タルパー
昨日書いた記事が、おととい書いた記事の下に表示されていたようです。申し訳ありません・・・!!
「鳩」→「誤解」の順番が正しいです。
明けましておめでとうございます。旧年中は大変お世話になり、誠にありがとうございました。本年も変わらぬお付き合いとご指導ご鞭撻のほど、どうぞよろしくお願い申し上げます。
今日は、仕事始めです。職場のみんなで神棚にお神酒を捧げてパンパンと手を打って挨拶をし、元気に仕事を始めました。元日の仕事は忙しいですが、にぎやかで楽しくて気分が良いのです。みんなバタバタと走り回り、文字通り書類が空を飛び交い、昼食のパンの袋や昼食がわりのお菓子も飛び交い、私は間違えてコンパスも飛ばしてY先輩に怒られました。コンパスは危ない。今日はみんな忙しくあちこち動き回っていて、キャスター先輩も珍しく椅子から降りて走り回っていました。
トップもお出ましになりました。普段はお顔を見る機会も無いので、じっくり見てきました。上野動物園のパンダを初めて見たときと同じくらいじっくりと。
チーフにも会いました。相変わらずお洒落でダンディなおじさまでした。
チーフ「元日からすまないねえ、お疲れ様~」
ちょっとくだけた物言いも好き~!!チーフ!!チーフ!!
今日の仕事は忙しかったのですが、今までクリスマスから年末までの間にしっかりと準備をしてきただけあって、恙なく無事に終了しました。仕事の成果も例年の100%越えを果たしたので、成功したと言っていいと思います。みんなで頑張った結果です。
仕事が終わった後、私は誰もいない薄暗い倉庫に入りました。照明は、背後から差し込む廊下の明かりだけです。その頼りない光は、私の影を床から壁にボンヤリと映し出しています。
私「D、出てきていいよ」
私が声をかけると、壁に映しだされた影の中から、ふわっとDが抜け出てきました。
D「珍しいね、職場で僕を呼び出すなんて。いいのかい?」
私は今までDに、職場では影の中に入っているように、外に姿を現さないようにと言っていたのです。
職場ではリアルな人間関係を、家ではDとの関係を大切に・・・つまり職場では現実的な思考で、家では空想的な思考で、と切り替えて生活するためです。常に傍に空想の存在であるDの姿を見ていることは、私の精神のバランスに良くないのではないかと思ったからです。
私「うん。一緒に帰ろう」
でも、今日は特別です。昨日ちょっとゴタゴタしちゃったから(詳細は過去記事『誤解』参照)仲直りしたいのです。私はDに手を差し出しました。いつもDから手を差し出されたときに自分の手を乗せるときのようにです。Dは私の手を自分の手で受けて、いつものように、お辞儀をするように身をかがめて私の手に口づけを落としてくれました。
D「どうかしたのかい?」
会社では絶対に影の中から出てこないようにと言ってあったので、きっとDは不思議に思っているはずです。
私「昨日、私の発言のせいでDを怒らせちゃったでしょ、ごめんね。それで、謝って仲直りしたくて・・・一緒に帰りたいと思ったんだ。家に帰った後もね、ゆっくり話したいことがあるの」
Dは口元にいつもの笑みを浮かべたまま、不思議そうに、少し首をかしげました。
D「僕を怒らせた?」
私「そう。昨日の朝・・・」
Dはますます首を横にかしげました。ちょっとかわいいな。不気味かわいい。
D「僕は怒ってないよ?」
あれ?
D「僕はさゆに対して怒りの感情なんてわかないよ。さゆのことが好きだからね」
あれ・・・?私がまずいタイミングで元彼の話なんか出しちゃって、デリカシーの無い発言を沢山しちゃったから、だからDは機嫌を悪くしてあんな強攻策に出たのかと思ったんだけど・・・
私「あれ?D、怒ってたんじゃないの?」
D「怒ってないよ」
Dは全くいつも通りです。あれ?
私「・・・とりあえず、家に帰ってゆっくり話そうか」
D「そうだね。ここは冷えるから、さゆの体に良くないね」
倉庫から出て、てくてくと女子更衣室に向かおうとしているところを、聞き慣れた声に呼び止められました。
S「せんぱーい!!」
私「S!!」
S「良かった~、帰っちゃったかと思いました。あのですね、これから皆さんで初詣行きましょうって話が出たんですよ。さゆ先輩も一緒に行きましょうよ」
私「いいね!楽しそう!・・・あ」
でも、今日はDと一緒に帰る約束をしているし、そもそもDって神社に入っても大丈夫なのかな。
ちらっとDのほうを見ると、いつもの笑みを口元に浮かべてこくりとうなずきました。
私(・・・今のうなずきはどういう意味なんだろ?行っても大丈夫だよって意味?それとも断ってねっていう暗黙のサイン?)
