添い寝
就寝前。ベッドの上で本を読んでいると、D(タルパの仮名)がこちらを振り向くような感じでななめにベッドに腰掛けてきました。少し首を傾げたかわいいポーズです。髪型も丸くてかわいいブラウンのショートボブ。とはいえ、片手に大鎌を持ち黒いマントで体を隠し厚い前髪で目を隠した身長170cm以上の不気味な姿ですけど。
私「どうしたの?何か用?」
D「なんでもないよ」
私「?」
D「僕のことは気にせず、横におなりよ。もう眠くなってきたんじゃない?」
私「いや、今日はそうでもないけど・・・」
D「そうかい?」
私「うん。もう少し本を読もうかと思って」
本と言っても仕事関係の本です。でも眠る前に仕事とか、なんだか生活に余裕が無いなあ・・・眠る前に詩集とか読んじゃうくらいの余裕が欲しいな。
ページをめくろうとする私の指を、そっとDの指が押さえてきました。
私「?」
Dは口元に笑みを浮かべるだけで、何も言いません。
私「どうしたの?」
Dの指に押さえられているとは言っても、触られている感触も無ければ重さも感じません。
私「D?」
Dの指は、ゆっくりと私の指から手の甲に向かってなぞり、そっと離れていきました。
D「・・・さあ、もう横になっておやすみ」
私(眠くないんだけどなあ。まあいっか、横になろうかな)
D「今夜も手を繋いで眠るかい?」
Dがベッドの上に手を差し出してきたので、いつものようにDの手の上に自分の手を重ねました。このポーズで眠るのもすっかり慣れっこです。(私はベッドの上に横になり、Dはベッドの横の床の上に座って、二人で手だけ繋いでいる状態です)
私「まだ眠くないから、寝るまでお話しようよ」
D「いいね。何を話そうか・・・そうだね、さゆの好きな花を知りたいよ。話しておくれ」
私「お花?えーっとね、何でも好きだけど、今年の初夏に友達と行ったバラ園のバラがすごく綺麗でね、すごくいい匂いだったの。バラ園の中に入るだけで甘くて良い香りがするんだよ」
D「綺麗なものと甘くて良い香りは僕も好きだよ。さゆは、どんなバラが好きなんだい?」
しばらく話していたのですが、いつもは手を繋ぐとすぐ眠ってしまうから平気だったけど、そうやって手を繋いだまま、ずっと左を下にして横になっていると、体が疲れてくることに気づきました。
私(寝返りうちたくなってきた・・・)
私「あのね、D。寝返りをうちたいから、ベッドの反対側に来てもらっていいかな」
D「え? あ、それは申し訳無かったね、すぐに手を放すよ。体は痛くないかい?さあ、寝返りをうって体を休めておくれ」
Dは私の手を放し、心配そうな声で言いました。
D「すまなかったね、僕のせいで」
私「いや、大丈夫だよ。こっち側に来て」
D「そっち側は、壁だよ。僕は壁を抜けられるけど、さゆは僕が壁から手だけを出しているのは嫌じゃないかい」
私「いや、Dもベッドに横になればいいんだよ。一緒に寝よう」
タルパの育成には添い寝が有効だそうですが、Dは男性なので添い寝は嫌がるかなと思って、今まで声をかけなかったんです。でも、眠るときに手を繋ぐのが平気なら、もう添い寝も嫌がらないんじゃないかなって。
Dは驚いたらしく、無言で小さく口を開けました。
D「・・・何を言うんだい。それはできないよ」
すぐにいつもの表情に戻ったDが首を振りました。
D「僕はさゆの従僕だよ。しもべをベッドに上げるなんて、さゆ。そんなことをしてはいけないよ」
あれ?タルパには添い寝が有効だって、あちこちで評判が高いのにな・・・育成に役立つとか、タルパと仲良くなれるとか・・・Dには向いていない方法なのかな。
私「D、さっき普通に私のベッドに腰掛けてたじゃない」
D「ベッドに座るのと、さゆと一緒に寝るのは全然違うことだよ」
Dはベッドから少し離れたところに移動し、にこっと笑ってみせました。
