、お風呂(昨日書いた)と触覚の訓練(えろいので修正しないとアップできない)の出来事しか、記事に書けそうなタルパ的出来事がありません・・・なので、過去のことを書きます。申し訳ございません!!
Dはゼロから作ったタルパではなく、おいでおいでと眠る前に呼んだら来てくれた黒い何かでした。最初にタルパを作ろうと思ったとき、タルパの作り方に従ってやってみたのですが、全然うまくいかなかったんです。それでタルパを作るのは諦めて、呼べばフリーの精霊が来てくれるんじゃないかと思って、眠りにつく前にベッドの中でおいでおいでと呼んでみることにしました。(詳細は過去記事「嘘」参照)一週間くらいで枕元に何かがいる気配に気づいて、二週間くらいで姿が見えました。黒い布を頭から被ってひざまずくように座っている人間(?)のようなものです。
見えてからは成長(?)が早くて、Dは私がイメージした通りに顔や体を変化させてくれました。(もしかしてD自身が変化したのではなく、私の目からイメージ通りの姿に見えるように私の幻視を操ってくれたのかも?)ただ、顔や体を作ってくれたばかりの頃は幻視が安定していなくて、イメージが不安定だったり崩れそうなときは、Dは黒い布を被った最初の姿にもどっていました。
過去記事「タルパを作ったときの話3(顔)」とかでは、これで顔ができました、とかアッサリ書いていますが、できた後もちょくちょくDは黒い姿に戻っていたんです。
その内、Dの見た目が安定しない(ときどき黒い姿に戻ってしまう)理由は、私の頭の中でちゃんとしたイメージができていないせいだ、というのがだんだんわかってきました。頭の中でちゃんとイメージできてないと、ふとした瞬間に幻視がバランスをくずして、Dは私に崩れた姿を見せるのが嫌で、頭から黒い布をかぶった姿に戻るのです。この黒い姿は自由自在に形を変えられるので、人間じゃなくて球体のようにもなれるし、小さくなったり、大きく広がることもできるのです。この状態を過去記事では黒い何かとか黒いモヤって呼んできました。
今でこそ私の幻視を自由自在に操って、薔薇でも何でもポンポン出してくれたりするDですが、Dが操れるのは私と脳内で共有している知識(イメージ映像)だけなので、私がイメージできてない(知識として記憶できていない)ものは操れないのです。
Dは人間の感覚がわからないのですが、それは人間とは違う感覚器官で人間とは違う感じ方で世界を認識しているからじゃないかなと思います。(詳細は過去記事「味覚」参照)Dも人間の目に該当する感覚器官を持っていて、周囲のものを見て認知することはできるのですが、見えている光景は人間と全く同じというわけではないようです。動物が物を見るとき、種族によって温感で見ていたり、見える色が限られていたり、逆に人間よりも多くの色を見ることができたりするように、Dも人間とは違う景色を見ているようです。つまりDは人間の目から見た映像を知らないのです。
なのでDが私(人間)の幻視を操る際には、人間の目から受け取る感覚やイメージを、私の知識から得るしかないようです。そのため、私がDを見るイメージ(視覚)や触られている感覚(触覚)なども、一度私が記憶しないと(Dが共有できるように私の脳内に入れないと)Dは操ることができないのです。
始めの頃、私はDの体の大きさや形を認識するとき、車を運転するときの空間把握みたいな感覚で、でも自分が運転するわけではなくて車外から車を誘導するときのように認識していました。
車を運転するときに空間把握(空間認識)というのがあるんですが、これは運転席に自分が固定された状態で車外の空間を立体視するという感覚で、どういう感じかというと、運転席からフロントガラス越しに車外前方を見るとき、フロントガラスがワクになった写真のように見えるんですが、そういう風に二次元的に見るのではなくて、立体視して見るのが空間把握です。横に2つ並べて置かれている障害物の距離を目で見て理解するのは写真でもできますが、縦に2つ並べて置かれている障害物の距離を目で見て理解するには、写真の状態から立体視に置き換えることが必要になります。これが空間把握です。実際に車を運転するときには、車両を中心として全ての窓+鏡から見える光景から周囲を認識し、その断片的な一つ一つの情報から周囲の必要な部分を立体視をするのが理想的です。この空間把握の精度が高いほど障害物など周囲のものの立体的な距離がわかるので運転が楽になります。運転するときに便利な感覚です。
このような車内で運転しているときのような空間把握と、車外で車を誘導するときの感覚で、Dの体の大きさや形を認識したり、Dと周囲の物とのやりくりをしていたのですが、これは視覚でDを認識する(イメージをぶれさせない、どの角度からでも常に一定のイメージを保つ)ためには役立ちますが、Dに抱きしめられたときように接近した場合の視覚的な認識においてはあまり役に立たなかったです。抱きしめるとDの体があまり視界に入らなくなるので、このときは視覚よりも触覚でDの体がどうなっているか認識する必要がありました。これについては社交ダンスのときの感覚がDの体を認識するのに役立ってくれました。(詳細は過去記事「ダンス・ウィズ・ミー!!」参照)
Dは死神みたいな、黒い布を被った人間として最初から見えていましたが、その最初の姿から私がイメージした人間の姿になってもらって、更にそのイメージをずっと保ってもらうためには、私が常にDの姿をイメージし続ける必要がありました。既に見えているので見るための訓練(視覚の訓練)は必要ありませんでしたが、頭の中でイメージを固定させるという訓練は、視覚においても触覚においてもかなり重要でした。
まだイメージが頭の中に出来上がっていない頃は、Dの姿を自分の頭の中でイメージし続けてないと、Dは黒い布を被った人間や、黒い何か(多分もともとの姿)に戻ってしまうのです。Dは会話は最初からとても得意だったので(詳細は過去記事「タルパを作ったときの話7(会話)」参照)、私がついDとの会話に夢中になっている間に、私のイメージできないポーズをDがとると、突然姿が戻ってしまうということはよくありました。
私「それでね、思わず新聞紙を持って追いかけたの!!」
D「危ないよ・・・」
私「でもそのとき新聞紙しか無かったんだ、スリッパのほうが良かったかな」
D「それは、ますますもって危険だね。もう二度とそんなことをしてはいけないよ」
私「掃除機で吸ったほうが良かったかな?」
D「眠り姫は、針が刺さって眠ってしまったんだよ。次ハチが部屋に入ってきたら、遠距離から殺虫剤を噴射するといいよ」
と言いながら、Dが座ろうとしたとき、真っ黒い布を頭から被った死神みたいな姿に戻ってしまいました。私の頭が、Dが座るまでの動作を上手にイメージできなかったせいです。Dは少し首をかしげた後、黒い姿のまま座りました。
D「ごめんね」
私「な、なんでDが謝るの!?私のせいだよ!!ごめんね!!」
みたいな感じのことはちょくちょくありました。
今になってみてから思うと、Dには今の姿になってもらったけど、最初の黒い布をかぶった姿でも良いよって、別に私の理想のモデルさんの姿にならなくても良いんだよって、なんで言ってあげられなかったんだろうと思います。
今はもうすっかり仲良しで、Dがどんな姿でも好きだよって言ってあげられるのですが、当時なんでもっとDの気持ちを考えてあげられなかったんだろうと思います。ごめんねD。