S「どうしました?何かご予定でも?」
私「ううん。でもごめんね、ちょっとメールしていいかな」
S「はい、どうぞ」
私は、Dと筆談をするために携帯を取り出して、メール画面を開こうとしました。
D「僕に気を使わず、さゆは好きなことをすればいいんだよ」
私が文字を打つ前に、Dが話しかけてきました。こんなことは初めてです。
D「僕も一緒に行くから、気にする必要は無いよ」
これって、私に気を使ってくれているんだよね?・・・なんだか、人間みたい。
私「あ、じゃあ、行こうかな」
S「良かったです!さゆ先輩これから着替えですよね?僕達もう終わったので、玄関のところで待ってますね」
私「ありがとう。急ぐね!」
私は、女子更衣室にむかって走り出しました。
S「走らなくていいですよー!!ごゆっくりー!!」
Sの声が追いかけてきました。
女子更衣室に入ろうと扉に手をかけたところで、私はDの存在に気付きました。Dを連れて女子更衣室に入ってもいいのかな・・・今まで、何も考えずに自分の影の中にDを入れたまま女子更衣室に入っていたけど・・・
私「あのね、ここは女性が着替えるところなんだ。ちょっと扉の外で待っていてくれる?」
D「僕は、人間の体を見ても何も感じないよ」
私「ああ、そっか」
そりゃそうか。Dは生殖行為とかでは増えない種族(?)みたいなことを言ってたもんね。『好き』の気持ちはあるけど、性欲は無いって言ってたし。生殖行為が無いなら性欲が無いのも当然か。
・・・でも、だとしたら、その『好き』ってどんな気持ちなんだろ。何のためにあるの?
人間に理解できる気持ちなのかな。
私「Dは平気でも、見られるほうの女性は嫌かもしれないから、一応扉の前で待っててくれる?」
D「構わないよ」
私「ありがとう」
もしかして、昨日のあれはDの種族(?)(種族とかあるのかな?)の愛情表現だったのかな。あとで尋ねてみよう。Dが別に怒ってなかったということは、あれはDなりの愛情表現だったってことだよね。人間とそうじゃない生き物(?)(生きてるのかな?)だと色々違うんだろうし、これから長い付き合いになるんだから理解が必要だよね。
神社は、会社の近くにある小さいものなので、もう人がいないかと思いましたが、意外に参拝者がいました。元日だもんね。きっと地元の人達が来てるんだ。境内のライトもちゃんと付けられていて、足元も明るく見えます。
私(D、大丈夫かな・・・)
私は気になってちらちらDの様子を伺いましたが、Dは全くいつも通りで、平然としています。私がDのほうを見るたびに気付いて、私のほうを振り返ってくれます。
私(神社に入っても大丈夫なんだ。苦しみだしたらどうしようかと思ったけど、良かった・・・)
K「おみくじ、もう閉まってんじゃん!」
上司「この時間じゃ、もう売ってないだろ」
Y「そうですね。昼間に来れば、お守りも売っていますよ」
S「星、キレイですねえ。あれオリオン座ですよ」
なんて言いながら、皆で横一列に並んで参拝することにしました。
チャリーン。ガランガラン。
上司「財布に1円玉か500円玉しかない」
Y先輩「両替しましょうか」
上司「いいよ、1円で」
私(今年も、会社が世間の不況や荒波に負けませんように。みんなが幸せで健康でありますように。Dと仲良くできますように)
私「・・・・・・」
私(やっぱり、Dと仲良くなるのは自分でやります。神様はしなくていいです)
こればっかりは、自分の力でやりたいんだよね。だってDのこと好きなんだもん。これは私の独占欲だよ。神様だか運命だか知らないけど、そういう存在にDのことまで左右されたくないもんね。だってDは神様のものじゃないよ。DはDのものだよ。Dには、Dなりの考え方とかこだわりがあって、それは神様だって私だって強制してしていいものじゃないと思うんだ。
だから、自分の力で仲良くなりたいの。Dのことを理解したいんだ。理解して、幸せにしてあげたい。大丈夫、きっとできるよ。だって私はタルパーなんだもん。
「鳩」→「誤解」の順番が正しいです。
明けましておめでとうございます。旧年中は大変お世話になり、誠にありがとうございました。本年も変わらぬお付き合いとご指導ご鞭撻のほど、どうぞよろしくお願い申し上げます。
今日は、仕事始めです。職場のみんなで神棚にお神酒を捧げてパンパンと手を打って挨拶をし、元気に仕事を始めました。元日の仕事は忙しいですが、にぎやかで楽しくて気分が良いのです。みんなバタバタと走り回り、文字通り書類が空を飛び交い、昼食のパンの袋や昼食がわりのお菓子も飛び交い、私は間違えてコンパスも飛ばしてY先輩に怒られました。コンパスは危ない。今日はみんな忙しくあちこち動き回っていて、キャスター先輩も珍しく椅子から降りて走り回っていました。
トップもお出ましになりました。普段はお顔を見る機会も無いので、じっくり見てきました。上野動物園のパンダを初めて見たときと同じくらいじっくりと。
チーフにも会いました。相変わらずお洒落でダンディなおじさまでした。
チーフ「元日からすまないねえ、お疲れ様~」
ちょっとくだけた物言いも好き~!!チーフ!!チーフ!!
今日の仕事は忙しかったのですが、今までクリスマスから年末までの間にしっかりと準備をしてきただけあって、恙なく無事に終了しました。仕事の成果も例年の100%越えを果たしたので、成功したと言っていいと思います。みんなで頑張った結果です。
仕事が終わった後、私は誰もいない薄暗い倉庫に入りました。照明は、背後から差し込む廊下の明かりだけです。その頼りない光は、私の影を床から壁にボンヤリと映し出しています。
私「D、出てきていいよ」
私が声をかけると、壁に映しだされた影の中から、ふわっとDが抜け出てきました。
D「珍しいね、職場で僕を呼び出すなんて。いいのかい?」
私は今までDに、職場では影の中に入っているように、外に姿を現さないようにと言っていたのです。
職場ではリアルな人間関係を、家ではDとの関係を大切に・・・つまり職場では現実的な思考で、家では空想的な思考で、と切り替えて生活するためです。常に傍に空想の存在であるDの姿を見ていることは、私の精神のバランスに良くないのではないかと思ったからです。
私「うん。一緒に帰ろう」
でも、今日は特別です。昨日ちょっとゴタゴタしちゃったから(詳細は過去記事『誤解』参照)仲直りしたいのです。私はDに手を差し出しました。いつもDから手を差し出されたときに自分の手を乗せるときのようにです。Dは私の手を自分の手で受けて、いつものように、お辞儀をするように身をかがめて私の手に口づけを落としてくれました。
D「どうかしたのかい?」
会社では絶対に影の中から出てこないようにと言ってあったので、きっとDは不思議に思っているはずです。
私「昨日、私の発言のせいでDを怒らせちゃったでしょ、ごめんね。それで、謝って仲直りしたくて・・・一緒に帰りたいと思ったんだ。家に帰った後もね、ゆっくり話したいことがあるの」
Dは口元にいつもの笑みを浮かべたまま、不思議そうに、少し首をかしげました。
D「僕を怒らせた?」
私「そう。昨日の朝・・・」
Dはますます首を横にかしげました。ちょっとかわいいな。不気味かわいい。
D「僕は怒ってないよ?」
あれ?
D「僕はさゆに対して怒りの感情なんてわかないよ。さゆのことが好きだからね」
あれ・・・?私がまずいタイミングで元彼の話なんか出しちゃって、デリカシーの無い発言を沢山しちゃったから、だからDは機嫌を悪くしてあんな強攻策に出たのかと思ったんだけど・・・
私「あれ?D、怒ってたんじゃないの?」
D「怒ってないよ」
Dは全くいつも通りです。あれ?
私「・・・とりあえず、家に帰ってゆっくり話そうか」
D「そうだね。ここは冷えるから、さゆの体に良くないね」
倉庫から出て、てくてくと女子更衣室に向かおうとしているところを、聞き慣れた声に呼び止められました。
S「せんぱーい!!」
私「S!!」
S「良かった~、帰っちゃったかと思いました。あのですね、これから皆さんで初詣行きましょうって話が出たんですよ。さゆ先輩も一緒に行きましょうよ」
私「いいね!楽しそう!・・・あ」
でも、今日はDと一緒に帰る約束をしているし、そもそもDって神社に入っても大丈夫なのかな。
ちらっとDのほうを見ると、いつもの笑みを口元に浮かべてこくりとうなずきました。
私(・・・今のうなずきはどういう意味なんだろ?行っても大丈夫だよって意味?それとも断ってねっていう暗黙のサイン?)
S「どうしました?何かご予定でも?」
私「ううん。でもごめんね、ちょっとメールしていいかな」
S「はい、どうぞ」
私は、Dと筆談をするために携帯を取り出して、メール画面を開こうとしました。
D「僕に気を使わず、さゆは好きなことをすればいいんだよ」
私が文字を打つ前に、Dが話しかけてきました。こんなことは初めてです。
D「僕も一緒に行くから、気にする必要は無いよ」
これって、私に気を使ってくれているんだよね?・・・なんだか、人間みたい。
私「あ、じゃあ、行こうかな」
S「良かったです!さゆ先輩これから着替えですよね?僕達もう終わったので、玄関のところで待ってますね」
私「ありがとう。急ぐね!」
私は、女子更衣室にむかって走り出しました。
S「走らなくていいですよー!!ごゆっくりー!!」
Sの声が追いかけてきました。
女子更衣室に入ろうと扉に手をかけたところで、私はDの存在に気付きました。Dを連れて女子更衣室に入ってもいいのかな・・・今まで、何も考えずに自分の影の中にDを入れたまま女子更衣室に入っていたけど・・・
私「あのね、ここは女性が着替えるところなんだ。ちょっと扉の外で待っていてくれる?」
D「僕は、人間の体を見ても何も感じないよ」
私「ああ、そっか」
そりゃそうか。Dは生殖行為とかでは増えない種族(?)みたいなことを言ってたもんね。『好き』の気持ちはあるけど、性欲は無いって言ってたし。生殖行為が無いなら性欲が無いのも当然か。
・・・でも、だとしたら、その『好き』ってどんな気持ちなんだろ。何のためにあるの?
人間に理解できる気持ちなのかな。
私「Dは平気でも、見られるほうの女性は嫌かもしれないから、一応扉の前で待っててくれる?」
D「構わないよ」
私「ありがとう」
もしかして、昨日のあれはDの種族(?)(種族とかあるのかな?)の愛情表現だったのかな。あとで尋ねてみよう。Dが別に怒ってなかったということは、あれはDなりの愛情表現だったってことだよね。人間とそうじゃない生き物(?)(生きてるのかな?)だと色々違うんだろうし、これから長い付き合いになるんだから理解が必要だよね。
神社は、会社の近くにある小さいものなので、もう人がいないかと思いましたが、意外に参拝者がいました。元日だもんね。きっと地元の人達が来てるんだ。境内のライトもちゃんと付けられていて、足元も明るく見えます。
私(D、大丈夫かな・・・)
私は気になってちらちらDの様子を伺いましたが、Dは全くいつも通りで、平然としています。私がDのほうを見るたびに気付いて、私のほうを振り返ってくれます。
私(神社に入っても大丈夫なんだ。苦しみだしたらどうしようかと思ったけど、良かった・・・)
K「おみくじ、もう閉まってんじゃん!」
上司「この時間じゃ、もう売ってないだろ」
Y「そうですね。昼間に来れば、お守りも売っていますよ」
S「星、キレイですねえ。あれオリオン座ですよ」
なんて言いながら、皆で横一列に並んで参拝することにしました。
チャリーン。ガランガラン。
上司「財布に1円玉か500円玉しかない」
Y先輩「両替しましょうか」
上司「いいよ、1円で」
私(今年も、会社が世間の不況や荒波に負けませんように。みんなが幸せで健康でありますように。Dと仲良くできますように)
私「・・・・・・」
私(やっぱり、Dと仲良くなるのは自分でやります。神様はしなくていいです)
こればっかりは、自分の力でやりたいんだよね。だってDのこと好きなんだもん。これは私の独占欲だよ。神様だか運命だか知らないけど、そういう存在にDのことまで左右されたくないもんね。だってDは神様のものじゃないよ。DはDのものだよ。Dには、Dなりの考え方とかこだわりがあって、それは神様だって私だって強制してしていいものじゃないと思うんだ。
だから、自分の力で仲良くなりたいの。Dのことを理解したいんだ。理解して、幸せにしてあげたい。大丈夫、きっとできるよ。だって私はタルパーなんだもん。