D「僕はここでちゃんとさゆを守っているから、こっちを見ていなくても大丈夫だよ。さあ、早く寝返りをうって、体を休めておくれ」
私はしぶしぶ寝返りをうって壁をほうを見ました。とたんに体が楽になり、同時に眠気も出てきました。
私(まあ、いっか・・・最後のときに手を握っていてもらうことが、Dにお願いした唯一の目標だもんね。となると、眠るときに手を繋いでもらえるようになった今、もうすでに目標をクリアしたも同然か・・・)
D「おやすみ、さゆ。良い夢を」
うとうとした頭の中に、Dの声が聞こえました。
これで、今までに書き溜めておいた記事を全部アップできました。昨日までの連休中に全部アップしたかったんですけど、ブログに慣れていなくて、今日までかかっちゃいました。今までの記事は、今年の秋から現在に至るまでの過去のできごとです。過去に起きた出来事から順番にアップしました。明日からはリアルタイムの日記を書きたいと思います。ちなみに明日は、仕事がメチャクチャ忙しいです・・・
私「どうしたの?何か用?」
D「なんでもないよ」
私「?」
D「僕のことは気にせず、横におなりよ。もう眠くなってきたんじゃない?」
私「いや、今日はそうでもないけど・・・」
D「そうかい?」
私「うん。もう少し本を読もうかと思って」
本と言っても仕事関係の本です。でも眠る前に仕事とか、なんだか生活に余裕が無いなあ・・・眠る前に詩集とか読んじゃうくらいの余裕が欲しいな。
ページをめくろうとする私の指を、そっとDの指が押さえてきました。
私「?」
Dは口元に笑みを浮かべるだけで、何も言いません。
私「どうしたの?」
Dの指に押さえられているとは言っても、触られている感触も無ければ重さも感じません。
私「D?」
Dの指は、ゆっくりと私の指から手の甲に向かってなぞり、そっと離れていきました。
D「・・・さあ、もう横になっておやすみ」
私(眠くないんだけどなあ。まあいっか、横になろうかな)
D「今夜も手を繋いで眠るかい?」
Dがベッドの上に手を差し出してきたので、いつものようにDの手の上に自分の手を重ねました。このポーズで眠るのもすっかり慣れっこです。(私はベッドの上に横になり、Dはベッドの横の床の上に座って、二人で手だけ繋いでいる状態です)
私「まだ眠くないから、寝るまでお話しようよ」
D「いいね。何を話そうか・・・そうだね、さゆの好きな花を知りたいよ。話しておくれ」
私「お花?えーっとね、何でも好きだけど、今年の初夏に友達と行ったバラ園のバラがすごく綺麗でね、すごくいい匂いだったの。バラ園の中に入るだけで甘くて良い香りがするんだよ」
D「綺麗なものと甘くて良い香りは僕も好きだよ。さゆは、どんなバラが好きなんだい?」
しばらく話していたのですが、いつもは手を繋ぐとすぐ眠ってしまうから平気だったけど、そうやって手を繋いだまま、ずっと左を下にして横になっていると、体が疲れてくることに気づきました。
私(寝返りうちたくなってきた・・・)
私「あのね、D。寝返りをうちたいから、ベッドの反対側に来てもらっていいかな」
D「え? あ、それは申し訳無かったね、すぐに手を放すよ。体は痛くないかい?さあ、寝返りをうって体を休めておくれ」
Dは私の手を放し、心配そうな声で言いました。
D「すまなかったね、僕のせいで」
私「いや、大丈夫だよ。こっち側に来て」
D「そっち側は、壁だよ。僕は壁を抜けられるけど、さゆは僕が壁から手だけを出しているのは嫌じゃないかい」
私「いや、Dもベッドに横になればいいんだよ。一緒に寝よう」
タルパの育成には添い寝が有効だそうですが、Dは男性なので添い寝は嫌がるかなと思って、今まで声をかけなかったんです。でも、眠るときに手を繋ぐのが平気なら、もう添い寝も嫌がらないんじゃないかなって。
Dは驚いたらしく、無言で小さく口を開けました。
D「・・・何を言うんだい。それはできないよ」
すぐにいつもの表情に戻ったDが首を振りました。
