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雌雄

えーっと・・・非常に丈夫な植物で、水はけの良い土なら特に土質を問いません。水のやりすぎと肥料のやりすぎに注意して、日当たりと風通しの良い場所で育てましょう・・・植え替えは気温が上がる5~9月に行うのが良いで

ぺろっ

私「ひゃ!!」

首もとに感じた、生温かく濡れたやわらかい感触に、私は声を上げました。パソコンから視線を外して横を向くと、にーっと口元に笑みを浮かべたDがこちらを見ています。

私「もう、びっくりした」

D「何を読んでいるんだい?」

椅子に座っている私の上に身をかがめて、Dが頬をすり寄せてきました。さらさらの髪がくすぐったくて気持ち良いです。

私「ソテツさんの育て方をね、ちょっと調べてたの」

D「ソテツ・・・」

小さく呟いたDが、珍しくパソコンの画面をのぞき込みました。普段Dがパソコンの画面を見ることはほとんどありません。私がパソコンを使っているときは、Dは私の髪を撫でたりキスをしたりしながら、終わるのを待っているのです。
Dは、私が書いているブログにさえ興味が無いようで、積極的に読むことがありません。Dは私の感情を読むことはできないけど知識は読むことができるから、いちいち自分でブログを読む必要が無いのかもしれないけど、このブログは記事の一つ一つがDへのラブレターのつもりです!!ぐらいの勢いで書いてるんだけどなあ。Dは全然興味無いみたい。
私が忙しいときは、ブログを書くのを止められたりもするけど、Dは毎日いろいろなことをしてくれて、私はDと暮らす毎日が楽しくて嬉しいから、なるべく沢山ブログに記録しておきたいな。

D「・・・さゆは、あのソテツを大切にしているんだね」

そう呟いたDが、むにーと頬を押し付けてきました。押された私はちょっとのけぞりました。

私「そうなんだけど、葉っぱが一枚、黄色っぽくなってきたような気がして」

もともと一枚だけ色が薄かった葉っぱが、どんどん黄色っぽくなってる気がするんだ。あのままあの葉っぱ、枯れちゃうのかなあ。

D「問題無いよ。その葉は寿命だよ。春になれば新しい葉が生えてくるよ。放っておくといいよ」

そうかなあ。水も肥料もあまりあげちゃいけない植物っていうのは難しいよね。沢山あげれば元気になる植物っていうことなら、沢山あげれば安心なんだけどなあ。春になって元気に新しい葉を出してくれれば良いんだけど・・・

ええと、新しい葉っぱの増やし方・・・そんなのは書いてないか・・・新しい株の増やし方ならあるね。株といえば、株価が・・・いや、違う・・・そうだ、そろそろ株主総会の・・・いや、違う違う・・・ええと・・・新しい株を増やすには、幹から出す不定芽を切り取って鉢植えにするか、種をまく。雌雄異株で、雄株と雌株があるため・・・

私「雌雄があるんだ。うちのソテツさん、どっちだろ?」

えっと、花がつかないと見た目では見分けがつかないのか。30cmくらいの大きさでは花はつかないらしいから、雌雄がわかるのはずっと先になりそう。

私「・・・・・・」

そういえばDって、自分のことを男だと言っているけど、生殖行為では増えないんだよね?なのに雌雄が存在する意味ってあるのかな。

D「なんだい?」

私がじっと見つめたので、Dが首をかしげました。

私「Dって、その・・・せ、生殖行為では増えないんだよね。でも男性なんだよね。どうして男と女に分かれてるの?」

そもそも、Dにとって異性と付き合うことって意味あるのかな。

D「僕達は生殖行為で増えるわけではないけれど、人間には雌雄があるからね。人間からの好意を獲得するためには、性別があったほうが都合が良いのさ」

以前のDの言葉(詳細は過去記事「果実」参照)から考えて、獲物である人間にうまくとりいるというか、やらしいこととかして、たらしこむためには性別が必要だという解釈でいいのかな。それならDの種族(種族とかあるのかな?)が雌雄に分かれていることは、ちゃんとメリットがあるわけだね。

・・・でも、それならDの『好き』って何のためにあるの?

生殖行為では増えない存在なのに、特定の個体を『好き』になるメリットなんてあるのかな。『好き』になってしまったら獲物にもできないだろうし、それって仕事にならないんじゃないの?いや、仕事なのかどうかわからないけど・・・でも、Dの『好き』という感情が、Dにとってメリットがあるとは思えないよ。デメリットだけだとしたら、どうしてそんな『好き』なんてものがあるんだろ。

D「でも僕は、そんなつもりで君の傍にいるわけでは・・・勿論君からの好意は欲しいと思っているけれど・・・」

考え込んだ私が黙っていたせいか、Dが釈明してきました。

私「大丈夫だよ。Dがどういうつもりでも、Dのこと好きだからね」

っていうか、何かDの役に立てるなら、それでいいよ。

私「青い薔薇の果実も、ちゃんと食べるから心配しないでね」

D「・・・・・・」

Dはうつむいて黙り込みました。また困らせちゃったのかな。私はDを抱きしめました。Dも、そっと私を抱きしめてくれました。

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