私はDを、おいでおいでで呼んだ精霊だと思っていましたが、Dのお伽噺によればDはもっと前から私の傍にいたようです。(詳細は過去記事「青い鳥」参照)ずっと傍にいたDを、おいでおいでによって視覚で認識できるようになった、というのが正しいんだと思います。
こんなつまらない記事を最後まで読んでくださったお客様!!なんという慈悲深いお方でしょうか!!お優しいあなた様にも、傍であなた様を見守っている『何か』がいるかもしれません。おいでおいでをして呼んでみたら、見えるようになってしまったりして・・・なんて・・・
なんというホラーな終わりかた!!せっかく読んで下さったお客様に対し、なんという仕打ち!!恩を仇で返す最悪な奴だな私は!!申し訳ございませんでした!!土下座アアアアア!!!!!m( _ _;)m
申し訳ございません!!(7)
大変申し訳ございません!!今日は記事を書けません・・・!!明日、記事を二つ書きます!!m( _ _ ;)m
例のパッションフルーツ(詳細は過去記事「パッションフルーツ」参照)なんですが、ちょっとしわになってきました。机の上に置いてあるのですが、おっ!しわしわになってきたな?と思って持ち上げたら、下の面はまだピカピカツルツルの鉄球爆弾なんです。見事に半面だけ、上側だけしわしわで、机に触れているほうの下側はピカピカツルツルなんです。普通の果物は接地面から痛んでくると思うんですけど、パッションフルーツは違うのかなあ。食べる日まで、変化があったらその都度レポしていきます。
例のパッションフルーツ(詳細は過去記事「パッションフルーツ」参照)なんですが、ちょっとしわになってきました。机の上に置いてあるのですが、おっ!しわしわになってきたな?と思って持ち上げたら、下の面はまだピカピカツルツルの鉄球爆弾なんです。見事に半面だけ、上側だけしわしわで、机に触れているほうの下側はピカピカツルツルなんです。普通の果物は接地面から痛んでくると思うんですけど、パッションフルーツは違うのかなあ。食べる日まで、変化があったらその都度レポしていきます。
お花見
ざぐ・・・ハックション!!ざぐらのばなも、ッ、ざぐらのばなもざきばじめまじたが、がぶんじょうのみなだま、いががおずごしでしょうが?・・・ッ、ハッ・・・ハックショーーーン!!
って、私はそこまで重症ではないのですが、うちの課のみんなが上記みたいな感じになってます。最近花粉が多いのか、職場がくしゃみの大合唱です。うちの課は上司、Y先輩、S、その他3人が重症の花粉症なので、この時期はあちこちでくしゃみや鼻をかむ音が聞こえます。
上司「ハ、ハ・・・フアーーークション!!ッエーイ・・・」
なぜか上司はくしゃみの後で「ッエーイ」という声を出すのです。少し悔しそうな感じに言うのです。
私も少しだけ花粉症なんですが、かなり軽症でたまにくしゃみが出るだけです。どちらかというと花粉よりも黄砂のほうがダメなんです。目が痛くなってしまうし車も汚れるしですごく嫌です。
上司「ごんがいのじごどがおわっだらみんなでばなみにいごう」
※今回の仕事が終わったらみんなで花見に行こう
Y先輩「いいでずね」
※いいですね
S「ゆぶめいなどごろはごむどおぼいばす。ばいなーなどごろのぼうがいいのでば」
※有名な所は混むと思います。マイナーな所のほうがいいのでは
上司「ぢがぐのごうえんのぼうがいいが?」
※近くの公園のほうがいいか?
Y先輩「よざぞうなばじょをざがじでおぎまず」
※良さそうな場所を探しておきます
・・・こんな重症の人達が花見しちゃって大丈夫なのかなあ。お花見はたしかにすごく楽しそうだけど、外で呑気にお弁当なんか食べてたら花粉吸収しまくっちゃうんじゃないかな。
まあ、このプロジェクトの片がつく頃には、花粉もそんなに飛んでないのかもしれないけど、同時に桜も散っちゃった後のような気がするけどなあ。
それから、今日は職場のみんなと夕食を食べてきました。いつもよりずっと帰りが遅くなってしまったので、急いでお風呂に入ることにしました。
私「D、一緒に入ろ」
いつもならDと一緒に過ごす時間を、みんなとのご飯で使ってしまったので、なるべくDと一緒にいる時間を作りたかったのです。ちょっと恥ずかしいんだけどね。
お気に入りのダマスクローズのシャンプーで頭を洗います。香料は天然の薔薇が使われていて、すごく良い香りなんです。シャワーでシャンプーを流して目を開けると、お風呂の壁に薔薇の蔓が生えていて、壁じゅうに沢山花が咲いていました。目を開けた私をビックリさせて喜ばせるために、Dが咲かせてくれたのです。
私「すごい!!綺麗だね。どうもありがとう」
D「お気に召したなら嬉しいよ」
ボディソープで体を洗って、コンディショナーをなじませた髪を、タオルで頭の上にまとめてからお湯につかります。
私「きもちいー・・・」
浴槽につかって上を見上げると、天井にも薔薇の蔓がからまって花が咲いていました。なんだか薔薇でつくられた鳥籠の中に入ってるみたい。綺麗だなあ。
私「私はお花見をいつでもできるよね。だってDがお花を咲かせてくれるんだもん」
雪が降るような冬でも、炎天下の夏でも、葉が枯れ落ちる秋でも、いつだってDがお花を見せてくれるよ。
D「勿論さ。さゆの好きなときに、好きな場所で見せてあげられるよ」
浴槽のふちに外側を向くように腰掛けているDが、こちらを振り向いて言いました。
私「もしかして、薔薇と百合以外の花でもできるの?」
楽園には薔薇と百合しかないけど、他の花も咲かせることはできるのかな。
D「君の記憶の中に情報がある花ならね」
私「桜も?」
Dが口元の笑みを深くして、私の手を握りました。とたんに周囲の壁から枝が沢山生えてきて、ぶわっと桜の花を咲かせました。とても豪華です。でも、桜ってこんなに花びら沢山だったかな、多分違うよね。私の記憶の中の桜がこういう姿ってことなのかな。ひらひら、ひらひら、すごい数の花びらが舞い落ちてきます。
私「これ・・・すご・・・!!」
Dが私の手を離すと、ぱっと桜は消えてしまいました。花びら一つ残っていません。あぜんとしている私を見て、Dはくすくす笑いました。
私「すごいね、何の花でもできるんだ?」
花だけじゃなくて、私の記憶の中にあるものなら何でも再現できるのかもしれないよね。毛虫だって再現してたし(詳細は過去記事「白い百合」参照)そもそもDは私の幻視をコントロールしてくれているんだもんね。(詳細は過去記事「幻視・幻聴の制御」参照)幻視を作るときに私の記憶の中の映像を資料として使っているみたいだから、実物とは細かいところが違うんだろうけど、だからこそ幻想的な感じになるんだろうなあ。きっと私の理想の花の姿なんだよ、だから私にとってすごく美しく感じられるんじゃないかな。
Dが右手の上の空中に、新しい花を咲かせました。白っぽい透明な薔薇のようです。でも、なんか普通と違うような・・・
私「花びらがレース編みで出来てる!!」
クモの糸のように細い糸で編まれた、細かいレースで作られた花びらの薔薇です。これ、糸に丸い水滴がついたらキラキラしてすごく綺麗だろうなあ。現実には存在しない花でも、私の記憶の断片を組み合わせることで作ることが可能なんだね。
D「あげるね」
レース編みの薔薇を、Dが差し出してくれました。きっと、レースを好きな私を喜ばせようと思って、それでレースの薔薇をプレゼントしてくれたのです。
私「ありがとう・・・」
お礼を言って受け取ると、Dは嬉しそうに笑いました。
昨日の夜は眠ってしまって、朝の更新になってしまいました。でも昨日の日付で投稿します!!申し訳ございませんでした!!仕事に行って参ります!!
