めそめそ
Dに選んでもらった薔薇が枯れてしまいました。
昨日から、もう駄目だな枯れそうだなって思ってたけど、ついに枯れてしまったのです。
私「せっかく、Dが選んでくれたのに・・・」
そっと花びらに触ると、水分を失ったカサカサとした感触が伝わってきました。ほんの一週間前には、あんなに綺麗で甘い香りをさせていたのに・・・儚いね。
D「さゆ、ごらん」
呼ばれて振り向くと、透き通る綺麗な薔薇を1輪、Dが差し出していました。
D「花なら僕がいくらでもあげるよ。元気をお出し」
私「・・・ありがとう」
その綺麗な薔薇を受け取ると、さらさらと綺麗な光の粒になって、私の手の中で消えてしまいました。Dのくれる幻のお花はとても儚くて美しいのです。消えた後もじっと自分の手を見ている私に、Dが首をかしげました。
D「新しい花を買いに行くかい?」
いつも私は、部屋のお花が枯れる度にお花屋さんに行って、新しいお花を買うのです。
私「ううん、いいや・・・」
でも今日は、そんな気分になれませんでした。
D「どうしたんだい?」
不思議そうにDが首をかしげましたが、私は目をそらして机に突っ伏しました。
目を閉じても、カーテンを透けて入り込む曖昧な日光のせいでボンヤリと目の裏側が明るいままです。机の上にだらしなく組んだ腕の中に顔をふせると、ようやく真っ暗になりました。
そっと頭を撫でられる感触を髪に感じました。顔を上げなくてもわかります。Dです。
薔薇が枯れたのが昨日だったら、私が落ち込んでいるのが昨日だったら、Dは、ここぞとばかりに私を夢の世界に引き込もうとしたのかな・・・
私「・・・昨日みたいに、私を眠りの世界に勧誘してみる?今なら、いいよって言うかもしれないよ」
D「さゆがそんなことを言うときに、僕にそんな勧誘はできないよ。他の精霊なら嬉々として勧誘したかもしれないけど、僕は君の望む幸せを大切にしたいと思っているからね。全く、君のもとに来た精霊が僕で本当に良かったね」
突っ伏したままの頭に、そっと優しい感触が降りてきました。Dが私の髪に指を通して撫でているようです。
D「外に出かけてみるかい?君の好きな綺麗な場所に行けば、気分が良くなるかもしれないよ」
私「どこにも行きたくないの。Dと二人きりでいいの。慰めてほしいな」
D「魅力的な誘惑だね」
首筋に、そっと柔らかくて温かい感触と、くすぐったい息を感じました。Dが口付けを落としたようです。
D「しかし君の触覚からして、誘い文句として言っているわけではなさそうだね。ふむ・・・休ませたほうがいいのか、外に連れ出したほうがいいのか・・・」
誘い文句のつもりで言ったんだけどな。そういうことすれば、この気分が吹き飛ぶかと思ってさ。元彼ならコロッと騙されて喜んでそういうことしたのに、やっぱりDは騙されてくれないか。Dは私の触覚が読めるんだもんね。
私「誘い文句だよ。そういうことしてほしいの」
D「今は駄目だよ。君が自己嫌悪に苛まれて、余計に悲しくなるだけだからね」
私「・・・じゃあ楽園で、現実を忘れるくらい綺麗な夢を見せてほしいな。昨日、Dが見せてくれたような」
Dは真剣な顔でうなずきました。
D「なるほど、外に連れ出したほうが良さそうだね・・・いいかい、いつもより良い服に着替えてメイクをして、好きなようにお洒落をしてごらん。これから出かけるんだよ」
私「むー・・・Dの楽園のほうが良いって言ったのに・・・」
D「今回は外に出かけたほうが良さそうだからね。最近、さゆの行動パターンがわかってきたのさ」
私「わかってないもん・・・今日は動きたくないもん・・・」
D「大丈夫だよ。さあ、支度をしてごらん」
私「・・・どこに行くの?」
D「君が行きたいと言っていたサンタ・マリア・ノヴェッラの銀座店に行くのさ。リップクリームの残りが少ないからロクシタンにも寄って買おうね。三越の中でも見て回って、ラドゥレのサロンでお茶を飲んで帰るんだよ」
普段の私なら、わー楽しそう!!って飛びつくコースだね。調子に乗ってジュエラーをひやかしたりもしちゃってさ。ハリー・ウィンストンもひやかしたいからって、高いコートに毛皮のマフラーをしてお気に入りのジュエリーにブランドバッグを持って、ハイヒールをカツンカツン言わせて・・・
私「・・・だるいもん。気が乗らないの」
D「おや、珍しいね。昨日の元気はどこに行ったんだい?」
私「だって、薔薇が枯れちゃったんだもん・・・」
D「新しい薔薇を買えば良いさ。また選んであげるよ」
買えないよ。命は取り換えがきかないもん。だってこの薔薇は私にとって特別なんだよ。Dが選んでくれたんだもん。Dは『特別』って言葉好きじゃん。なのに買いかえるとかさ。そうやって枯れたからって新しい薔薇に買い替えるなんて、Dは私が死んじゃったら新しい主人に換えても平気なんだろうなー・・・
なーんて・・・薔薇と人間は違うし。てゆーか、私ってば、勝手に一人で落ちこんでバッカじゃないのー・・・
私「はあ~・・・」
D「さゆ」
・・・っと、いけない。またDを心配させてるよ。頭でも撫でて安心させてあげよう。それからDの言う通りに、お洒落して綺麗な場所に繰り出すんだ。そうしてDを安心させてあげよう。
私「こっちおいで」
顔を上げて手招きをすると、私の後ろに立っていたDは、私のすぐ横に移動しました。
私「そこに座って」
私が自分の足元を指さすと、Dはそこに片膝を立ててひざまずきました。そんなに畏まらなくても良いんだけどな。まあいいや、撫でよう。
Dを撫でるために座っている姿勢を変えようと思って、組んでいた足をもどそうと勢い良く動かそうとして、私は途中で止めました。このまま足を戻すとDを蹴っちゃうな。えーっと、じゃあ・・・
D「いいよ?」
私「?」
D「蹴っていいよ。それで元気が出たら、着替えて僕と一緒に出掛けてくれるかい?」
私「・・・は!?何言ってるの!?」
一瞬頭が真っ白になって、カッと頭に血がのぼりました。
私「ていうか!!Dには私がそんなことする人間に見えるって言う・・・ふーん、そう。じゃ遠慮無く」
そう言って、私は組んでいる上のほうの足をナナメに振り上げました。Dはいつもの笑みを口元に浮かべたまま、じっとしています。
・・・何やってんだろ、私、ほんっと、ダメ人間・・・
上げた足を、振り下ろしてDを蹴るなんて出来るはずありません。私は体の向きを変えて、組んでいた足を狭いスペースでもぞもぞと戻しました。
私「・・・ごめんなさい・・・」
D「泣かなくていいよ、さゆ」
Dが立ち上がって私の頭を撫でてくれたので、私はみっともなく泣き始めました。
私「会社に病気のこと言いたくないよう・・・あそこは私の大切な居場所なのに・・・」
この連休が終わったら言わなきゃいけない。私は、そろそろ覚悟を決めるべきなんだ。
言ったら、薔薇の花みたいに新しい人材に換えられちゃうんだ。そりゃ仕事の引き継ぎとかがあるから即刻というわけじゃなけど、ゆっくりと着実に私のポジションは失われていくんだよ。少しずつ私の仕事は減らされていって、いずれ新しい人材に私の仕事も居場所も引き渡すことになるんだ。当然だよ、ビジネスだもん。
でもね、ビジネス以上の価値があるんだよ、私にとってあの場所は・・・
D「なるほど、そのことで気分が落ちていたんだね。でも、おそらく会社は君の悲しむような措置はとらないよ」
優しくDが頭を撫でてくれるので、私はだらしなく泣き続けました。みっともない泣き顔をDに見られたくなくて、途中から机に突っ伏しました。Dは私が泣き止むまで、ずっと頭を撫で続けてくれました。
D「落ち着いたようだね」
私「うん。ごめんね・・・」
私はティッシュで目を押さえながらうなずきました。机の上には鼻をかんだティッシュが散乱してひどい有様です。私はティッシュをまとめて机の脇のゴミ箱に入れました。
D「君が僕に謝る必要など何も無いよ。それより、目は痛くないかい。赤くなっているよ」
Dが私の目じりに、そっとキスをくれました。目を閉じたら、瞼の上にもくれました。
D「お出かけは明日だね」
鼻の頭にもくれました。きっと、目が赤くなっているだけじゃなくて、鼻の頭も赤くなっているからです。赤くなっちゃったところを心配してくれたんだね。
私「ううん、もう大丈夫」
D「でも・・・」
Dは心配そうです。確かにこのままの顔じゃ、メイクをしても悲惨な感じになりそうだから、銀座にお出かけするのは明日だね。
私「お洒落な場所に行くのは明日にするよ。だから、今日はお米を買いに行こう。もう無くなりそうだから丁度良いんだ」
マスクをして鼻を隠してお米屋さんに行こう。メイクは日焼け止めを塗るだけでいいや。
私「ひどい顔だよね、でもマスクするからいっか」
D「さゆは綺麗だし、かわいいし、甘くて良い香りがするよ」
私「ふふ、ありがとう」
Dの言う綺麗とかかわいいとかって、人間の感性とは違うんだろうなあ。でも嬉しいや。
私「ついでに少しドライブしようか。どこまで行きたい?」
お米を買うなら車を出すから、Dを乗せてドライブに行こう。ドライブデートみたいだね。鍵の束をジャラっと持ち上げると、Dが嬉しそうな顔をしました。
D「喜んで。君と一緒なら、どこまでも行きたいよ」
昨日から、もう駄目だな枯れそうだなって思ってたけど、ついに枯れてしまったのです。
私「せっかく、Dが選んでくれたのに・・・」
そっと花びらに触ると、水分を失ったカサカサとした感触が伝わってきました。ほんの一週間前には、あんなに綺麗で甘い香りをさせていたのに・・・儚いね。
D「さゆ、ごらん」
呼ばれて振り向くと、透き通る綺麗な薔薇を1輪、Dが差し出していました。
D「花なら僕がいくらでもあげるよ。元気をお出し」
私「・・・ありがとう」
その綺麗な薔薇を受け取ると、さらさらと綺麗な光の粒になって、私の手の中で消えてしまいました。Dのくれる幻のお花はとても儚くて美しいのです。消えた後もじっと自分の手を見ている私に、Dが首をかしげました。
D「新しい花を買いに行くかい?」
いつも私は、部屋のお花が枯れる度にお花屋さんに行って、新しいお花を買うのです。
私「ううん、いいや・・・」
でも今日は、そんな気分になれませんでした。
D「どうしたんだい?」
不思議そうにDが首をかしげましたが、私は目をそらして机に突っ伏しました。
目を閉じても、カーテンを透けて入り込む曖昧な日光のせいでボンヤリと目の裏側が明るいままです。机の上にだらしなく組んだ腕の中に顔をふせると、ようやく真っ暗になりました。
そっと頭を撫でられる感触を髪に感じました。顔を上げなくてもわかります。Dです。
薔薇が枯れたのが昨日だったら、私が落ち込んでいるのが昨日だったら、Dは、ここぞとばかりに私を夢の世界に引き込もうとしたのかな・・・
私「・・・昨日みたいに、私を眠りの世界に勧誘してみる?今なら、いいよって言うかもしれないよ」
D「さゆがそんなことを言うときに、僕にそんな勧誘はできないよ。他の精霊なら嬉々として勧誘したかもしれないけど、僕は君の望む幸せを大切にしたいと思っているからね。全く、君のもとに来た精霊が僕で本当に良かったね」
