天秤
昨日のことです。
休日だったので、午前中にお花とシャンプーとコンディショナーとバスマジック○ンを買いに行き、友達へのクリスマスプレゼントを見て歩いて、お昼過ぎに帰ってきて遅めの昼食を摂りました。その食器を片付けた後で、なんとなく体がだるくなりました。
私(なんか、頭がボーッとするな・・・)
疲れているのか、なんか頭がボーッとする気がして、私はおでこに手を当てました。熱は無さそうだけど、一応計ろうかな。
D「さゆ、どうしたんだい?」
私の様子を見たDが、心配そうに言いました。
私「なんか頭がボーッとするというか、だるいというか。風邪かもしれないなあ。明日も休みで良かった・・・D、私少し横になるね」
私は体温計をタンスから出して脇にはさみ、ベッドに横になりました。
私(これから忙しくなる季節なのに、まずいなあ・・・連休中に治さなきゃ)
D「さゆ」
Dは私のベッド脇の床の上に座り、心配そうに私の頬に手を当てました。
私(なんか、いつもよりDの感触が薄い気がする・・・私の体調不良のせいかな・・・)
頬を優しく触られても、指をからめるように手を握られても、いつもよりDの感触が薄い気がするのです。Dにもそれがわかったようで、はっとしたように私の顔を見ました。
Dは私から手を離して、私からはベッドで見えない場所のDの足元から何かを拾い上げました。Dがそれを私の前にかざしたので、それの正体がわかりました。天秤です。
アンティークな形をした天秤は、華奢な支柱の部分がガラスでできているように透明で、細かく彫られたガラス細工がきらきらと綺麗です。全体的に透明できらきら美しいのですが、皿にだけ色がついていて、右の皿が黒、左の皿が白をしています。
なんだろう、この天秤・・・きらきらしていて少女趣味で、全然Dの趣味じゃなさそう・・・私が勝手に作っちゃったのかな・・・
Dは真剣な顔で、じっと天秤を見詰めています。すると天秤は皿に何も乗せていないのに、黒い皿のほうが下に傾き出し、ほんの少し下がったところで止まりました。
Dがほっとしたように溜息をつき、天秤を下げました。どこに天秤をしまうのか気になって見ていると、Dは自分の影の中に、まるで水に沈めるように天秤を入れました。
あれ・・・Dに影なんて、あった・・・?
D「体が疲れているだけのようだね。ゆっくり休むといいよ」
Dは私の手を優しく撫で、私の手を握るように自分の手を重ねました。やはり、いつもより感触がありません。
体温計が鳴り、取り出してみましたが、熱はありません。風邪ではなさそうです。やっぱり疲れてたのかな。ここのところ忙しかったから。
私「D、今の天秤って何?」
Dは、無言で口元に笑みを浮かべました。
私「ねえ・・・」
開きかけた私の口に、Dが口づけをしてきました。口の中に濡れた舌が動く感触を残して、唇をペロリと舐めてからDは離れていきました。
D「さあ、お喋りはやめて、おとなしくお休み」
私「その天秤・・・」
D「口を開けると、隙を狙ってもう一度するよ」
私「・・・・・・」
D「いいこだね」
明らかに、Dは天秤についての詳細を隠しているようです。私は溜息をつきました。
私「・・・Dは、私に秘密にしていることが多そうだね」
D「さゆのためだよ」
Dは口元に笑みを浮かべたまま、静かに答えました。
私「教えてくれないの?」
D「いずれ時がきたら教えてあげるよ。さあ、もう静かに休むんだよ。今の君の体には休息が必要だからね」
休日だったので、午前中にお花とシャンプーとコンディショナーとバスマジック○ンを買いに行き、友達へのクリスマスプレゼントを見て歩いて、お昼過ぎに帰ってきて遅めの昼食を摂りました。その食器を片付けた後で、なんとなく体がだるくなりました。
私(なんか、頭がボーッとするな・・・)
疲れているのか、なんか頭がボーッとする気がして、私はおでこに手を当てました。熱は無さそうだけど、一応計ろうかな。
D「さゆ、どうしたんだい?」
私の様子を見たDが、心配そうに言いました。
私「なんか頭がボーッとするというか、だるいというか。風邪かもしれないなあ。明日も休みで良かった・・・D、私少し横になるね」
私は体温計をタンスから出して脇にはさみ、ベッドに横になりました。
私(これから忙しくなる季節なのに、まずいなあ・・・連休中に治さなきゃ)
D「さゆ」
Dは私のベッド脇の床の上に座り、心配そうに私の頬に手を当てました。
私(なんか、いつもよりDの感触が薄い気がする・・・私の体調不良のせいかな・・・)
頬を優しく触られても、指をからめるように手を握られても、いつもよりDの感触が薄い気がするのです。Dにもそれがわかったようで、はっとしたように私の顔を見ました。
Dは私から手を離して、私からはベッドで見えない場所のDの足元から何かを拾い上げました。Dがそれを私の前にかざしたので、それの正体がわかりました。天秤です。
アンティークな形をした天秤は、華奢な支柱の部分がガラスでできているように透明で、細かく彫られたガラス細工がきらきらと綺麗です。全体的に透明できらきら美しいのですが、皿にだけ色がついていて、右の皿が黒、左の皿が白をしています。
なんだろう、この天秤・・・きらきらしていて少女趣味で、全然Dの趣味じゃなさそう・・・私が勝手に作っちゃったのかな・・・
Dは真剣な顔で、じっと天秤を見詰めています。すると天秤は皿に何も乗せていないのに、黒い皿のほうが下に傾き出し、ほんの少し下がったところで止まりました。
Dがほっとしたように溜息をつき、天秤を下げました。どこに天秤をしまうのか気になって見ていると、Dは自分の影の中に、まるで水に沈めるように天秤を入れました。
あれ・・・Dに影なんて、あった・・・?
D「体が疲れているだけのようだね。ゆっくり休むといいよ」
Dは私の手を優しく撫で、私の手を握るように自分の手を重ねました。やはり、いつもより感触がありません。
体温計が鳴り、取り出してみましたが、熱はありません。風邪ではなさそうです。やっぱり疲れてたのかな。ここのところ忙しかったから。
私「D、今の天秤って何?」
Dは、無言で口元に笑みを浮かべました。
私「ねえ・・・」
開きかけた私の口に、Dが口づけをしてきました。口の中に濡れた舌が動く感触を残して、唇をペロリと舐めてからDは離れていきました。
D「さあ、お喋りはやめて、おとなしくお休み」
私「その天秤・・・」
D「口を開けると、隙を狙ってもう一度するよ」
私「・・・・・・」
D「いいこだね」
明らかに、Dは天秤についての詳細を隠しているようです。私は溜息をつきました。
私「・・・Dは、私に秘密にしていることが多そうだね」
D「さゆのためだよ」
Dは口元に笑みを浮かべたまま、静かに答えました。
私「教えてくれないの?」
D「いずれ時がきたら教えてあげるよ。さあ、もう静かに休むんだよ。今の君の体には休息が必要だからね」