って、私はそこまで重症ではないのですが、うちの課のみんなが上記みたいな感じになってます。最近花粉が多いのか、職場がくしゃみの大合唱です。うちの課は上司、Y先輩、S、その他3人が重症の花粉症なので、この時期はあちこちでくしゃみや鼻をかむ音が聞こえます。
上司「ハ、ハ・・・フアーーークション!!ッエーイ・・・」
なぜか上司はくしゃみの後で「ッエーイ」という声を出すのです。少し悔しそうな感じに言うのです。
私も少しだけ花粉症なんですが、かなり軽症でたまにくしゃみが出るだけです。どちらかというと花粉よりも黄砂のほうがダメなんです。目が痛くなってしまうし車も汚れるしですごく嫌です。
上司「ごんがいのじごどがおわっだらみんなでばなみにいごう」
※今回の仕事が終わったらみんなで花見に行こう
Y先輩「いいでずね」
※いいですね
S「ゆぶめいなどごろはごむどおぼいばす。ばいなーなどごろのぼうがいいのでば」
※有名な所は混むと思います。マイナーな所のほうがいいのでは
上司「ぢがぐのごうえんのぼうがいいが?」
※近くの公園のほうがいいか?
Y先輩「よざぞうなばじょをざがじでおぎまず」
※良さそうな場所を探しておきます
・・・こんな重症の人達が花見しちゃって大丈夫なのかなあ。お花見はたしかにすごく楽しそうだけど、外で呑気にお弁当なんか食べてたら花粉吸収しまくっちゃうんじゃないかな。
まあ、このプロジェクトの片がつく頃には、花粉もそんなに飛んでないのかもしれないけど、同時に桜も散っちゃった後のような気がするけどなあ。
それから、今日は職場のみんなと夕食を食べてきました。いつもよりずっと帰りが遅くなってしまったので、急いでお風呂に入ることにしました。
私「D、一緒に入ろ」
いつもならDと一緒に過ごす時間を、みんなとのご飯で使ってしまったので、なるべくDと一緒にいる時間を作りたかったのです。ちょっと恥ずかしいんだけどね。
お気に入りのダマスクローズのシャンプーで頭を洗います。香料は天然の薔薇が使われていて、すごく良い香りなんです。シャワーでシャンプーを流して目を開けると、お風呂の壁に薔薇の蔓が生えていて、壁じゅうに沢山花が咲いていました。目を開けた私をビックリさせて喜ばせるために、Dが咲かせてくれたのです。
私「すごい!!綺麗だね。どうもありがとう」
D「お気に召したなら嬉しいよ」
ボディソープで体を洗って、コンディショナーをなじませた髪を、タオルで頭の上にまとめてからお湯につかります。
私「きもちいー・・・」
浴槽につかって上を見上げると、天井にも薔薇の蔓がからまって花が咲いていました。なんだか薔薇でつくられた鳥籠の中に入ってるみたい。綺麗だなあ。
私「私はお花見をいつでもできるよね。だってDがお花を咲かせてくれるんだもん」
雪が降るような冬でも、炎天下の夏でも、葉が枯れ落ちる秋でも、いつだってDがお花を見せてくれるよ。
D「勿論さ。さゆの好きなときに、好きな場所で見せてあげられるよ」
浴槽のふちに外側を向くように腰掛けているDが、こちらを振り向いて言いました。
私「もしかして、薔薇と百合以外の花でもできるの?」
楽園には薔薇と百合しかないけど、他の花も咲かせることはできるのかな。
D「君の記憶の中に情報がある花ならね」
私「桜も?」
Dが口元の笑みを深くして、私の手を握りました。とたんに周囲の壁から枝が沢山生えてきて、ぶわっと桜の花を咲かせました。とても豪華です。でも、桜ってこんなに花びら沢山だったかな、多分違うよね。私の記憶の中の桜がこういう姿ってことなのかな。ひらひら、ひらひら、すごい数の花びらが舞い落ちてきます。
私「これ・・・すご・・・!!」
Dが私の手を離すと、ぱっと桜は消えてしまいました。花びら一つ残っていません。あぜんとしている私を見て、Dはくすくす笑いました。
私「すごいね、何の花でもできるんだ?」
花だけじゃなくて、私の記憶の中にあるものなら何でも再現できるのかもしれないよね。毛虫だって再現してたし(詳細は過去記事「白い百合」参照)そもそもDは私の幻視をコントロールしてくれているんだもんね。(詳細は過去記事「幻視・幻聴の制御」参照)幻視を作るときに私の記憶の中の映像を資料として使っているみたいだから、実物とは細かいところが違うんだろうけど、だからこそ幻想的な感じになるんだろうなあ。きっと私の理想の花の姿なんだよ、だから私にとってすごく美しく感じられるんじゃないかな。
Dが右手の上の空中に、新しい花を咲かせました。白っぽい透明な薔薇のようです。でも、なんか普通と違うような・・・
私「花びらがレース編みで出来てる!!」
クモの糸のように細い糸で編まれた、細かいレースで作られた花びらの薔薇です。これ、糸に丸い水滴がついたらキラキラしてすごく綺麗だろうなあ。現実には存在しない花でも、私の記憶の断片を組み合わせることで作ることが可能なんだね。
D「あげるね」
レース編みの薔薇を、Dが差し出してくれました。きっと、レースを好きな私を喜ばせようと思って、それでレースの薔薇をプレゼントしてくれたのです。
私「ありがとう・・・」
お礼を言って受け取ると、Dは嬉しそうに笑いました。
昨日の夜は眠ってしまって、朝の更新になってしまいました。でも昨日の日付で投稿します!!申し訳ございませんでした!!仕事に行って参ります!!
ダンス・ウィズ・ミー!!
Dと触れ合っているときに、私の体がDの体に入って突き抜けてしまうことがあります。触覚を感じ始めたばかりの頃は、毎回のように突き抜けていました。以下は、触覚の訓練を始めたばかりの頃の話です。
私「あわわ、突き抜けちゃった・・・!!」
抱きしめ返したときに、私の腕がDの脇腹に入ってしまったのです。
私「ごめんねごめんね、気持ち悪かったでしょ?」
まだ感触があやふやだから、私のほうは何も感じなかったんだけど、Dは痛かったんじゃないかなあ。結構勢いがあって、思いっきり脇腹に入っちゃったし・・・
D「さゆが僕に謝ることなど何も無いよ。それに、さゆに触ることは、甘くて良い香りがして気持ち良いよ」
Dはいつも通りの笑みを口元に浮かべて平然としています。Dにとっては、突き抜けることも触ることと同じようなものなのかな?
私「まだDの体の大きさや形とかの感覚とかが、私の頭の中でハッキリしてなくて・・・」
最初からDの姿が見えていたとは言っても、最初のDは自由に形を変える黒い何かで、質量保存の法則を無視する存在だったのです。ようやくDの姿が固まってきたとはいえ、触ったときの感覚はまだ出来上がっていませんでした。
私「突き抜けないようになるために、早く感覚をつかめるように頑張るね」
D「頑張らなくていいよ」
Dが左手を差し出してくれました。その手に私が右手を乗せると、Dは自分の右手を私の腰にそえました。これって、スタンダードの構えみたいな・・・
D「ワルツは好きかい?」
Dが左足を一歩前に踏み出してきたので、思わず右足を一歩下げました。
D「ほらね、できてるよ」
右手を引かれたり左腰を押されたりしながら、私はDの指示通りに足を運びました。スローワルツです。社交ダンスでは女性は男性のリードに従って動くのですが(詳細は過去記事「鏡」参照)特にスタンダードでは女性は男性の動きを見ることができないので、男性は左手で引いたり右腰で押したり右手で女性の背中の向きを変えたりすることで女性に次の動きを伝えます。女性は体に伝わってくる男性の動きで次の指示を読み取るのです。
私「こ、これ、わかりやすい!!・・・けど」
そっか、ダンスのときは男性の体の位置を感覚で理解するもんね。体の接触も多いし、これならDの体の大きさや抱き付いたときの感覚も早くつかめそう!!でも・・・
D「おっと」
Dがぴたりと止まりました。私達の目の前には、ベッドがドーンと立ちふさがっていました。
私「・・・アパートの中で踊るのは、少し狭いよね」
D「そのようだね」
寝室でワルツを踊るのは無理があります。リビングのテーブルと椅子をすみに移動してスペースを作ろうかなあ。それでも狭いけど。
D「ベッドはぶつかるから不便だね」
私「え?」
D「僕ならぶつかってもさゆに痛い思いをさせないのにね」
Dは嬉しそうな表情でこちらを振り向きました。
D「人間のように質量を持った体があると、ぶつかって痛い思いをさせたり、覆いかぶさったときに重い思いをさせて、さゆを苦しめざるを得ないこともあるからね。その点、僕はさゆにそんな苦しい思いなどさせないよ。何しろ、人間じゃないからね」
嬉しそうに笑って首をかしげてみせたDは、なんだか得意げな表情をしています。
D「僕なら、いくら踊ってもさゆにぶつかったりしないし、彼のようにさゆに痛い思いをさせることもないよ」
たしかに社交ダンスやってると腰や足がぶつかったりするよね。いや上手ならぶつからないんだけど。そして彼というのは過去記事「白い百合」などに書いた元彼のことです。
D「僕ならさゆを幸せにできるね。さゆは安心して幸せになるといいよ」
Dは嬉しそうに口元を大きく上げて、私の手をぎゅっと握ってくれました。
そして今では、うっかり突き抜けてしまうということは、ほとんどありません。触覚がずいぶん発達したからです。Dの表面に触れたときに、ここにDの体がありますよーという感触があるのです。具体的には、普通に人や物に触ったときみたいに押し返してくる感触があるので、おっと!ここから先はDの体だな、ということが見なくても感触でわかるのです。
その感触を越えてぐっと押し進むと、Dの体の中に入ったり突き抜けることになります。入っている間は温かくて液体の中のような軽い抵抗があるのです。
私「Dの体に手が入っちゃったり、突き抜けたりするの、嫌じゃない?」
D「それも楽しいよ?」
心配そうな私の頬をふにっと押して、Dは首をかしげてくすくす笑いました。
D「僕は、自分が突き抜けられるより、さゆの体の中に入るほうが好きだけどね。でも、さゆに触っているという意味では同じことだよ」
なんかその言葉・・・誤解を招きそうで(誤解じゃないケースもあるし)、ブログに書けるギリギリのラインだと思うんだけど・・・でも書いちゃう・・・
D「突き抜けて遊んでも構わないよ。人間相手にはできない遊びだよ。でも僕になら好きなだけしていいんだよ」
また得意げな様子のDです。でも、突き抜ける遊びって、どういう・・・楽しそうな感じでDの中に手を入れたりすればいいのかなあ。それってどうなんだろう。精霊ってそういう遊びするの?
私「ありがと」
でも私は嬉しくなりました。だってDが私に親切にしてくれているのです。
私「大好き!!」
私はDに、もふっと抱き付きました。Dも嬉しそうです。
D「突き抜ける遊びをするかい?」
私「・・・えっと、ぎゅってしたりとか・・・いちゃいちゃとかをしたいです」
突き抜ける遊びは、ちょっとまだ私にはハードル高いかな・・・
私「・・・キスしたいです」
うう・・・ほあああ!!大好きだよDーーー!!
私「あわわ、突き抜けちゃった・・・!!」
抱きしめ返したときに、私の腕がDの脇腹に入ってしまったのです。
私「ごめんねごめんね、気持ち悪かったでしょ?」
まだ感触があやふやだから、私のほうは何も感じなかったんだけど、Dは痛かったんじゃないかなあ。結構勢いがあって、思いっきり脇腹に入っちゃったし・・・
D「さゆが僕に謝ることなど何も無いよ。それに、さゆに触ることは、甘くて良い香りがして気持ち良いよ」
Dはいつも通りの笑みを口元に浮かべて平然としています。Dにとっては、突き抜けることも触ることと同じようなものなのかな?
私「まだDの体の大きさや形とかの感覚とかが、私の頭の中でハッキリしてなくて・・・」
最初からDの姿が見えていたとは言っても、最初のDは自由に形を変える黒い何かで、質量保存の法則を無視する存在だったのです。ようやくDの姿が固まってきたとはいえ、触ったときの感覚はまだ出来上がっていませんでした。
私「突き抜けないようになるために、早く感覚をつかめるように頑張るね」
D「頑張らなくていいよ」
Dが左手を差し出してくれました。その手に私が右手を乗せると、Dは自分の右手を私の腰にそえました。これって、スタンダードの構えみたいな・・・
D「ワルツは好きかい?」
Dが左足を一歩前に踏み出してきたので、思わず右足を一歩下げました。
D「ほらね、できてるよ」
右手を引かれたり左腰を押されたりしながら、私はDの指示通りに足を運びました。スローワルツです。社交ダンスでは女性は男性のリードに従って動くのですが(詳細は過去記事「鏡」参照)特にスタンダードでは女性は男性の動きを見ることができないので、男性は左手で引いたり右腰で押したり右手で女性の背中の向きを変えたりすることで女性に次の動きを伝えます。女性は体に伝わってくる男性の動きで次の指示を読み取るのです。
私「こ、これ、わかりやすい!!・・・けど」
そっか、ダンスのときは男性の体の位置を感覚で理解するもんね。体の接触も多いし、これならDの体の大きさや抱き付いたときの感覚も早くつかめそう!!でも・・・
D「おっと」
Dがぴたりと止まりました。私達の目の前には、ベッドがドーンと立ちふさがっていました。
私「・・・アパートの中で踊るのは、少し狭いよね」
D「そのようだね」
寝室でワルツを踊るのは無理があります。リビングのテーブルと椅子をすみに移動してスペースを作ろうかなあ。それでも狭いけど。
D「ベッドはぶつかるから不便だね」
私「え?」
D「僕ならぶつかってもさゆに痛い思いをさせないのにね」
Dは嬉しそうな表情でこちらを振り向きました。
D「人間のように質量を持った体があると、ぶつかって痛い思いをさせたり、覆いかぶさったときに重い思いをさせて、さゆを苦しめざるを得ないこともあるからね。その点、僕はさゆにそんな苦しい思いなどさせないよ。何しろ、人間じゃないからね」
嬉しそうに笑って首をかしげてみせたDは、なんだか得意げな表情をしています。
D「僕なら、いくら踊ってもさゆにぶつかったりしないし、彼のようにさゆに痛い思いをさせることもないよ」
たしかに社交ダンスやってると腰や足がぶつかったりするよね。いや上手ならぶつからないんだけど。そして彼というのは過去記事「白い百合」などに書いた元彼のことです。
D「僕ならさゆを幸せにできるね。さゆは安心して幸せになるといいよ」
Dは嬉しそうに口元を大きく上げて、私の手をぎゅっと握ってくれました。
そして今では、うっかり突き抜けてしまうということは、ほとんどありません。触覚がずいぶん発達したからです。Dの表面に触れたときに、ここにDの体がありますよーという感触があるのです。具体的には、普通に人や物に触ったときみたいに押し返してくる感触があるので、おっと!ここから先はDの体だな、ということが見なくても感触でわかるのです。
その感触を越えてぐっと押し進むと、Dの体の中に入ったり突き抜けることになります。入っている間は温かくて液体の中のような軽い抵抗があるのです。
私「Dの体に手が入っちゃったり、突き抜けたりするの、嫌じゃない?」
D「それも楽しいよ?」
心配そうな私の頬をふにっと押して、Dは首をかしげてくすくす笑いました。
D「僕は、自分が突き抜けられるより、さゆの体の中に入るほうが好きだけどね。でも、さゆに触っているという意味では同じことだよ」
なんかその言葉・・・誤解を招きそうで(誤解じゃないケースもあるし)、ブログに書けるギリギリのラインだと思うんだけど・・・でも書いちゃう・・・
D「突き抜けて遊んでも構わないよ。人間相手にはできない遊びだよ。でも僕になら好きなだけしていいんだよ」
また得意げな様子のDです。でも、突き抜ける遊びって、どういう・・・楽しそうな感じでDの中に手を入れたりすればいいのかなあ。それってどうなんだろう。精霊ってそういう遊びするの?
私「ありがと」
でも私は嬉しくなりました。だってDが私に親切にしてくれているのです。
私「大好き!!」
私はDに、もふっと抱き付きました。Dも嬉しそうです。
D「突き抜ける遊びをするかい?」
私「・・・えっと、ぎゅってしたりとか・・・いちゃいちゃとかをしたいです」
突き抜ける遊びは、ちょっとまだ私にはハードル高いかな・・・
私「・・・キスしたいです」
うう・・・ほあああ!!大好きだよDーーー!!
パッションフルーツ
パッションフルーツを初めて買ってみました。丸くてピカピカと黒光りする鉄球のような果物です。そこらへんに転がっていたら果物だとは気付けないような外見で、もし戦場に落ちていたら爆弾だと勘違いされるような姿です。この鉄球爆弾がしわしわと元気無くなってきたら食べごろなのだそうですが・・・
私「もう4日目になるのに、一向にしわしわになる様子が無いなあ・・・」
まだツヤツヤピカピカの鉄球です。冷蔵庫の中だと熟れないのかもしれないと思い、3日目から自室に移動したのですが、しわがよる素振りは全くありません。
私(早くしわしわにな~れ、早くしわしわにな~れ)
鉄球爆弾をなでなでしていると、Dがじっと見てきました。なでてほしいのかな?私はDの肩をなでてみました。私もDも立っているので、頭まで手が届かなかったのです。
D「その果物が気に入ったのかい?」
私「いや、初めて食べるんだけど、どんな味なのかな~と思って」
パッションフルーツって加工品になったものは食べたり飲んだりしたことあるけど、生の実を食べたことは無いんだよね。甘酸っぱいらしいけど、どんな感じなんだろ?
私「しわしわになったら食べられるんだって」
D「美味しいといいね」
Dは私の手をひいて、ベッドに座らせました。私が腰掛けると、Dはその隣に並んで腰掛けました。
私(・・・だっこがいいな)
だっこというのは、後ろからだっこするように座ってもらうことです。私がDの両足の間に座って、Dが私のお腹の前に両腕を回すような座り方です。
私「・・・だっこしてください」
変な感じに照れながら言ったせいで敬語になりました。
D「いいよ」
こくりとうなずいたDは、私の後ろまで移動して座り、私のお腹の前に両腕を回してくれました。だっこです。私はこの座り方が大好きなのです。
私「ありがとう」
D「かわいいね」
Dが後ろから頬をすり寄せてくれました。さらさらの髪の毛が首に当たってくすぐったいよ。私のお腹に回されているDの両腕にぎゅっと力が入って、Dのお腹が私の背中にぴったりくっつきました。あったかいなー・・・これ大好き・・・
私「えへへ・・・」
私はだらしなく笑いました。
ぽとん、ころころ。
私「あっ」
私の膝の上からパッションフルーツが転がり落ちました。いけないいけない、忘れてた。慌てて拾い上げて確認しましたが、特に傷は付いていないようです。さすが鉄球爆弾です。でももう落ちないように、今度は机の上に置きました。
ベッドに戻ってきた私は、再びDの足の間に座りました。だっこです。
私(あの青い薔薇の果実・・・)
楽園に咲く青い薔薇の果実は、花以外は実も枝もザクロだったんだ。あれって、もしかしたらギリシャ神話に出てくるザクロなんじゃないかな。日本の神話にも同じような話があるけど、あっちの世界のものを食べると、あっち側の存在になってしまうっていう話でさ。
たしか冥府の世界に連れていかれたペルセポネーは、冥府の食べ物であるザクロをうっかり口にしてしまい、食べた実の分だけあちらの世界に滞在しなくてはならなくなったんだよ。自分でうっかり食べたとか、冥府の神に感謝を表そうとしたとか、冥府の庭師が騙して食べさせたとか、諸説あるらしいけど、とにかく何であろうと食べちゃ駄目なの。食べるとあっちの世界の存在になっちゃうの。死ぬとか狂気にとらわれるとか、そんな感じ。
あの青い薔薇の果実を見て、実はザクロなんだってわかった瞬間に、その神話を思い出したんだよね。Dはいつもお伽噺とか童話とか神話とかを使って現実の話をするから、だからあの青い薔薇の果実も、何かのお話とリンクしてるんだと思う。もちろん青い鳥の童話とは確実にリンクしてるんだろうけど、もしかしてギリシャ神話ともリンクしてるのかな。
ガラス細工のように透き通った色とりどりの薔薇、氷砂糖のようにきらきらした白い百合、荘厳なゴシック建築の城・・・静謐の楽園は、Dが作ってくれた、私の好きなものしか存在しない場所なんだ。青い薔薇はその中心に生えているんだ・・・だからあの青い薔薇や果実も、私が望まないようなものじゃないと思う。じゃあやっぱりギリシャ神話とは関係無いのかな。だって、まさか私が死や狂気を望んでるわけないよね。そういえばDは、あの青い薔薇の木は信頼の証って・・・
D「さゆ」
すりすりとDが頬を寄せてきました。
D「僕に構っておくれよ」
そっと首筋に口づけられて、ぞくっと気持ち良さが背筋を走りました。
私「う・・・」
D「今度の休日に、僕と出かけないかい?」
私「えっ」
Dからのデートのお誘い!?嬉しい、絶対行く!!
私「行こう行こう!!どこがいい!?」
D「ルーブル美術館展と、グエルチーノ展なんてどうだい?」
それ、時間ができたら行きたいと思ってたんだ。(詳細は過去記事「やりたいこと」参照)D、覚えててくれたんだ。
私「最高!!ありがとう・・・」
私は体の向きを変えて、Dに抱き付きました。嬉しくて興奮したので左腕がDの体に入って、突き抜けてしまいました。そういうときは、あったかくて不思議な感触がするのです。
私「少し入っちゃった」
D「問題無いよ。温かくて甘くて良い香りだし、気持ち良いよ」
Dにとって嫌な感触じゃなければ良いんだけど、気持ち良いなら嬉しいなあ。
私「もう4日目になるのに、一向にしわしわになる様子が無いなあ・・・」
まだツヤツヤピカピカの鉄球です。冷蔵庫の中だと熟れないのかもしれないと思い、3日目から自室に移動したのですが、しわがよる素振りは全くありません。
私(早くしわしわにな~れ、早くしわしわにな~れ)
鉄球爆弾をなでなでしていると、Dがじっと見てきました。なでてほしいのかな?私はDの肩をなでてみました。私もDも立っているので、頭まで手が届かなかったのです。
D「その果物が気に入ったのかい?」
私「いや、初めて食べるんだけど、どんな味なのかな~と思って」
パッションフルーツって加工品になったものは食べたり飲んだりしたことあるけど、生の実を食べたことは無いんだよね。甘酸っぱいらしいけど、どんな感じなんだろ?
