fc2ブログ

バラ

連休初日です。どこに出かけようかな~とワクワクしながら起きました。
が、外は雨で、めちゃくちゃ寒いです。あらまあ・・・
まっ、いいや!ここのところの仕事の疲れもあるし、今日は遠出はやめて、お茶でも飲んでゆっくりすることにしよ~。

ルピシアさんまで出かけると少し遠いので、近所の茶葉屋さんに行きました。ルピシアさんとは違って珍しいお茶は滅多に入りませんが、いつも安定した品質のお茶が切れることなく置いてあるのです。

店員さん「いらっしゃいませ」

私「こんにちは。ローズティーを選びたいんです」

店員さん「良いものがありますよ。素晴らしい香りのダマスクローズの蕾で、もちろん無農薬・無着色・無添加の、変わった色の商品が入ったんですよ」

そう言って見せてくれたのは、鮮やかな薄紅色の蕾です。アンティークピンクとか紫が多いのに、こういう色は珍しいなあ。

私「わあ、かわいい。綺麗な色ですね」

店員さん「ええそれはもう、ティーポットの中でも綺麗に咲きますよ」

イチオシの商品だということで、そのダマスクローズの蕾のローズティーを買いました。このお店には紅茶やハーブのジャムやお菓子も少し売っているのですが、その中のカモミールのジャムの、一番小さな瓶を一つ買いました。私は一人暮らしなので普通の大きさの瓶だと余ってしまうのです。ここのお店は、3回分くらいの量の小さな瓶から置いてあるから嬉しいです。ジャムを買うならここのお店だなあ。ルピシアさんみたいな大手だとそういう気遣いはできないですからね。バラの花びらのジャムと迷ったけど、バラばっかりになっちゃうかなと思ってカモミールにしました。


次に、お花屋さんに行きました。駅の近くに最近できたお花屋さんで、まだ一度も入ったことが無かったので、どんなお店なのか見に来てみたかったのです。

店員さん「いらっしゃいませ」

私「こんにちは」

きょろきょろと店内を見回してみました。全ての切り花がガラスのケースに入れられていて、すっきりとしたつくりです。駅前の狭いスペースにできただけあって、お花の種類は多くありませんが、鉢植えに茶色い葉が無くきちんと管理されているようです。

私はDと筆談をするために携帯を取り出しました。

私(えーっと・・・『D、どのお花が好き?どれが一番綺麗かな?』っと)

D「どれも同じだよ。一番は無いよ」

私(お、おお・・・前回と同じ返答だ・・・)

おかしいなあ、Dはお花が好きだと思ったんだけどな。お花は好きだけど、種類には特にこだわりが無いってことなのかなあ。

私(あ、あきらめない!えっと・・・『部屋に飾るとしたら、どれが良いと思う?枕元の花瓶に生けるつもりだよ』)

Dは少し首をかしげてから、すぐに指さしました。

D「それなら、あの右から二番目のバラだね」

Dが指さしたものは、とても私好みの色をしたバラでした。全体的にアンティークな色と雰囲気をした、パステルピンクと白と薄い赤が混ざった色の、でも普段の私なら選ばない大型のバラです。上品な花びらが幾重にも重なって豪華です。

D「あれが一番さゆの寝顔に似合うからね。さゆを飾るならあれだよ」

Dは口元にいつもの笑顔を浮かべています。私は照れて恥ずかしくなりました。

私「あの、そこの右から二番目のバラを一本ください。その・・・贈り物用で」

贈り物用にしてしまいました。Dからの贈り物ということにしたかったのです。Dに選んでもらったし、とても嬉しかったからです。お花屋さんに対して『贈り物用』というキーワードを言うと、良い個体を選んで丁寧にラッピングをしてくれるのです。

・・・普通は。

ところが、店員さんが花入れから取り出した個体は、明らかに外側の花びらが水分を失いかけた個体でした。枯れかけです。私は慌ててストップをかけました。

私「ちょ、ちょっと待ってください!!もう少し元気な個体にしてください。外側までピンと張りのあるもので、まだ咲き掛けの、長持ちするものをお願いします」

店員さん「あ、えっと、じゃあこれで・・・」

次に選ばれた個体は、じゅうぶんな瑞々しさの新しい個体でした。ちょっとアナタちゃんと選べるじゃないですかあ!!