突っ伏したままの頭に、そっと優しい感触が降りてきました。Dが私の髪に指を通して撫でているようです。
D「外に出かけてみるかい?君の好きな綺麗な場所に行けば、気分が良くなるかもしれないよ」
私「どこにも行きたくないの。Dと二人きりでいいの。慰めてほしいな」
D「魅力的な誘惑だね」
首筋に、そっと柔らかくて温かい感触と、くすぐったい息を感じました。Dが口付けを落としたようです。
D「しかし君の触覚からして、誘い文句として言っているわけではなさそうだね。ふむ・・・休ませたほうがいいのか、外に連れ出したほうがいいのか・・・」
誘い文句のつもりで言ったんだけどな。そういうことすれば、この気分が吹き飛ぶかと思ってさ。元彼ならコロッと騙されて喜んでそういうことしたのに、やっぱりDは騙されてくれないか。Dは私の触覚が読めるんだもんね。
私「誘い文句だよ。そういうことしてほしいの」
D「今は駄目だよ。君が自己嫌悪に苛まれて、余計に悲しくなるだけだからね」
私「・・・じゃあ楽園で、現実を忘れるくらい綺麗な夢を見せてほしいな。昨日、Dが見せてくれたような」
Dは真剣な顔でうなずきました。
D「なるほど、外に連れ出したほうが良さそうだね・・・いいかい、いつもより良い服に着替えてメイクをして、好きなようにお洒落をしてごらん。これから出かけるんだよ」
私「むー・・・Dの楽園のほうが良いって言ったのに・・・」
D「今回は外に出かけたほうが良さそうだからね。最近、さゆの行動パターンがわかってきたのさ」
私「わかってないもん・・・今日は動きたくないもん・・・」
D「大丈夫だよ。さあ、支度をしてごらん」
私「・・・どこに行くの?」
D「君が行きたいと言っていたサンタ・マリア・ノヴェッラの銀座店に行くのさ。リップクリームの残りが少ないからロクシタンにも寄って買おうね。三越の中でも見て回って、ラドゥレのサロンでお茶を飲んで帰るんだよ」
普段の私なら、わー楽しそう!!って飛びつくコースだね。調子に乗ってジュエラーをひやかしたりもしちゃってさ。ハリー・ウィンストンもひやかしたいからって、高いコートに毛皮のマフラーをしてお気に入りのジュエリーにブランドバッグを持って、ハイヒールをカツンカツン言わせて・・・
私「・・・だるいもん。気が乗らないの」
D「おや、珍しいね。昨日の元気はどこに行ったんだい?」
私「だって、薔薇が枯れちゃったんだもん・・・」
D「新しい薔薇を買えば良いさ。また選んであげるよ」
買えないよ。命は取り換えがきかないもん。だってこの薔薇は私にとって特別なんだよ。Dが選んでくれたんだもん。Dは『特別』って言葉好きじゃん。なのに買いかえるとかさ。そうやって枯れたからって新しい薔薇に買い替えるなんて、Dは私が死んじゃったら新しい主人に換えても平気なんだろうなー・・・
なーんて・・・薔薇と人間は違うし。てゆーか、私ってば、勝手に一人で落ちこんでバッカじゃないのー・・・
私「はあ~・・・」
D「さゆ」
・・・っと、いけない。またDを心配させてるよ。頭でも撫でて安心させてあげよう。それからDの言う通りに、お洒落して綺麗な場所に繰り出すんだ。そうしてDを安心させてあげよう。
私「こっちおいで」
顔を上げて手招きをすると、私の後ろに立っていたDは、私のすぐ横に移動しました。
私「そこに座って」
私が自分の足元を指さすと、Dはそこに片膝を立ててひざまずきました。そんなに畏まらなくても良いんだけどな。まあいいや、撫でよう。