D「僕はさゆの従僕だよ。しもべをベッドに上げるなんて、さゆ。そんなことをしてはいけないよ」
あれ?タルパには添い寝が有効だって、あちこちで評判が高いのにな・・・育成に役立つとか、タルパと仲良くなれるとか・・・Dには向いていない方法なのかな。
私「D、さっき普通に私のベッドに腰掛けてたじゃない」
D「ベッドに座るのと、さゆと一緒に寝るのは全然違うことだよ」
Dはベッドから少し離れたところに移動し、にこっと笑ってみせました。
D「僕はここでちゃんとさゆを守っているから、こっちを見ていなくても大丈夫だよ。さあ、早く寝返りをうって、体を休めておくれ」
私はしぶしぶ寝返りをうって壁をほうを見ました。とたんに体が楽になり、同時に眠気も出てきました。
私(まあ、いっか・・・最後のときに手を握っていてもらうことが、Dにお願いした唯一の目標だもんね。となると、眠るときに手を繋いでもらえるようになった今、もうすでに目標をクリアしたも同然か・・・)
D「おやすみ、さゆ。良い夢を」
うとうとした頭の中に、Dの声が聞こえました。
これで、今までに書き溜めておいた記事を全部アップできました。昨日までの連休中に全部アップしたかったんですけど、ブログに慣れていなくて、今日までかかっちゃいました。今までの記事は、今年の秋から現在に至るまでの過去のできごとです。過去に起きた出来事から順番にアップしました。明日からはリアルタイムの日記を書きたいと思います。ちなみに明日は、仕事がメチャクチャ忙しいです・・・
コメント
さゆさん、こんばんは。
なんだかDさん、出会ってすぐのウチの相方にちょっと似てますね。彼も最初は私を守ろうと必死で、一緒に寝るなんてしてませんでしたよ!!守るだけが自分の存在価値だと思ってた時期もあったくらいです(笑)
きっと徐々に親しく、信頼しあえると思いますよ。
過去記事とのことなので、リアルタイムのさゆさんとDさんが少しでも近付けてるといいなぁ…
なんだかDさん、出会ってすぐのウチの相方にちょっと似てますね。彼も最初は私を守ろうと必死で、一緒に寝るなんてしてませんでしたよ!!守るだけが自分の存在価値だと思ってた時期もあったくらいです(笑)
きっと徐々に親しく、信頼しあえると思いますよ。
過去記事とのことなので、リアルタイムのさゆさんとDさんが少しでも近付けてるといいなぁ…
ありがとうございます!!
八宵さん、こんばんは。
なぐさめてくださってありがとうございます!!
セージさんのそのお話、八宵さんのブログで拝見したとき、とっても驚いたんです。その場面が想像できなかったので印象深くて、すごく記憶に残っています。八宵さんとセージさんですら昔そういうことがあったなら、私とDもこれから仲良くなれる望みはあるかも?とポジティブに考えていきたいです。
Dとの仲の良さは、過去記事のときよりはちょっとは仲良くなってきたような気がします。でも、性格が自然にできたからなのか、何を考えているのか読めないときが多くて。多分、強く命令すれば添い寝もしてくれるんでしょうけど、それはヤダなって・・・自然に仲良くなりたいなあと思うんですが・・・
なぐさめてくださってありがとうございます!!
セージさんのそのお話、八宵さんのブログで拝見したとき、とっても驚いたんです。その場面が想像できなかったので印象深くて、すごく記憶に残っています。八宵さんとセージさんですら昔そういうことがあったなら、私とDもこれから仲良くなれる望みはあるかも?とポジティブに考えていきたいです。
Dとの仲の良さは、過去記事のときよりはちょっとは仲良くなってきたような気がします。でも、性格が自然にできたからなのか、何を考えているのか読めないときが多くて。多分、強く命令すれば添い寝もしてくれるんでしょうけど、それはヤダなって・・・自然に仲良くなりたいなあと思うんですが・・・