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二日酔い

昨日、結婚式の余韻にひたって幸せ気分で眠りについた私ですが、今朝目を覚ましたら、頭痛と胃痛に苛まれていることに気づきました。

私「ほげえ・・・二日酔いだ・・・」

やっぱりあのお酒、強かったんじゃないかなあ。そんなに強いお酒を安易にすすめるとは、もしかして私すごい飲める人に見えたのかな。ぜんっぜん飲めないんだけどね。

D「さゆ」

ベッドの傍にひざまずいて私の目覚めを待っていたDは、すぐに私の不調に気が付いたようです。心配そうな顔をして、私の頬を両手で包みました。

私「心配かけてごめんね。大丈夫だよ」

私は笑ってみせましたが、Dはまだ心配そうな顔をして、黙ったまま私に頬をすり寄せました。

私(今日はおとなしくしてようっと・・・)

天気も悪くなるっていうから、洗濯もしないでゴロゴロ過ごそう。それにしても昨日は綺麗だったなあ。先輩も幸せそうだったし、私もうまく演奏できたし。

D「起き上がらないほうがいいよ。まだ横になっておいで」

Dは、起き上がろうとした私を押しとどめるように、そっと私の肩を押さえて、ベッドに寝かせようとしました。

私「ありがとう。紅茶を入れたらまたベッドに横になるよ」

温かいお茶を飲んで、胃の痛みを和らげようかなって。もともと胃が強いほうじゃなかったけど、手術してからますます胃が弱くなったみたい。もう今後は、すすめられてもお酒は飲まないようにしようかな。でも手術したからお酒ダメなんですって断ると気を使わせちゃうんだよね。気分良く飲んで楽しんでる人に気を使わせたら可哀想だなって。だから、私めっちゃ酒乱で絡み酒なんでもうホントやばいんですよ!!みたいに断ろうかな?

D「・・・僕が紅茶を入れてあげられたら良かったのにね」

Dは小さい声で呟きました。ありゃ、珍しいなあ。Dは普段、自分が物理的な体を持っていないことを良いことだと思っているのに。まあ一長一短ってとこなのかな、物理的な体を持っている私は紅茶を入れることはできるけど、体の不調に苦しまなきゃいけないわけだし。

私「じゃあ、ベッドに戻ってきたらヒーリングしてくれる?」

D「勿論だよ」

私「ありがとう。ヒーリングはDにしかしてもらえないから、こういうときDがいてくれて本当に助かるなあって思うよ」

Dは嬉しそうに口元に笑みを浮かべて、ベッドにいそいそと上がりました。私がキッチンに行ってベッドに戻ってくるまで、ベッドでスタンバイするつもりのようです。かわいいなあ。


ベッドに戻ってきた私は、薬を飲んで横になりました。Dは私の背中側に移動して、背中に手を当てました。ちょうど胃がある辺りです。じわっと温かい温度と、そっと撫でてくれる感触を感じます。

私「きもちいー・・・ありがと・・・」

優しい感触に、ふわふわと痛みが薄れていきます。

D「もうアルコールを摂取してはいけないよ」

私「うん」

体に負担がかかるし、Dに心配かけちゃうもんね。

D「君には沢山の大切なものがあり、沢山の大切な人間がいるね。君がそれらのために頑張ったり努力するのは、僕は良いことだと思っているよ。でも体のことも考えなくてはいけないよ」

私「うん。ありがとう」

D「君は人間なんだからね」

そっと背中を撫でてくれる手は、じんわり温かくて優しくて、いつものDの体温よりも高いような気がします。そういえばDは手を冷たくもできるから(詳細は過去記事「かぐや姫」参照)それなら温度を上げることもできるわけだよね。なにしろ人間じゃないからね、って、Dはいつも言うもんね。

D「このまま眠っても構わないよ」

私「ありがと」

D「子守唄でも歌うかい?」

私「パイプオルガンがいいな」

Dがくすくす笑う声が聞こえました。子守唄にパイプオルガンだなんて変わってるって思ったのかな?

私「私ね、Dの演奏するパイプオルガンの音色が好きなの」

D「それは嬉しいね。曲目のリクエストはあるかい?」

私「えっと・・・Dのおすすめで」

Dは私の幻聴を操ることで、私に音楽を聞かせることが出来るのです。(詳細は過去記事「音楽」参照)特にバロック音楽が得意です。よく一緒に聞いてるもんね。

D「いくよ」

音色が聞こえはじめました。ブクステフーデのシャコンヌのハ短調(BuxWV 159)で、音色は低音が強い聖バフォ教会のパイプオルガンみたいです。

私(綺麗だな・・・)

もし学生の頃からお金があったら、パイプオルガン奏者になりたかったんだ。それで一生を芸術への探求と奉仕に専念するの。マリー=クレール・アランみたいに暗譜して、トン・コープマンみたいに徹底的にバロック奏法にこだわった演奏をするの。同時にバロック文化について研究するの。食べていけさえすればそれ以上は儲けなくていいの、大切なのは稼ぐことじゃなくて、バロック芸術に奉仕することだから・・・

D「お休み、僕の眠り姫」

眠りに落ちていく私の耳を、優しくて甘い声がくすぐりました。

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