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五感

昨日の話です。

仕事帰り、寒いな~と思いながら歩いていたら、サンタクロースの恰好をした人が白い袋から何かを出しつつ、通りがかる人々に配っているのが見えました。何かのイベントかな?何もらえるんだろ?と思って、ちょっと遠回りになるけどサンタクロースの前を横切って、手渡されるものを受け取ってみたら、消費者金融のポケットティッシュでした。
まあ、そんなもんですよね。

街中は、すっかりクリスマスムードですね。特に駅前なんかはイルミネーションで飾られていて綺麗です。デパートの飾りつけもすっかりクリスマス一色で、どこにいてもウキウキした雰囲気が漂っています。聞こえてくるのは、そこかしこで流されているクリスマスソングと、「皆様の清き一票を!○田×郎、○田×郎をお願いします!」という選挙カーの宣伝文句・・・ちょうど今、選挙ムードでもあるんですよね。右耳に選挙カーのウグイス嬢、左耳にクリスマスソングで、サンドウィッチ~、みたいな?

家に帰ってきて、はあ~寒かった~もう暖房つけちゃえ!って暖房を付けました。いつもはお風呂をあがってからつけるんですけど、もう寒くなってきたからいいやって。

私「そういえばDって、寒さはわかるんだよね?」

一昨日(日付ギリギリまわってたから昨日だけど)の夜、コンビニからの帰り道で、Dが『ここは冷えるから、さゆの体によくないよ』って言ってたことを思い出したんです。(詳細は過去記事「怪談」参照)

D「わかるよ」

Dはうなずきました。私は首をかしげました。

私「でもさ、寒さがわかるわりには、Dが寒そうにしているところを見たことないよ」

私が寒くて震えるような温度でも、Dは全く平気そうにしているからなあ。私のほうはコートを着てマフラーも巻いているのに、Dはいつも通りの恰好で平然としているんだもん。

D「僕の体は、温度による影響は何も受けないからね」

私「そうなんだ」

世間を見渡してみるかぎり、暑がったり寒がったりするタルパさんのほうが多いような気がするけど、Dは色々かわってるからなあ。脳内会話もできないし。すごくかわってるよね。
・・・あ、そうだ。

私「あのさ、もしかしてDって、最初から私にさわったときの感覚とか、温度とか、匂いとかわかってた?」

私は、少し前から疑問に思っていたことを尋ねてみました。私のほうは、Dに触ったときの感触とか、体温とか、匂いとかをトレーニングしないと感じられないのですが、Dのほうは最初から感じていたような節があるんです。(詳細は過去記事「休日」参照)

D「そうだよ。さゆに触った感触も、温度も、匂いも、最初からわかっていたよ」

私「やっぱりそうなんだ。トレーニングしなくてもわかるっていいなあ」

D「訓練をしてから初めてわかった感覚もあったけどね」

私「へえ、どういう感覚?」

D「口では説明しにくいね。もともと僕が感じられる五感の感覚は、さゆの感じる感覚とは別のものだからね。なにしろ、僕と君とは、体のつくりも精神のつくりも違うからね。しかし・・・」

Dは少し首をかしげて考え始めました。

D「僕が生来持ち合わせていた五感とは別に、君に関わっていく中で培われている感覚もあるのさ。おそらく、人間に近い感覚が僕の中で育っているんだよ。まだよくわからないけどね」

私「そうなんだ・・・」

その人間に近い感覚っていうのがこのまま育っていけば、Dはもっと人間らしくなったりするのかなあ。そうしたら、Dがもってないっていう、自分の好きなものとかやりたいこととかが生まれるのかな?あ、でも、今育ってるって言ったのは人間の五感の感覚だから、それはまた別の話かな。
もともと持っていた五感の感覚と、人間に近い感覚って、どう違うのかな。

私「ねえ、もともと持っていた感覚って、どういう感覚なの?匂いは前に、甘くて良い香りがするって言ってたけど、触った感触とかはどうなの?」

D「それも口では説明しづらいね。さゆにとっては、感じた経験の無い感覚だろうからね」

Dは少し黙って考えてから、ゆっくり話し始めました。

D「僕の生来の五感でさゆに触った感触を表現するなら・・・そうだね、とても気持ちいいものだよ。さゆに触ることは、僕の感じられる感覚において、最も強い快感を得られることだね。ずっと触っていたいよ」

え・・・それ・・・わざと?
なんか最近さあ・・・そういう言葉とかさあ・・・私の頬に手を当ててみたりとかさあ・・・腕に口づけてみたりとかさあ・・・
なんかD、最近そういう思わせぶりな態度多くない?
これ、Dは冗談言ってるだけ?からかってるだけ?・・・それとも、まさか?これ期待していいのかな。

私「ねえ、D。前から思ってたんだけど、そういう言葉・・・私に、何か意識させようとしてる?今のも、わざと思わせぶりなこと言ったの?」

私がDをマネして思わせぶりな言い方で尋ねると、Dは平然とした表情のまま首をかしげました。

D「何がだい?」

私「あ、いや、ううん。ゴメン・・・」

わざとじゃないか。そりゃそうだ。
あ~~~もう、私ってば変な方向に考えすぎでしょ!!そういう方向に邪推しすぎなんだよ~~~ああ~~~恥ずかしい!!

D「そうだよ。さゆが喜ぶからね」

くすくす笑いながらDが言いました。

私「って、やっぱりわざとだったの!?」

最近そういうの多いねD!!

D「まあ、僕の生来の五感の感覚をさゆに説明してもわからないと思うよ。君の持っている感覚とは別のものだからね」

いつもの真面目な(?)表情にもどったDがそう言って、いつもの笑みを口元に浮かべました。

私「それもそっか。Dはタルパだもんね」

私が納得してうなずくと、Dは口元をゆっくり上げて無言で笑いました。

D「さあね。でも、人間じゃないからね」



加湿器のスイッチを強にしてから、私はバスタオルを持って浴室に向かいました。

私「すぐ出てくるからね」

D「ゆっくり入っておいで」

私がお風呂に入っている間、Dは脱衣所の外で待っていてくれるのです。

D「やっぱり早く出ておいで」

そうDが言い直したので、私は脱衣所のドアごしにDに問いかけてみました。

私「どうしたの?」

D「僕がさゆに触りたいからだよ。早く出てもらえれば、それだけ沢山触れるからね」

私「またそういう・・・」

D「本当のことだよ。さっき言った通りだよ。僕にとって、さゆに触るということは、何物にも代えがたい強い快感なのさ。本能だから仕方無いよ。さゆにはわからないだろうけどね」

私(これは・・・また冗談なのか・・・私へのリップサービスで言っているのか・・・)

私(うん・・・でもまあ・・・せっかくだから喜んでおこうっと!!)

でもなんと返事をすればいいのか困った私は、しばし寒い脱衣所の中にたたずんだまま考え続け、くしゃみが出てあわてて浴室に入ったのでした。

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