店員さん「すみません・・・うっかりしました」

いやわざとっしょ・・・これ、花に詳しくない人や、おとなしい人だったら買わされちゃってたんだろうなあ。駅前の地価が高いこの場所でお花屋さんをやっていくためには、多少古いお花から売っていかなきゃやっていけないんだろうな。ましてや今はオープンしたばかりだもんね。それには同情するけど、私も今回ばかりは枯れかけを買いたくなかったの、ごめんね・・・だって、だって今回のお花はDが選んでくれたんだもん!!

私「なんかすみません・・・今回ばかりは、ちょっと大切な贈り物でして・・・」

店員さん「いえいえ、すみませんでした。お花に詳しいんですね・・・」

き、気まずい・・・

なんか申し訳無い気分になったので、有料ラッピングを頼むことにしました。包装や装飾はとても上手で丁寧でした。私はお金を払って、寒いのに冷や汗をかきながらお礼を言って店を出ました。


私「ふうー。でも、すごく綺麗なお花が手に入ったからいっか。それにDに選んでもらえたし・・・」

玄関に帰ってきた私は、お花に顔を近づけてみました。とても綺麗で良い香りです。Dに初めて選んでもらったお花だよ。嬉しいな。大切にしよう。

D「良いね、とても君に似合うよ。すごく綺麗だよ。それに、甘くて良い香りがするね」

前回もDは同じことを言ってたよね。でも今回は、私にとっては特別なんだ。

私「花瓶に生けてあげなきゃね。でも、せっかく綺麗に包装してもらったから、ちょっと勿体無い気がするなあ・・・でもお水につけてあげなきゃ可哀想だもんね」

私が包装を解いていくと、Dは私の手元をじっと見ながら言いました。

D「何故、いつもと違う包装にしたんだい?」

私「Dが初めて選んでくれたお花だからね。特別なんだよ。Dからの贈り物ってことにしたかったの。お花の贈り物なんて素敵だよね」

D「花の贈り物・・・」

Dは小さく呟きました。

私「できた。すっごく綺麗!D、お花を選んでくれてありがとうね」

Dはこくりとうなずきました。


せっかくなので、さっき買ってきたローズティーを淹れてみることにしました。温めたティーポットにダマスクローズの蕾を入れ、そこにお湯をそそぐと、たちまち甘い香りが広がって、ふわふわとゆっくり花が開いていきます。

私「良い香り~!!」

やっぱりあの茶葉屋さんはハズレが無いね。またオススメを教えてもらおっと。

D「おいしいかい?」

私「うん。すっごく良い香りだよ」

バラの香りって落ち着くし体が温まる気がするから、大好きなんだ~。

D「確かに、甘くて良い香りだね」

私「Dも飲んでみる?」

飲んでいたティーカップを差し出してみると、Dは顔を近づけて、カップのふちを舐め上げました。

D「甘いね」

私「甘い?」

砂糖は入れてないんだけどな。香りが甘いってことかな。Dは甘い香りが好きだもんね。
・・・って、もしかして、甘いって私の唾液が?前にそんなこと言ってたよね。Dはそういうこと普通に言うからさ、どうしていいかわからなくなっちゃうよ・・・

私「えっと・・・もっと飲む?」

Dは首を振りました。

D「僕は、それを飲めないからね。さゆがお飲み」

私「うん・・・」

ああほら、どきどきしてきちゃった。Dはそんなつもり全然無いのにね。

私「音楽でも聞く?何かかけようか」

D「いいね。隣に座ってもいいかい」

私「うん」

こういうどきどきも、Dに触られたら伝わっちゃうのかな。で、でも・・・もう伝わっちゃってもいいんだもんね。

コメント

非公開コメント

プロフィール

laceformyshroud

Author:laceformyshroud
名前:さゆ
20代の女です。
初めて作るブログなので、不備がありましたら申し訳ございません。
このブログはリンクフリーです。ご自由にリンクなさってください。
Twitterはこちらです→「Twitter」

最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR