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命日

今日のことです。過去記事「怪談」と繋がっています。日曜日だったので、数日後に控えた母の命日について、母の実家から電話が来たので、そのことについて書いています。「怪談」に書いたような、誰も聞きたくないだろっていう感じの母の話が入るので暗くて重いです。すみません・・・!!


私は毎朝、洗濯物を干してから出社しているんです。出社時間が遅いからできることですね!!ダメ社会人です。毎朝天気予報を確認して、降水確率が低ければ外に干し、高ければ室内に干して出かけています。たまに天気予報がはずれて洗濯物がビショビショになっちゃうのは御愛嬌で。

ところが今朝は、母の兄弟の息子(私から見ると従兄弟であり、母の実家の本家の人間)から電話があって、それに時間を取られたので洗濯物を洗えなかったんです。そういうわけで、珍しく洗濯をせずに出社しました。

そして、会社から帰ってきた私は、朝に洗濯ができなかったことをすっかり忘れていて、いつもと同じように食事や入浴やタルパブログめぐりをしようと思ったんですが・・・

D「洗濯は良いのかい?」

私「え?」

Dからそう言われても、私は洗濯のことをすっかり忘れていたので、全然ピンときませんでした。

D「洗濯をしなくて良いのかい?」

私「なんで?朝やるからいいよ?」

D「でも、今朝はしなかったよ」

私「え?・・・あ!!」

そこで私はやっと思い出しました。

私「そうだった、今朝は洗濯できなかったんだ。D、教えてくれてありがとう」

私が忘れていたのにDは覚えていたなんて、すごいなあ。
でも、洗濯物は朝に干してお日様に当てたいので、私はそのことをDに説明することにしました。

私「教えてくれて本当にありがとうね。私、すっかり忘れていたから助かったよ。Dが教えてくれた洗濯物は、日光に当てたいから明日の朝に洗って干すことにするね」

Dはコクリとうなずいて、口元に笑みを浮かべました。

私「いつもと違う行動を取るとさ、こうやって忘れがちだよね」

D「本当に?」

え?

私「まあ、そうじゃない?いつもは朝に洗濯してるから」

D「嘘はいけないよ」

どういうこと?
私は怪訝な顔をしましたが、Dはいつもの表情のまま続けました。

D「本当は、忘れたくて忘れたんだろう?」

私「ええ?洗濯を忘れちゃったら大変だよ。まあ今夜は忘れていても、明日の朝にはいつもの習慣で洗濯をするから大丈夫だけどさ」

D「電話のことだよ」

・・・やだ、やめてよ、

D「君は、今朝の電話のことを忘れたくて、それと関係のあることも一緒に忘れたんだね。両方とも、君の記憶から不自然に抜け落ちているよ」

やめてね、それ以上、このことは・・・

私「・・・たしかに今までうっかり忘れてて、Dに言われて思い出したけど、完全に忘れてなんかないし?」

私は今朝の電話の内容を思い出して、不安で嫌な気持ちがよみがえってきました。
電話は、お母さんの命日が数日後にある(詳細は過去記事「怪談」参照)ので、その件についてのものだったんです。お母さんの位牌がある本家からの。

『今年もいらっしゃらないんですか?』

私『はい、仕事がありますから。今日もこれから仕事なので、すみませんが切って良いでしょうか・・・』

『日曜日もお仕事なんですか・・・お話したいことがあるんですけど、今日お時間取れませんか?』

私『申し訳ありませんが、今日は無理です。一日ずっと仕事なので・・・』

そうだよ、仕方無いよね、仕事があるもん。忙しいもんね。早く電話を切りたいな。早く職場に逃げたい。あそこには私の居場所があるよ。みんなのこと好きだし、みんなも私を必要としてくれてる。こんな話聞きたくないよ。お父さんになんか会いたくないし、お母さんの実家の人達にだって。ホント、私がお母さんに何をしたって言うんだろ。お母さんが私を捨てたのに、勝手に産んで、勝手に捨てて、勝手に自殺して、残した手帳に私が邪魔だったって、自分の人生の障害だったって・・・