私「しわしわになったら食べられるんだって」
D「美味しいといいね」
Dは私の手をひいて、ベッドに座らせました。私が腰掛けると、Dはその隣に並んで腰掛けました。
私(・・・だっこがいいな)
だっこというのは、後ろからだっこするように座ってもらうことです。私がDの両足の間に座って、Dが私のお腹の前に両腕を回すような座り方です。
私「・・・だっこしてください」
変な感じに照れながら言ったせいで敬語になりました。
D「いいよ」
こくりとうなずいたDは、私の後ろまで移動して座り、私のお腹の前に両腕を回してくれました。だっこです。私はこの座り方が大好きなのです。
私「ありがとう」
D「かわいいね」
Dが後ろから頬をすり寄せてくれました。さらさらの髪の毛が首に当たってくすぐったいよ。私のお腹に回されているDの両腕にぎゅっと力が入って、Dのお腹が私の背中にぴったりくっつきました。あったかいなー・・・これ大好き・・・
私「えへへ・・・」
私はだらしなく笑いました。
ぽとん、ころころ。
私「あっ」
私の膝の上からパッションフルーツが転がり落ちました。いけないいけない、忘れてた。慌てて拾い上げて確認しましたが、特に傷は付いていないようです。さすが鉄球爆弾です。でももう落ちないように、今度は机の上に置きました。
ベッドに戻ってきた私は、再びDの足の間に座りました。だっこです。
私(あの青い薔薇の果実・・・)
楽園に咲く青い薔薇の果実は、花以外は実も枝もザクロだったんだ。あれって、もしかしたらギリシャ神話に出てくるザクロなんじゃないかな。日本の神話にも同じような話があるけど、あっちの世界のものを食べると、あっち側の存在になってしまうっていう話でさ。
たしか冥府の世界に連れていかれたペルセポネーは、冥府の食べ物であるザクロをうっかり口にしてしまい、食べた実の分だけあちらの世界に滞在しなくてはならなくなったんだよ。自分でうっかり食べたとか、冥府の神に感謝を表そうとしたとか、冥府の庭師が騙して食べさせたとか、諸説あるらしいけど、とにかく何であろうと食べちゃ駄目なの。食べるとあっちの世界の存在になっちゃうの。死ぬとか狂気にとらわれるとか、そんな感じ。
あの青い薔薇の果実を見て、実はザクロなんだってわかった瞬間に、その神話を思い出したんだよね。Dはいつもお伽噺とか童話とか神話とかを使って現実の話をするから、だからあの青い薔薇の果実も、何かのお話とリンクしてるんだと思う。もちろん青い鳥の童話とは確実にリンクしてるんだろうけど、もしかしてギリシャ神話ともリンクしてるのかな。
ガラス細工のように透き通った色とりどりの薔薇、氷砂糖のようにきらきらした白い百合、荘厳なゴシック建築の城・・・静謐の楽園は、Dが作ってくれた、私の好きなものしか存在しない場所なんだ。青い薔薇はその中心に生えているんだ・・・だからあの青い薔薇や果実も、私が望まないようなものじゃないと思う。じゃあやっぱりギリシャ神話とは関係無いのかな。だって、まさか私が死や狂気を望んでるわけないよね。そういえばDは、あの青い薔薇の木は信頼の証って・・・
D「さゆ」
すりすりとDが頬を寄せてきました。
D「僕に構っておくれよ」
そっと首筋に口づけられて、ぞくっと気持ち良さが背筋を走りました。
私「う・・・」
D「今度の休日に、僕と出かけないかい?」
私「えっ」
Dからのデートのお誘い!?嬉しい、絶対行く!!
私「行こう行こう!!どこがいい!?」
D「ルーブル美術館展と、グエルチーノ展なんてどうだい?」
それ、時間ができたら行きたいと思ってたんだ。(詳細は過去記事「やりたいこと」参照)D、覚えててくれたんだ。
私「最高!!ありがとう・・・」
私は体の向きを変えて、Dに抱き付きました。嬉しくて興奮したので左腕がDの体に入って、突き抜けてしまいました。そういうときは、あったかくて不思議な感触がするのです。
私「少し入っちゃった」
D「問題無いよ。温かくて甘くて良い香りだし、気持ち良いよ」
Dにとって嫌な感触じゃなければ良いんだけど、気持ち良いなら嬉しいなあ。
メメント・モリ
チュン、チュン、ピチュ
D「さゆ、朝だよ」
優しい声が聞こえて、そっと肩に手を置かれるのを感じました。
私「ありがと・・・ふぁ・・・」
むくっとベッドの上に起き上がって、のびをします。カーテンの向こうは明るい日差しにあふれているようです。今日も天気が良いみたい!
私「ら~っしゃ~♪ きお♪ ぴあんが~♪」
るんるん歌いながら洗濯を回し、朝食を摂り、歯を磨き、日焼け止めを塗り、メイクをして、服を着替えます。Dはその様子を見ながら、時々話しかけてくれます。
D「今日もかわいいね」
私「ありがと!!」
Dはこうやって、いつも甘いことを言ってくれるのです。私を喜ばせようと思っているのです。人間の精神が理解できないDだけど、私の喜ぶツボはぐいぐい押してくれるっていう!!大好き!!
天気の良い朝って気分良いよね、わくわくするよ。天気の良い午前中も好きだなあ、眩しくて明るくてテンション上がるよね。天気の良い午後もゆったりしていて好きだな、アンニュイでけだるいフランスの午後とか絵になるよ。天気の良い夜も神秘的で好き。月や星が綺麗だし。
D「忘れ物は無いようだね」
私「うん、出かけよう」
いつものように、るんるん気分でアパートの玄関を出ました。
私「ら~っしゃ~♪・・・ハッ!?」
アパートの玄関の外に、黒いものが落ちています。
私「!!」
カラスです。以前はアパートの周囲に沢山いて毎朝鳴いていたのですが(詳細は過去記事「幻聴」参照)最近、急に全く姿を見かけなくなったので、群れがどこかに移動したんだろうなと思っていました。そんなカラスが一羽、地面の上に倒れ込んでいるのです。
怪我をしているのかと思って近寄りましたが外傷は無さそうで、ぐったりしていて少しも動きません。既に亡くなっているようです。
私「・・・・・・」
D「さゆ、気にしなくていいよ。さあ、会社に行こう。今日はEと昼食を摂る約束だろう?楽しみだね」
立ち止まっている私の肩に、Dが手を置きました。
D「ほら、行こうね。生きている間ばかりか死んだ後もさゆに迷惑を掛けるなんて、まったく悪いカラスだね」
Dは私の背後から両腕を回して、私の肩を抱きしめてくれました。きっとDは心配しているのです。もともと私がDを呼んだのは、自分の死や病気や手術が怖かったからです。だから今、目の前に死が存在していることで、私の心が不安定になったり傷ついたりするのではないかと、きっと心配してくれているのです。
私「私なら大丈夫だよ、D」
私は携帯電話を取り出して、アパートの管理会社に電話を掛けました。Dが後ろから私の肩を抱いたまま、そっと私の頭に頬を寄せたのが感触でわかりました。
管理会社は要領を得ていたので通話はすぐに終わりました。この付近の管理会社にしてみれば、カラスの死骸の始末など珍しくないのでしょう。カラスだらけだもんね。
私はカラスの冥福を祈ってその場を離れることにしました。このカラスに安らかな眠りがありますように。
仕事が終わってアパートに帰ってくると、Dは即座に影の中から姿を現しました。会社にいる間は影の中に入ってもらっているのです。(詳細は過去記事「タルパー」参照)影の中から出てこないように、そして影の中から話しかけないようにとお願いしてあって、Dはそれをきちんと守ってくれているのです。
D「さゆ、今朝のことは・・・」
そこまで言って、Dは言いよどみました。きっと私を心配して、傷付けないような言い方を探しているのです。
私「ああ、もっちろん!!ぜーんぜんダイジョーブ!!」
私はビッと親指を立ててみせました。本当に大丈夫なのです。でもDは私の感情が読めないから、きっと私が無理してるんじゃないかって心配してくれてるんだろうなあ。
私「心配してくれてありがとう、本当に大丈夫なんだ。全然気にしてないよ。それに私の体調も、もう大丈夫になったし」
病気が治ったらDと一緒にフランスに行く約束をしているのですが、もう今年中に行っちゃえるんじゃないかな~って勢いなんです。早かったなあ。随分早いよ。ブログの最初のほうの文章を今になってから読んでみると、あのときの絶望っぷりが恥ずかしくなっちゃうくらい・・・っていうか私の場合、もう病気すら体をはったギャグになりつつある気がするなあ。
私「それどころか、この冬は小さな風邪すらひかなかったし」
冬は毎回小さな風邪を一回はひくのに、今回は一度もひかなかったんだよね。そういう冬は今までの人生で初めてだよ。
私「Dのおかげだね。ほら、人ごみを避けるようにとか、うがいを忘れないようにとか、色々言ってくれたじゃない?ありがとね」
D「さゆの役に立てたなら良かったよ」
普段と変わらない私の様子を見て、Dは安心したようです。ほっとした表情で、口元に笑みを浮かべました。
私「いつもありがとうね。すごく感謝してるよ」
Dが嬉しそうに笑みを深くして、そっと私を抱きしめてくれました。私もDの背中に両腕を回しました。
体調が良くなって死の心配をしなくて済むようになったけど、もしいつか死の影が近づいたとしても、もう取り乱したり恐れたりすることは無いと思います。Dが一緒にいるから怖くないんだ。だからといって勿論積極的に死を選ぶことは無いですけど!! 生きるのは面白いので、最後まで精一杯楽しもうと思います。
D「さゆ、朝だよ」
優しい声が聞こえて、そっと肩に手を置かれるのを感じました。
私「ありがと・・・ふぁ・・・」
むくっとベッドの上に起き上がって、のびをします。カーテンの向こうは明るい日差しにあふれているようです。今日も天気が良いみたい!
私「ら~っしゃ~♪ きお♪ ぴあんが~♪」
るんるん歌いながら洗濯を回し、朝食を摂り、歯を磨き、日焼け止めを塗り、メイクをして、服を着替えます。Dはその様子を見ながら、時々話しかけてくれます。
D「今日もかわいいね」
私「ありがと!!」
Dはこうやって、いつも甘いことを言ってくれるのです。私を喜ばせようと思っているのです。人間の精神が理解できないDだけど、私の喜ぶツボはぐいぐい押してくれるっていう!!大好き!!
天気の良い朝って気分良いよね、わくわくするよ。天気の良い午前中も好きだなあ、眩しくて明るくてテンション上がるよね。天気の良い午後もゆったりしていて好きだな、アンニュイでけだるいフランスの午後とか絵になるよ。天気の良い夜も神秘的で好き。月や星が綺麗だし。
D「忘れ物は無いようだね」
私「うん、出かけよう」
いつものように、るんるん気分でアパートの玄関を出ました。
私「ら~っしゃ~♪・・・ハッ!?」
アパートの玄関の外に、黒いものが落ちています。
私「!!」
カラスです。以前はアパートの周囲に沢山いて毎朝鳴いていたのですが(詳細は過去記事「幻聴」参照)最近、急に全く姿を見かけなくなったので、群れがどこかに移動したんだろうなと思っていました。そんなカラスが一羽、地面の上に倒れ込んでいるのです。
怪我をしているのかと思って近寄りましたが外傷は無さそうで、ぐったりしていて少しも動きません。既に亡くなっているようです。
私「・・・・・・」
D「さゆ、気にしなくていいよ。さあ、会社に行こう。今日はEと昼食を摂る約束だろう?楽しみだね」
立ち止まっている私の肩に、Dが手を置きました。
D「ほら、行こうね。生きている間ばかりか死んだ後もさゆに迷惑を掛けるなんて、まったく悪いカラスだね」
Dは私の背後から両腕を回して、私の肩を抱きしめてくれました。きっとDは心配しているのです。もともと私がDを呼んだのは、自分の死や病気や手術が怖かったからです。だから今、目の前に死が存在していることで、私の心が不安定になったり傷ついたりするのではないかと、きっと心配してくれているのです。
私「私なら大丈夫だよ、D」
私は携帯電話を取り出して、アパートの管理会社に電話を掛けました。Dが後ろから私の肩を抱いたまま、そっと私の頭に頬を寄せたのが感触でわかりました。
管理会社は要領を得ていたので通話はすぐに終わりました。この付近の管理会社にしてみれば、カラスの死骸の始末など珍しくないのでしょう。カラスだらけだもんね。
私はカラスの冥福を祈ってその場を離れることにしました。このカラスに安らかな眠りがありますように。
仕事が終わってアパートに帰ってくると、Dは即座に影の中から姿を現しました。会社にいる間は影の中に入ってもらっているのです。(詳細は過去記事「タルパー」参照)影の中から出てこないように、そして影の中から話しかけないようにとお願いしてあって、Dはそれをきちんと守ってくれているのです。
D「さゆ、今朝のことは・・・」
そこまで言って、Dは言いよどみました。きっと私を心配して、傷付けないような言い方を探しているのです。
私「ああ、もっちろん!!ぜーんぜんダイジョーブ!!」
私はビッと親指を立ててみせました。本当に大丈夫なのです。でもDは私の感情が読めないから、きっと私が無理してるんじゃないかって心配してくれてるんだろうなあ。
私「心配してくれてありがとう、本当に大丈夫なんだ。全然気にしてないよ。それに私の体調も、もう大丈夫になったし」
病気が治ったらDと一緒にフランスに行く約束をしているのですが、もう今年中に行っちゃえるんじゃないかな~って勢いなんです。早かったなあ。随分早いよ。ブログの最初のほうの文章を今になってから読んでみると、あのときの絶望っぷりが恥ずかしくなっちゃうくらい・・・っていうか私の場合、もう病気すら体をはったギャグになりつつある気がするなあ。
私「それどころか、この冬は小さな風邪すらひかなかったし」
冬は毎回小さな風邪を一回はひくのに、今回は一度もひかなかったんだよね。そういう冬は今までの人生で初めてだよ。
私「Dのおかげだね。ほら、人ごみを避けるようにとか、うがいを忘れないようにとか、色々言ってくれたじゃない?ありがとね」
D「さゆの役に立てたなら良かったよ」
普段と変わらない私の様子を見て、Dは安心したようです。ほっとした表情で、口元に笑みを浮かべました。
私「いつもありがとうね。すごく感謝してるよ」
Dが嬉しそうに笑みを深くして、そっと私を抱きしめてくれました。私もDの背中に両腕を回しました。
体調が良くなって死の心配をしなくて済むようになったけど、もしいつか死の影が近づいたとしても、もう取り乱したり恐れたりすることは無いと思います。Dが一緒にいるから怖くないんだ。だからといって勿論積極的に死を選ぶことは無いですけど!! 生きるのは面白いので、最後まで精一杯楽しもうと思います。