FC2ブログ

写真立て(2)

元彼から貰った写真立てを捨ててしまってから(詳細は過去記事「写真立て」参照)ノートルダム大聖堂のポストカード(詳細は過去記事「約束」参照)を入れておく写真立てがありませんでした。でも先日、新しい写真立てを買ったので、そのことを記事に書きます。

新しい写真立ては、Dが選んでくれました。ナタリーニのLuigi-XIVで、色は濃いほうのブラウンです。

私「見て見て、Dが選んでくれた写真立てが手に入ったの!!嬉しい・・・!!」

ネットでも買えるのですが、ナタリーニの写真立ては象嵌細工なので、木の色合いとかが一つずつ違うのです。なので注文して取り寄せてもらいました。お店の人が首尾よく注文通りの個体を手に入れてくれたので、希望通りの品を手に入れることができました。

D「良かったね」

写真立てを眺めまくる私を見て、Dは口元に笑みを浮かべました。

私「D、選んでくれてありがと!!」

私は写真立てを胸に抱えて、Dの前髪の上からおでこにキスをしました。背伸びした私を見て、私の意図を察してくれたDは、私がやりやすいように身をかがめてキスを受け取ってくれました。

D「喜んでもらえて、僕も嬉しいよ」

Dも嬉しそうです。口元がいつもより楽しそうな笑みを浮かべています。

私「嬉しいな~、この写真立て、私好みだし、それになんかDっぽい雰囲気なんだもん・・・」

写真立てを見つめているうちに、私の中で、イタリアとフランスにおける美術・芸術マニアの血が騒ぎだしてきました。

以下から始まる文章のかたまりは、読む必要の無いオタク知識です。読まずに飛ばしてくださいまし。
↓ここから読まずに飛ばし始めてくださいませ。m( _ _;)m

私「ねえねえD、この象嵌細工はフランスのフォンテーヌブロー宮殿を思わせるよね。あの宮殿の王の回廊の象嵌細工はフランソワ一世が命じてイタリア人が作ったんだよ。それまでのフランスは芸術について全く知識が無い国で、戦争と武力でイタリアに勝ったものの、勝ってイタリア国内に足を踏み入れたらイタリアの芸術・文化に目を奪われてしまったの。そこでイタリアの芸術を学ぼうと思って、イタリア人をフランスに招いて研究をしたのが国王のフランソワ1世なんだ。その研究所がフォンテーヌブロー宮殿なんだよ。王の住まいなんだけど、芸術の研究所でもあったの。当時のイタリアは芸術において最先端の国でね、かのレオナルド・ダ・ヴィンチもフランソワ1世に招かれてフォンテーヌブロー宮殿で晩年を過ごしたんだよ。レオナルドが晩年まで所有していた自作品がフランスに多く残されているのはこのためなんだ。
フランスに招かれたイタリアの芸術家達はフォンテーヌブロー宮殿を精一杯飾り付けたんだ。だからあの宮殿の装飾はかなりイタリア風なの。特に王の回廊はイタリア芸術そのものと言っていいんじゃないかな。フランス風のヴェルサイユ宮殿と比較するとわかりやすいよ。
やっぱりヨーロッパの芸術を語る上で最も重要なのはイタリアだよね。絵画も、音楽も、文化も、基礎は全てイタリアだもん。私の好きなバロック文化もルネサンス文化もイタリアからだしさ。ヨーロッパの芸術を知りたければイタリアを学べって感じだよね。イタリアから取り入れたものを格式ばらせて細かくしたのがフランスって感じで、フランスからヨーロッパ全体に広まっていって、自国風にアレンジされていったみたいな。そうそうフランス料理のマナーだってイタリア発祥だもん。でもフランスだってイタリアから学ぶうちに自国独自の芸術を作り出して、今じゃヨーロッパ1のお洒落国になってるんだよね。ゴシック建築だってフランス発祥だし。芸術への敬意と探求心がフランスの芸術をそこまで成長させたんだよ。
とにかくフォンテーヌブロー宮殿でのフランソワ1世の試みは、フランスが芸術の国となる第一歩と言うべき重要な歩みだったよね。現在のフランスでも超人気ある王様なんだよ。フランスの芸術の発展はイタリア無くしては遂げられなかったわけだけど、この写真立てから、そういうイタリアとフランスの歴史と、イタリアがフランスをイメージして作ったっていう感じがすごく伝わってきて感動するの!!名前もLuigi-XIV(ルイージ14世・・・ルイ14世のイタリア語読み)だし!!まあFrancesco-I(フランチェスコ1世・・・フランソワ1世のイタリア語読み)のほうが合ってる気もするけど!!」

↑ここまで読まずに飛ばしてくださいませ。お疲れ様でございました。m( _ _;)m

普通の人に聞かせたら『うっさい黙れ!!』と一括されることをお約束できる、どうでもいい上に役に立たないオタク知識を、私はベラベラと喋りました。

16~18世紀のイタリア・フランスの芸術なら、絵画・音楽・建築・造園において全部が大好きなので何時間でも語れます。でも普通の人にそんなもの聞かせたら迷惑なので、D以外の誰かに語ったことはありませんが・・・

D「もっと聞かせておくれ。さゆの声は心地良いし、当時のイタリアとフランスの芸術の話を聞きたいからね」

でも、Dは喜んで聞いてくれるのです。今回も嫌な顔一つせず、話の続きを促してくれました。

D「そうだね、さゆが今言ったフォンテーヌブロー宮殿のような、フランス国内においてイタリア芸術の面影が見られる場所について、詳しく聞かせておくれ」

私「いいですとも喜んで!!沢山あるよ、絵画ならルーブル美術館に多く残っていて、レオナルドの作品やフォンテーヌブロー派のものが見られるよ。それから・・・」

マニアというものは、自分の好きな分野について尋ねられると話が止まらないものです。普通の人には絶対に聞かせられません。確実に相手を退屈&ウンザリさせること請け合いだからです。

D「なるほど、フランスはイタリアから多くを学び、取り入れたんだね。じゃあ、フランス独自の芸術ってどういうものだい?」

私「もうめっちゃいっぱいあるんですよくぞたずねてくださいました!!」

普通の人が聞いたら確実につまんない話を語る語る・・・こういうときの自分を後で客観視すると、すごく恥ずかしくなるんですが、語っているときは楽しくて気づかないんだよね。

Dは私と知識を共有しているから、私が話すことなんて知っている知識ばかりだろうのに、こうして話を聞いてくれるのです。ありがとうね、D。



私(思い出したら恥ずかしくなってきた・・・)

話しを一区切りさせて、お茶を飲んで一息つくと、さっきまで顔を輝かせて夢中でマニア知識を披露していた自分が恥ずかしくなってきました。

私(きっとドヤ顔してたんだろうな・・・)

D「疲れたのかい?沢山話してくれたからね」

ベッドに腰掛けている私のお腹に両腕を回して、後ろから抱っこをするような姿勢で、Dが座っています。

私「大丈夫だよ。心配してくれてありがと」

ダマスクローズティーの甘い香りが、ふんわりと部屋に広がっていきます。Dが後ろから私の首筋に口元を寄せました。

D「さゆが、ますます甘くて良い香りになったよ。かわいいね」

私「あ、ありがと・・・!!」

Dはこういう甘いことを沢山言ってくれるのです。

D「さゆとフランスに行くのが楽しみだよ」

私「うん、私もすごく楽しみ」

D「まずは、シャルトルにあるノートルダム大聖堂だね」

ノートルダム大聖堂は、病気が治ったらDと一緒に行こうと約束している場所なのです。(詳細は過去記事「約束」参照)ノートルダム大聖堂はフランスにいくつもあるのですが、特にシャルトルにある大聖堂に行きたいのです。当時の面影を残す素晴らしいゴシック建築なのです。

D「他にも沢山見てこようね」

私「ノートルダム大聖堂全制覇とかしてみようか・・・」

そんなことするの、ゴシック建築のマニアしかいないと思う。はい、マニアです私。Dが耳元でくすくす笑いました。

D「フォンテーヌブロー宮殿にも、ルーブル美術館にも行こうね」

私「サント・シャペルも見たいな。隣にパリのノートルダムもあるからついでに見よう。となると、まずは最初のホテルをパリにとって地下鉄を有効活用しよう」

フランスは地下鉄が張り巡らされている上に、その経路も案内も仕組みも日本と違って複雑じゃないからありがたいよね。さすが観光の国って感じ。でもシャルトルは近くにホテルとらないときついかな。

D「ところで、ノートルダム大聖堂は、何故同じ名前のものがいくつもあるんだい?名前を変えたほうがわかりやすくないかい?」

私「おほぅいいしつもんですね!!それは」

途中まで言いかけて、私はハッと息をのみました。これじゃ、またマニアみたいな熱い語りを始めちゃう。

私「・・・コホン。聖母マリアに捧げる教会という意味だからだよ」

知識は共有してるんだもん、Dってば知っているのに尋ねて、私にマニア語りさせようと思ったんでしょー。もう恥ずかしいからしないのよ。・・・今日は。

ふにっとDのほっぺを押すと、Dはイタズラがばれたかのように、くすくすと笑いました。

コメント

非公開コメント

プロフィール

laceformyshroud

Author:laceformyshroud
名前:さゆ
20代の女です。
初めて作るブログなので、不備がありましたら申し訳ございません。
このブログはリンクフリーです。ご自由にリンクなさってください。
Twitterはこちらです→「Twitter」

最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR