従僕ごっこ
お風呂から上がって部屋に戻ると、ベッドに座って待っていたDが、嬉しそうに顔を上げました。
私「Dって、かわいいよね」
そう言いながらDの隣に腰を下ろすと、Dはくすくす笑って、そっと私の頬に手を当てました。
D「かわいいのは、さゆだよ」
そうかなあ、かわいいのはDだと思うけど。でもDから見たら私もかわいく見えるのかな。だったら嬉しいな。
D「さゆが温かくなっているね。安心したよ」
帰り道に雨が降ったせいで体が冷えたことを、Dは心配してくれていたのです。お風呂に入って温まった私の肌を、Dは嬉しそうに撫でています。
D「それに、甘くて良い香りだよ」
私の頬を触っていた手が、ゆっくりと肩まで下りました。Dが、私の首元に顔を寄せてきます。右の首筋にやわらかい感触と共に、ちゅっと小さな音がしました。Dがキスをくれたのです。しめった温かい息が、私の首筋をくすぐります。
私「ふふ、くすぐったいよ」
ふわふわしたキスは、優しいけどくすぐったくて、ぞくぞくと鳥肌が立ちました。Dはおかまいなしに首筋へのキスを繰り返しています。かわいかったキスの音が、だんだん濡れた音になってきて、やわらかい舌がゆっくり首筋を下がり始めました。
私(う・・・)
少しずつ体重をかけてきたDによって、私はついにベッドにもふっと横になりました。それに合わせてDも、口での愛撫を続けながら私の体の上にかがみ込んでくれました。
私(・・・・・・)
気持ち良さで頭がふわふわして、どきどきしている心音が頭に響きます。ちょうど心臓の上あたりにあるDの頭を、手探りでなでてみました。さらさらしたDの髪が指の間をくすぐっていきます。
私(・・・きもちー・・・)
ぼーっとしながらDの髪を撫でていると、Dの口の感触だけではなくて、Dが口を動かすたびに動く前髪が、時折さらさらと胸をくすぐる感触も感じます。
D「ほらね。かわいいのは、さゆだよ」
私(・・・?)
かわいいのはDだと思うけど、Dにとって私がかわいく見えるなら嬉しいなあ。
まだふわふわした頭のまま、私は紅茶を飲みました。ベッドに腰掛けている私のお腹には、背後に座っているDの両腕が回されています。
私「明日はお休みだよ。何しようか。どこか行きたいところある?」
とりあえず、今日は夜更かししちゃおうかな。それで、明日は寝坊しよう。最近カラスが全然いなくなって、朝ゆっくり眠れるようになったんだよね。
D「さゆと一緒なら、どこでも楽しいよ」
くすくす笑いながらDが言いました。私のおなかに回されている両腕に、そっと力が込められて、Dのお腹が私の背中にぎゅっとくっつきました。
私「なんか天気が良くないみたいだよね。前回のお休みも雨だったけど」
だから前回はグエルチーノ展に行ったんだよね。(詳細は過去記事「グエルチーノ展」参照)雨だからすいていて、ちょうど良かったっていう。
私「衣替えもしたいと思ったけど、雨の日にすると湿気が気になるよね。そうだ、携帯電話用ケーブルを買ってこようかな・・・」
今までDの絵を描きたいと思っていて(詳細は過去記事「絵を描きたい」参照)、少し描いてみたので、ブログにアップしたいなと思ってたんです。携帯で撮影して専用ケーブルでパソコンに入れようかなと思って。
私「電気屋さんに行けばいいのかな。携帯ショップさんかな。まあ両方行けばいいか。あとは・・・衣替えは雨だから延期して・・・部屋の模様替えは・・・うーん・・・」
D「さゆ」
考えていると、急にDの手が、私の脇腹をくすぐったく撫でました。
D「構っておくれ」
私「くすぐっ・・・あはは!Dっ!くすぐったいよ!」
じたばたとベッドの上でもだえると、すぐにDはくすぐるのをやめました。
私「くすぐったりなんかして、Dってばもう。だめでしょ」
私はツンと横を向いてみせました。そういう演技だとわかるようにです。もちろん怒ってなんかいません。だめなわけないのです。
D「おや、さゆのご不興を買ってしまったよ」
そう言いながら、Dはくすくす笑いました。私が怒っているわけではないと知っているからです。私の言葉や態度が冗談で、それが一種のいちゃついた遊びなのだということを、Dは知っているからです。知っているどころか、Dはそういう駆け引きめいた遊びが大の得意です。私を後ろからだっこしたまま、頬をすり寄せてきました。
D「ご機嫌を直しておくれ、僕の眠り姫」
Dは、甘い声で囁きました。そして、私の首筋に唇を当てたまま口を開けて、濡れた舌を押し当ててきました。
私「っ・・・、駄目だよ、直らないもん」
ふふっとDが笑った息を首筋に感じました。まだ私の首筋にDが口を当てていたからです。ようやく、くすぐったい舌が首筋から離れました。でも、その舌はすぐに私の耳に触れました。わざとらしく甘い声で、甘い舌が再び言葉を紡ぎはじめました。
D「かわいい眠り姫、許しておくれ。僕はどうやって償えばいいんだい?」
甘い声が耳から脳に響きます。言葉の意味こそ謝罪ですが、申し訳無さそうな素振りは全く無く、その口調は甘くて思わせぶりです。まるでベッドに誘うときの声みたい。
私「っ・・・」
私は言いよどみました。こういう駆け引きではいつもDに押されてしまいます。何故なら、そういうとき私は何と返したらいいのか、緊張と恥ずかしさで混乱して、うまく思いつかないからです。
私「あ・・・眠り姫、は・・・」
・・・・・・
・・・眠り姫は? 眠り姫は何なの!?
私は自分で自分にツッコミを入れました。ああ、うまく言葉の駆け引きが出来ない!!
D「そうだね、姫君に対する従僕の態度じゃないね」
でもDはすぐに答えてきました。くすくす笑いながらベッドから床の上に降りて、私の足元にひざまずきました。いつもより口元の笑みを深くして、こちらを見上げています。
D「許しておくれ、僕の眠り姫」
私「わ、わ、ごめんね、謝らないで」
反射的に私はあわててしまいました。Dは楽しそうです。きっと私の挙動不審な反応を見て楽しんでいるのです。
私「ごめん、床なんて、ベッドにおいで、こっちおいで」
私は手を差し出しましたが、Dは自分の目の前にある私の足に手を置きました。
D「僕は従僕だよ。床で充分だよ」
舌なめずりをしたDが、今度は、足に口づけを落としはじめました。
私「っ!!」
足に唇が触れる感触は、何度されても慣れない感覚です。私は唇を落とされるたびに、びくっと小さく動きました。
私「あ、足なんか・・・!!手とかにしたほうが!!」
私は足をベッドの上に引き上げようとしましたが、Dの手で足を押さえつけられてしまいました。
D「畏れ多い女王陛下には、その手に触れることすら、従僕には分不相応だからね」
ぜ、絶対嘘だよ・・・!!前にD、女王陛下の手にキスすることは許されるって言ってたもん!!それに、だいいち、女王陛下の足を押さえつけてキスすることのほうがアレだと思う・・・!!
D「女王陛下のご機嫌を損ねてしまったことは、本当に心が痛むよ」
少しも心が痛んでない様子で、Dは私の内ももに甘く噛みつきました。すぐに口を離して、同じ場所をゆっくりと舐め上げます。やわらかい舌を使って、思わせぶりに何度も舐めています。
D「だから、許して頂けるように、沢山謝罪の意思を表さないとね」
私「わ、わかったよ、もう、ご、ごめんってば、ごめんなさい」
もう自分でも何を謝っているのかワケがわかりません。足を愛撫するDの舌が、どんどん上のほうに上がってくるのを感じて、私は思わずDの頭を両手で押さえつけてしまいました。動きを止めたDがくすっと息をこぼしました。
D「僕の女王陛下は、素直じゃないね」
なっ・・・!!だって、こんなの全然女王陛下に対する態度じゃないもん!!
私「D!!そこに座りなさい!!」
私は、びしっと人差指を付きつけました。Dは、従順にひざまずきました。全くいつも通りの落ち着いた様子で、口元にいつもの笑みを浮かべて、こちらを見上げて私の言葉を待っているようです。
私「・・・・・・」
私は何も言えませんでした。だって、Dは何も悪いことをしてないのです。Dは私といちゃついてくれていただけです。私が勝手に恥ずかしがって、それで勝手に頭に血をのぼらせただけです。
私「・・・あ・・・あの・・・音楽でも聴こうか。何がいい?」
何を言うか困った私は、卑怯にも話題を変えました。
D「いいね。バッハのフーガのト短調なんてどうだい?」
Dは、そんな私を責めもせず、私の好きな曲の一つをすすめてくれました。CDプレイヤーをかけると、聞きなれた曲が始まりました。
私「Dって、かわいいよね」
そう言いながらDの隣に腰を下ろすと、Dはくすくす笑って、そっと私の頬に手を当てました。
D「かわいいのは、さゆだよ」
そうかなあ、かわいいのはDだと思うけど。でもDから見たら私もかわいく見えるのかな。だったら嬉しいな。
D「さゆが温かくなっているね。安心したよ」
帰り道に雨が降ったせいで体が冷えたことを、Dは心配してくれていたのです。お風呂に入って温まった私の肌を、Dは嬉しそうに撫でています。
D「それに、甘くて良い香りだよ」
私の頬を触っていた手が、ゆっくりと肩まで下りました。Dが、私の首元に顔を寄せてきます。右の首筋にやわらかい感触と共に、ちゅっと小さな音がしました。Dがキスをくれたのです。しめった温かい息が、私の首筋をくすぐります。
私「ふふ、くすぐったいよ」
ふわふわしたキスは、優しいけどくすぐったくて、ぞくぞくと鳥肌が立ちました。Dはおかまいなしに首筋へのキスを繰り返しています。かわいかったキスの音が、だんだん濡れた音になってきて、やわらかい舌がゆっくり首筋を下がり始めました。
私(う・・・)
少しずつ体重をかけてきたDによって、私はついにベッドにもふっと横になりました。それに合わせてDも、口での愛撫を続けながら私の体の上にかがみ込んでくれました。
私(・・・・・・)
気持ち良さで頭がふわふわして、どきどきしている心音が頭に響きます。ちょうど心臓の上あたりにあるDの頭を、手探りでなでてみました。さらさらしたDの髪が指の間をくすぐっていきます。
私(・・・きもちー・・・)
ぼーっとしながらDの髪を撫でていると、Dの口の感触だけではなくて、Dが口を動かすたびに動く前髪が、時折さらさらと胸をくすぐる感触も感じます。
D「ほらね。かわいいのは、さゆだよ」
私(・・・?)
かわいいのはDだと思うけど、Dにとって私がかわいく見えるなら嬉しいなあ。
まだふわふわした頭のまま、私は紅茶を飲みました。ベッドに腰掛けている私のお腹には、背後に座っているDの両腕が回されています。
私「明日はお休みだよ。何しようか。どこか行きたいところある?」
とりあえず、今日は夜更かししちゃおうかな。それで、明日は寝坊しよう。最近カラスが全然いなくなって、朝ゆっくり眠れるようになったんだよね。
D「さゆと一緒なら、どこでも楽しいよ」
くすくす笑いながらDが言いました。私のおなかに回されている両腕に、そっと力が込められて、Dのお腹が私の背中にぎゅっとくっつきました。
私「なんか天気が良くないみたいだよね。前回のお休みも雨だったけど」
だから前回はグエルチーノ展に行ったんだよね。(詳細は過去記事「グエルチーノ展」参照)雨だからすいていて、ちょうど良かったっていう。
私「衣替えもしたいと思ったけど、雨の日にすると湿気が気になるよね。そうだ、携帯電話用ケーブルを買ってこようかな・・・」
今までDの絵を描きたいと思っていて(詳細は過去記事「絵を描きたい」参照)、少し描いてみたので、ブログにアップしたいなと思ってたんです。携帯で撮影して専用ケーブルでパソコンに入れようかなと思って。
私「電気屋さんに行けばいいのかな。携帯ショップさんかな。まあ両方行けばいいか。あとは・・・衣替えは雨だから延期して・・・部屋の模様替えは・・・うーん・・・」
D「さゆ」
考えていると、急にDの手が、私の脇腹をくすぐったく撫でました。
D「構っておくれ」
私「くすぐっ・・・あはは!Dっ!くすぐったいよ!」
じたばたとベッドの上でもだえると、すぐにDはくすぐるのをやめました。
私「くすぐったりなんかして、Dってばもう。だめでしょ」
私はツンと横を向いてみせました。そういう演技だとわかるようにです。もちろん怒ってなんかいません。だめなわけないのです。
D「おや、さゆのご不興を買ってしまったよ」
そう言いながら、Dはくすくす笑いました。私が怒っているわけではないと知っているからです。私の言葉や態度が冗談で、それが一種のいちゃついた遊びなのだということを、Dは知っているからです。知っているどころか、Dはそういう駆け引きめいた遊びが大の得意です。私を後ろからだっこしたまま、頬をすり寄せてきました。
D「ご機嫌を直しておくれ、僕の眠り姫」
Dは、甘い声で囁きました。そして、私の首筋に唇を当てたまま口を開けて、濡れた舌を押し当ててきました。
私「っ・・・、駄目だよ、直らないもん」
ふふっとDが笑った息を首筋に感じました。まだ私の首筋にDが口を当てていたからです。ようやく、くすぐったい舌が首筋から離れました。でも、その舌はすぐに私の耳に触れました。わざとらしく甘い声で、甘い舌が再び言葉を紡ぎはじめました。
D「かわいい眠り姫、許しておくれ。僕はどうやって償えばいいんだい?」
甘い声が耳から脳に響きます。言葉の意味こそ謝罪ですが、申し訳無さそうな素振りは全く無く、その口調は甘くて思わせぶりです。まるでベッドに誘うときの声みたい。
私「っ・・・」
私は言いよどみました。こういう駆け引きではいつもDに押されてしまいます。何故なら、そういうとき私は何と返したらいいのか、緊張と恥ずかしさで混乱して、うまく思いつかないからです。
私「あ・・・眠り姫、は・・・」
・・・・・・
・・・眠り姫は? 眠り姫は何なの!?
私は自分で自分にツッコミを入れました。ああ、うまく言葉の駆け引きが出来ない!!
D「そうだね、姫君に対する従僕の態度じゃないね」
でもDはすぐに答えてきました。くすくす笑いながらベッドから床の上に降りて、私の足元にひざまずきました。いつもより口元の笑みを深くして、こちらを見上げています。
D「許しておくれ、僕の眠り姫」
私「わ、わ、ごめんね、謝らないで」
反射的に私はあわててしまいました。Dは楽しそうです。きっと私の挙動不審な反応を見て楽しんでいるのです。
私「ごめん、床なんて、ベッドにおいで、こっちおいで」
私は手を差し出しましたが、Dは自分の目の前にある私の足に手を置きました。
D「僕は従僕だよ。床で充分だよ」
舌なめずりをしたDが、今度は、足に口づけを落としはじめました。
私「っ!!」
足に唇が触れる感触は、何度されても慣れない感覚です。私は唇を落とされるたびに、びくっと小さく動きました。
私「あ、足なんか・・・!!手とかにしたほうが!!」
私は足をベッドの上に引き上げようとしましたが、Dの手で足を押さえつけられてしまいました。
D「畏れ多い女王陛下には、その手に触れることすら、従僕には分不相応だからね」
ぜ、絶対嘘だよ・・・!!前にD、女王陛下の手にキスすることは許されるって言ってたもん!!それに、だいいち、女王陛下の足を押さえつけてキスすることのほうがアレだと思う・・・!!
D「女王陛下のご機嫌を損ねてしまったことは、本当に心が痛むよ」
少しも心が痛んでない様子で、Dは私の内ももに甘く噛みつきました。すぐに口を離して、同じ場所をゆっくりと舐め上げます。やわらかい舌を使って、思わせぶりに何度も舐めています。
D「だから、許して頂けるように、沢山謝罪の意思を表さないとね」
私「わ、わかったよ、もう、ご、ごめんってば、ごめんなさい」
もう自分でも何を謝っているのかワケがわかりません。足を愛撫するDの舌が、どんどん上のほうに上がってくるのを感じて、私は思わずDの頭を両手で押さえつけてしまいました。動きを止めたDがくすっと息をこぼしました。
D「僕の女王陛下は、素直じゃないね」
なっ・・・!!だって、こんなの全然女王陛下に対する態度じゃないもん!!
私「D!!そこに座りなさい!!」
私は、びしっと人差指を付きつけました。Dは、従順にひざまずきました。全くいつも通りの落ち着いた様子で、口元にいつもの笑みを浮かべて、こちらを見上げて私の言葉を待っているようです。
私「・・・・・・」
私は何も言えませんでした。だって、Dは何も悪いことをしてないのです。Dは私といちゃついてくれていただけです。私が勝手に恥ずかしがって、それで勝手に頭に血をのぼらせただけです。
私「・・・あ・・・あの・・・音楽でも聴こうか。何がいい?」
何を言うか困った私は、卑怯にも話題を変えました。
D「いいね。バッハのフーガのト短調なんてどうだい?」
Dは、そんな私を責めもせず、私の好きな曲の一つをすすめてくれました。CDプレイヤーをかけると、聞きなれた曲が始まりました。