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幻聴

カア!!カア!!カア!!カア!!カア!!

朝、いつも通りカラスの鳴き声で目覚めました。

私「んー・・・もう朝か・・・」

どういうわけか知らないけど、ここの近所のカラス達は毎朝7時過ぎになると鳴き出すのです。カラスは時計なんて持ってないから、体内時計だよね?すごいなあ。
最初、ここに引っ越してきたときは驚きました。ここの朝はカラスの鳴き声で始まるのかーって。普通はスズメだからね。普通はチュンチュンだから。カアカアはむしろ夕方だよ。
ていうか、朝カラスに起こされるなんて風情が無いよね。世紀末かスラム街かっていう。

カア!!カア!!カア!!カア!!カア!!カア!!カア!!カア!!カア!!カア!!

私「う、うるさ・・・」

カラスがうるさいから起きようかな。昨日寝たのが朝の4時近くだから、ちょっと眠いんだけどね。私はショートスリーパーだけど、さすがに3時間睡眠は少々眠いかな。4時間も眠れれば平気なんだけどね。

D「耳障りかい?」

私「あっ」

止める間も無く、Dは一瞬で姿を消しました。どこ行ったんだろう。まさか、カラスを追い払いに行ったとか?

私(でも、カラスの目にはDは見えないと思うんだけどな・・・)

カラスを追い払おうとして、見えないから無視されて、しょんぼりして帰ってくるのかな。そしたら、なぐさめてあげなきゃね。

・・・あれ?

私(カラスが鳴きやんだ・・・)

ずっと鳴き続けていたカラスが、突然鳴きやんだのです。耳をすませても、うんともすんとも言いません。カラスは何羽もいるから、普段はずっと鳴きっぱなしで、鳴きやんでも数秒くらいなのに、もう1分以上は沈黙してるよ。え、これってまさか・・・

D「これで、また眠れるかい?」

私「D!」

Dが再び私の前に姿を現しました。

私「え、あの、これって偶然だよね?まさか、本当にDがカラスを追い払ったの?」

Dが口元に笑みを浮かべて、口を開きかけたときです。

・・・ァ、ヵァ、ヵア、カア!!

D「・・・・・・」

私「えっと・・・」

D「・・・また戻ってきてしまったようだね」

結局、もう起きることにしました。



昨日の夜に郵便受けを開けなかったので、一階のロビーまで下りて行って、開けてみました。

私(えーと、なになに?エステのチラシ、出前のチラシ、ポスティングスタッフ募集のチラシ、ん?騒音苦情・・・?」

このアパートの管理会社の名前が書かれたチラシは、騒音苦情についてのチラシでした。

私(騒音苦情についてのお知らせ・・・深夜に音楽を聴く音がうるさいという苦情が入っています。眠れなくて体調を崩したという健康被害も出ています。お心当たりのかたは、即刻取りやめてください。尚、このお知らせは全部屋にお配りしています・・・か)

・・・あー、なんか、夜の12時頃になると聴こえてくる、あのズン!ズン!ズン!ズン!って感じの重低音がそれかな?
私は夜更かしのショートスリーパーだから余裕で起きてる時間帯なんだけど、夜の12時っていったら世間的には深夜だもんね。騒音のせいで眠れなくて体調を崩したなんて、かわいそうだなあ。

私(・・・騒音の原因って、あの部屋かな?)

あのヘビメタみたいな恰好をした男性が住んでいる部屋かな。あの人、よく共用廊下に自転車を置いたり、スキー用品をごっそり置いたり、車のタイヤを置いたり、やりたい放題だもんね。あの人の車がアパートの前に停車していたときは、車内で大音量の音楽を流していたし。

私(いやいや、先入観で決めつけちゃいけないよね!!)

大穴ってことで、ヘビメタの人の隣に住んでいる、おとなしそうな女性かもしれないもんね。実はかなりの重低音好きで、部屋にウーファーを幾つも設置して、もうクラブかってくらいに重低音を楽しんでいるのかもしれないし。

想像して、ちょっとクスっときました。

それにしても、隣の住人がどんな人になるかっていうのは、運だよねえ・・・確率的には騒音被害に遭遇するなんて滅多に無いけど、普通部屋を選びに不動産屋と物件を訪れるのは昼間でしょ?夜の隣室の騒音とかは、昼間は調べようが無いもんね。気の毒に。



私(騒音・・・音で苦しむ被害か・・・そういえば)

ロビーから部屋に戻ってきた私は、手を洗いながら考えました。

私(Dの声は幻聴として聞こえてるわけだけど、それって聞き続けたら脳に良くないのかな)

本物の音と幻聴の区別はついてるけど、一応幻聴を聞いているわけだもんね。それに、Dの声の他にも、色々と聞いているし。Dの服の衣擦れの音とか、キスされる音とか、その他にもDの立てる音とか、少し前のラッコみたいな生き物の声とか、だいぶ前のDの大鎌が倒れたときの音とか・・・

私(・・・ラッコ以外は、全部D関係の音だね)

手を洗い終わって、ベッドのところに戻ってきた私は、Dに尋ねてみることにしました。

私「ねえ、Dの声とかDの立てる音を聞き続けることって、私の脳に悪いの?」

Dはいつもの表情で、ベッドに座ったまま私を見上げました。

D「さゆの脳の健康状態は、僕が定期的に調べて、僕側の世界に寄り過ぎないように管理しているから心配する必要は無いよ。安心おし」

そっか。Dがそう言うなら大丈夫なんだね。

D「さゆ。ハンドクリームを塗ったほうがいいよ」

私「え?あ、忘れてた!ありがとうD」

冬は、手を洗った後や洗い物をした後に、ハンドクリームを塗ることにしているのです。手荒れ防止のためです。

D「君にとって負担になるだろう余計な音は、君の耳に入らないように僕が遮断しているから、幻聴を心配する必要は無いよ」

私「本当?ありがとう・・・」

じゃあ、Dに関すること以外の幻聴が聞こえないのは(ラッコの声は聞こえたけど)、Dのおかげなんだね。

D「だから、他の精霊を手懐けることには反対だよ。より多くの幻視や幻聴を受け入れることになるから、さゆに負担がかかるからね」

ラッコが現れたときも、Dは同じことを言って追い払ったよね。私に負担がかかるって言って。きっと私の能力的に、タルパ1体が限界ってことなんだろうな。それ以上のタルパを見たり声を聞いたりするのは、私の脳に負担をかけることになるんだ。Dが警告するくらいだから、私にとって良くないことなんだろうな・・・

私「うん。ありがとう。Dの言う通りにするね」

私が素直にうなずいてお礼を言うと、Dは口元を上げて無言で笑いました。

D「・・・かわいいね。こっちにおいで」

Dが手を差し出してくれたので、私はDの座っているベッドに近づいて、差し出された手の上に自分の手を乗せました。Dは、そっと私の手を引いてベッドに座らせました。

D「さゆは僕を信頼しているんだね」

私がうなずくと、Dは笑みを濃くしました。

D「僕のことが好きかい?」

もう一度私がうなずくと、Dの人差し指は、そっと私のあごを上に向かせて、それから私の唇をゆっくり撫でました。

D「さゆの声で返答を聞きたいよ。この唇で言っておくれ」

そーっと唇を撫でられて、変な気分になりそうです。

私「Dのこと、好きだよ」

Dがますます口元の笑みを濃くしたので、ついに白い歯が見えました。Dは、前髪で隠れた目の部分が暗い影になったまま、うつむきがちに無言で笑っています。

D「幻視も幻聴も、さゆは何も心配する必要は無いよ。僕側の世界のことは、僕が全部管理してあげるからね。さゆは何もしなくていいんだよ。だから、何も心配せず、全て僕に任せておいで・・・」

私の唇を触っていた指が、私の口を開けるように動いてきました。Dを見ると、口を開けて舌なめずりしています。

あ・・・これ、今から、やらしいことされる・・・

でも抵抗する理由も無い私は、指で開かされるがままに口を開けて、Dを待つのでした。



っていう・・・私、自重自重!!自重したまえよ!!!!!気を抜くとすぐえろいことまで書いちゃう!!!!!

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