私「・・・もうこの話はやめよ?何か別のお話しようよ。あっ、触感の訓練をしようか。D、好きでしょ?今日は本とかも読まずに、ずっとDと触感の訓練しようかな」

D「さゆ。自分の悩みに対して、見ないふりをして、気がつかないふりをしたら、それで苦しむのは君自身だよ」

私「D、やめて」

D「見ないふりをして、気がつかないふりをして、そうやって今は逃げることができても、いつかは追い詰められてしまうよ。この世で生きていく上で君が強く感じる悩みなら、この世から逃げ出しでもしない限り、永遠に逃げ続けることなどできないからね。だから、いつまでも後回しにしていないで、逃げずに立ち向かわなくてはいけないよ。逃げ回っているだけでは君の心に不安が生まれ、生まれた不安は君自身に対する不信感のもとになり、自分への不信感は自信喪失につながり、自信を喪失をすれば更に不安が生まれるのさ」

私「やめてよD」

D「不安は、君が見ないふりをしたからと言って消えるわけではないんだよ。君の視界に入らなくても、不安はいつでも君の背後にいる。君自身が振り向いて不安と対決しない限り、不安はいつまでも消せないんだよ」

私「やめてね、私のお母さんは・・・」

お母さんはもう死んで、会話もできないから、私とお母さんのわだかまりを解くなんてもうできないんだよ。もうお母さんが何を思っていたのかなんて聞けないし、私が仏壇にむかって話しかけたところで私の謝罪も罵詈雑言も何も届かないんだから。生きてる人間と話し合いするのとはワケが違うんだよ。だって話し合いにすらならないんだもん。向こうが自殺してこの世から逃げることで永遠に口を閉ざしたんだから。
・・・だから、こっちだって逃げたっていいじゃん。見ないふりをして、聞こえないふりをして、口を閉ざして、そうすれば忘れたふりができる。そうやって傷を覆い隠して、傷に触れないように生活したって、別にいいでしょ・・・傷つかないですむもん。

私「わかるでしょ、過去の傷に触れて痛い思いをしたくないの。わざわざ傷つきたくないんだよ。お願い、そっとしておいて」

私はDに説明しましたが、Dはゆっくりと首を横に振りました。

D「それは、傷つかない方法ではないよ。自分の傷に見ないふりをしているだけさ。深い傷ほど放置するのは危険だよ。時間が経過しても消えずに化膿して、いつまでも君を苦しめるからね」

Dは、いつものように私に手を差し出しました。

D「さあ、手を。大丈夫さ、僕が力を貸してあげるよ。僕は、君が君を苦しめるような行為に対して見て見ぬふりをしたくないからね。絶対に助けてあげるよ」

私「・・・・・・」

D「さゆ。手をお取り」

いつもと違って私が、Dの手に自分の手を乗せなかったので、Dが催促してきました。いつもなら、こうやってDが差し出してくれた手の上に私が手を乗せるのです。するとDは私の手に口づけを落としてくれるのです。でも、私はDの手に自分の手を乗せる気にはなれませんでした。

私「・・・放っておいてね」

私は初めてDにそんなことを言いました。一人ぼっちが寂しくて怖くてDを作ったのに、放っておいてだなんて何を言ってるんだか。でもそのときの私はそんなことも考えられないほど、自分の感情をやりくりすることだけに精一杯だったのです。

D「そんなことはしないよ。ずっと傍にいるよ。絶対に見捨てたりしないさ」

Dは静かな声で言いました。

D「さゆ。君が恐れているのは、『お母さん』でも『お父さん』でも『実家の人』でもないよ。君が恐れているのは、君の記憶の中にしかいない偽物の彼らなのさ。それは偽物の攻撃者であって、本物ではないよ。そんな偽物に苦しみ続ける必要は無いんだよ。君は、真実を直視することで偽物の苦しみから解放されるべきだよ。そのためには、実家に行って真実を知るべきなのさ。本物の彼らに対面してきちんと話をするんだ。子供の君にはできなかったけれど、大人になった今の君にならできるよ。君がずっと気になっていたことを彼らに尋ねるんだよ」

ずっと気になっていたこと。たしかに実家の人に尋ねてみたいことはあるのです。お母さんのことで色々と。お母さんが私を捨てたときどんな状況だったのかなって、本当に私のこと邪魔で嫌いなだけの気持ちだから捨てたのかなって。もしそうじゃなかったら、私すごく救われる。もしそうだったとしても、ごめんねって謝れる。わからないのが一番怖かったんだ。
それに・・・偽物って聞いて、コンビニに行った帰り道に出会った、私に向かって手をのばしてDに消されてしまった、あの綺麗なモヤのことを思い出しました。(詳細は過去記事「怪談」参照)あれはやっぱり、私が作ってしまった偽物のお母さんだったのかな、Dは教えてくれなかったけど。もしこの先も私がお母さんのことを見て見ぬふりし続けたら、ああいうのがどんどん生まれちゃうのかな・・・かわいそうなモヤが・・・

私「見ざる聞かざる言わざる。それが私の処世術だったのに。Dに会うまでは」

Dは前にも、今回と同じようなことを言って私を動揺させた。私が元彼のことを忘れようと頑張っていたときにも、今と同じようなことを言って私を驚かせたんだよ。自分の気持ちや真実に対して見ないふりや気付かないふりをして沈黙するのはいけないよって。忘れて逃げようとするのをやめて、事実をしっかり認めて克服しろって。Dはそう言って、元彼を思い出して辛いから触られたくない私に、無理矢理触ってきて、でもそのおかげで私は元彼のことを思い出しても平気になっちゃったんだ。
あのときに、なんとなく予想がついてたんだ。近いうちにDがお母さんのことも、そうやって私に突きつけてくるんじゃないかって。遅くてもお母さんの命日の前に。だって、私には時間が無いから。

お母さんのことについて言及されることが怖くもあったし、期待もしてたんだ。もしかして夏の終わりにタルパを作りはじめたときから、最初からこのことを期待していたのかもしれない。タルパの完成がお母さんの命日に間に合うかなって気にしたこともあった。お母さんの命日にタルパが一緒にいてくれたなら、お線香をあげに行くこともできるかもって、お母さんにごめんねって言えるかもって、ちょっと思った。

・・・Dが正しいよ。それにDは私のために言ってくれたんだ。自分が嫌われるかもしれないようなことを、私のために恐れずに言ってくれたんだ。そういう強いところ、本当に好きだよ。尊敬してるし感謝してる。

私「・・・D、ごめんね。ありがとう」

私がDの手の上に手を乗せると、Dはにこっと口元に笑みを浮かべて、身をかがめて私の手の上に口づけを落としました。

D「さゆが僕に謝る必要なんて無いんだよ」

Dはいつもの、淡々としているけど優しい口調で言いました。

私「私、行くよ。お母さんの命日に、仕事が終わったらお花を持って実家に行ってみる。お母さんにお花とお線香を供えるんだ」

大丈夫。Dが傍にいてくれるんだもん。怖くないよ。

私「一緒にいてね。Dがいてくれたら、何が起きても大丈夫な気がするんだ」

D「絶対に大丈夫さ。安心おし。僕はいつでも君の傍にいるよ」

Dはいつもの平然とした口調で言いました。私が動揺したりあたふたしたり慌てたりしているときでも、Dはいつでも平然としていて冷静なのです。そんなDの様子を見ているとなんだか私まで安心してしまうのです。

私「ありがとう」

私がお礼を言うと、Dは笑ってもう一度手に口づけを落としてくれました。


という・・・ホント暗くてすみません!!明日はパーッと明るくいきます!!

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