Dを撫でるために座っている姿勢を変えようと思って、組んでいた足をもどそうと勢い良く動かそうとして、私は途中で止めました。このまま足を戻すとDを蹴っちゃうな。えーっと、じゃあ・・・
D「いいよ?」
私「?」
D「蹴っていいよ。それで元気が出たら、着替えて僕と一緒に出掛けてくれるかい?」
私「・・・は!?何言ってるの!?」
一瞬頭が真っ白になって、カッと頭に血がのぼりました。
私「ていうか!!Dには私がそんなことする人間に見えるって言う・・・ふーん、そう。じゃ遠慮無く」
そう言って、私は組んでいる上のほうの足をナナメに振り上げました。Dはいつもの笑みを口元に浮かべたまま、じっとしています。
・・・何やってんだろ、私、ほんっと、ダメ人間・・・
上げた足を、振り下ろしてDを蹴るなんて出来るはずありません。私は体の向きを変えて、組んでいた足を狭いスペースでもぞもぞと戻しました。
私「・・・ごめんなさい・・・」
D「泣かなくていいよ、さゆ」
Dが立ち上がって私の頭を撫でてくれたので、私はみっともなく泣き始めました。
私「会社に病気のこと言いたくないよう・・・あそこは私の大切な居場所なのに・・・」
この連休が終わったら言わなきゃいけない。私は、そろそろ覚悟を決めるべきなんだ。
言ったら、薔薇の花みたいに新しい人材に換えられちゃうんだ。そりゃ仕事の引き継ぎとかがあるから即刻というわけじゃなけど、ゆっくりと着実に私のポジションは失われていくんだよ。少しずつ私の仕事は減らされていって、いずれ新しい人材に私の仕事も居場所も引き渡すことになるんだ。当然だよ、ビジネスだもん。
でもね、ビジネス以上の価値があるんだよ、私にとってあの場所は・・・
D「なるほど、そのことで気分が落ちていたんだね。でも、おそらく会社は君の悲しむような措置はとらないよ」
優しくDが頭を撫でてくれるので、私はだらしなく泣き続けました。みっともない泣き顔をDに見られたくなくて、途中から机に突っ伏しました。Dは私が泣き止むまで、ずっと頭を撫で続けてくれました。
D「落ち着いたようだね」
私「うん。ごめんね・・・」
私はティッシュで目を押さえながらうなずきました。机の上には鼻をかんだティッシュが散乱してひどい有様です。私はティッシュをまとめて机の脇のゴミ箱に入れました。
D「君が僕に謝る必要など何も無いよ。それより、目は痛くないかい。赤くなっているよ」
Dが私の目じりに、そっとキスをくれました。目を閉じたら、瞼の上にもくれました。
D「お出かけは明日だね」
鼻の頭にもくれました。きっと、目が赤くなっているだけじゃなくて、鼻の頭も赤くなっているからです。赤くなっちゃったところを心配してくれたんだね。
私「ううん、もう大丈夫」
D「でも・・・」
Dは心配そうです。確かにこのままの顔じゃ、メイクをしても悲惨な感じになりそうだから、銀座にお出かけするのは明日だね。
私「お洒落な場所に行くのは明日にするよ。だから、今日はお米を買いに行こう。もう無くなりそうだから丁度良いんだ」
マスクをして鼻を隠してお米屋さんに行こう。メイクは日焼け止めを塗るだけでいいや。
私「ひどい顔だよね、でもマスクするからいっか」
D「さゆは綺麗だし、かわいいし、甘くて良い香りがするよ」
私「ふふ、ありがとう」
Dの言う綺麗とかかわいいとかって、人間の感性とは違うんだろうなあ。でも嬉しいや。
私「ついでに少しドライブしようか。どこまで行きたい?」
お米を買うなら車を出すから、Dを乗せてドライブに行こう。ドライブデートみたいだね。鍵の束をジャラっと持ち上げると、Dが嬉しそうな顔をしました。
D「喜んで。君と一緒なら、どこまでも行きたいよ」